【宅建2026】令和8年度の法改正まとめ|改正点・試験ポイントを科目別に解説

令和8年度(2026年)宅建試験で狙われる法改正を科目別に総まとめ。拘禁刑の創設、相続登記・住所変更登記の義務化、区分所有法の大改正、建築基準法・省エネ法改正などを、新旧対比と試験ポイントつきで分かりやすく解説します。

最終更新:2026-08-04

宅建試験では、直近の法改正が毎年のように出題されます。しかも改正点は受験生の多くが対策不足になりがちなので、ここを押さえるだけで周りと差をつけられます。

この記事では、令和8年度(2026年)試験で狙われる改正を科目別に整理し、「どこが・いつから・どう変わったのか」を新旧対比の表と試験ポイントつきで解説します。数は多いですが、頻出テーマに絞って読めば十分に得点源にできます。

まず知るべき「出題の基準日」ルール

法改正対策で最初に押さえたいのが、宅建試験の出題基準です。宅建試験は、その年の4月1日時点で施行されている法令に基づいて出題されるのが原則です。

つまり、2026年10月の試験では「2026年4月1日時点で施行済みの法令」が問われます。逆に、4月2日以降に施行される改正は、原則としてその年の試験範囲には入りません。改正を勉強するときは、必ず「施行日」を意識するのが鉄則です。

「改正が公布された」だけでは出題されません。基準は"4月1日時点で施行されているか"。2026年4月1日施行の改正(区分所有法・住所変更登記など)は令和8年度試験の範囲に入る、と押さえておきましょう。

【宅建業法】拘禁刑の創設(2025年6月1日施行)

刑法が改正され、これまでの「懲役」と「禁錮」が廃止・統合されて、新しく「拘禁刑」という刑になりました。これにともない、宅建業法の条文の表現も書き換わっています。

項目改正前改正後
刑の種類懲役・禁錮(2種類)拘禁刑(1種類に統合)
免許の欠格事由(5条)禁錮以上の刑…拘禁刑以上の刑…
登録の欠格事由(18条)禁錮以上の刑…拘禁刑以上の刑…

重要なのは、変わったのは「用語」だけで、中身の扱いは従来どおりという点です。拘禁刑以上の刑ならどんな罪でも欠格、一定の罪の罰金でも欠格、欠格期間は刑の執行終了から5年――このルールはまったく変わっていません。

「禁錮以上」と「拘禁刑以上」は同じ意味だと分かれば十分です。問題文でどちらの表現が使われても動じないこと。欠格期間5年や、罰金で欠格になる罪の範囲が変わったわけではない点に注意しましょう。

免許の欠格事由そのものは、拘禁刑・罰金・5年の起算などを一つの記事で詳しく整理しています。あわせてどうぞ。 免許の欠格事由をわかりやすく →

【宅建業法】書面の電子化・押印廃止・IT重説

デジタル化にともなう改正で、宅建業法の書面まわりも大きく変わりました(2022年5月施行)。すでに数年経っていますが、実務に直結するため繰り返し出題されています。

  • 35条書面(重要事項説明書)・37条書面(契約書面)は、相手方の承諾があれば電磁的方法(電子交付)で交付できる
  • 両書面とも、宅建士の押印は不要に(記名は必要)
  • 重要事項説明は、一定の要件を満たせばテレビ会議等のIT重説で行える

「押印は廃止されたが、記名は必要」「電子交付には相手方の承諾が必要」がひっかけの定番です。記名まで不要になったわけではない点を必ず区別しましょう。

35条書面と37条書面の違いは、交付相手・タイミング・記名の要否まで一覧表で整理しています。 35条・37条の違いを見る →

【権利関係】相続登記の義務化(2024年4月1日施行)

所有者不明土地の発生を防ぐため、相続で不動産を取得した場合の登記が義務化されました。宅建でも権利関係の新論点として要注意です。

項目内容
申請期限不動産の取得を知った日から3年以内
罰則正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
過去の相続への適用施行前の相続も対象。この場合の期限は2027年3月31日まで
簡易な対応相続人申告登記をすれば、いったん義務は果たしたことになる

相続人申告登記は、「自分が相続人である」と法務局に申し出るだけの簡易な手続きで、過料を回避できます。ただし正式な相続登記の代わりにはならないため、遺産分割が決まったら改めて登記が必要です。

「3年以内・10万円以下の過料」がセットの数字。次に説明する住所変更登記(2年以内・5万円以下)と混同させる出題が想定されるので、数字はペアで覚えましょう。

【権利関係】住所等変更登記の義務化(2026年4月1日施行)

相続登記に続き、登記名義人の住所・氏名(名称)が変わった場合の変更登記も義務化されました。2026年4月1日施行なので、令和8年度試験の範囲に入る最新論点です。

項目相続登記住所等変更登記
施行日2024年4月1日2026年4月1日
申請期限取得を知った日から3年以内変更があった日から2年以内
過料の上限10万円以下5万円以下

2つの義務化は「期限」と「過料の額」が違うだけで、混同を誘う絶好のひっかけ材料です。相続=3年・10万円、住所変更=2年・5万円、と上の表で対比して覚えるのが最短です。

【権利関係】公正証書遺言のオンライン化(2025年10月1日施行)

民法969条が改正され、公正証書遺言をWeb会議システムを使ってリモートで作成できるようになりました。証人の立会いや口授(内容を口頭で伝えること)以外の一部の手続要件が見直されています。

「公正証書遺言は必ず公証役場に出向かないと作れない」という従来のイメージが変わった点がポイントです。遺言の方式は権利関係の頻出テーマなので、自筆証書遺言(財産目録のパソコン作成可・法務局保管制度)とあわせて整理しておきましょう。

【権利関係】区分所有法の大改正(2026年4月1日施行)

マンションの老朽化・管理不全に対応するため、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)が大きく改正されます。2026年4月1日施行で、令和8年度試験の最大の注目改正です。

集会の決議要件が緩和

所在等が分からない区分所有者を、決議の母数(分母)から除外できるようになるなど、決議のハードルが下げられました。あわせて、重い決議に必要な多数決の割合も緩和されています。

決議事項改正前改正後
共用部分の重大変更各4分の3以上各3分の2以上
建替え決議各5分の4以上各4分の3以上

管理制度・国内管理人の新設

  • 管理不全の専有部分・共用部分について、裁判所が管理人を選任できる財産管理制度を新設
  • 所有者不明の専有部分についての管理制度を新設
  • 海外に住む区分所有者に代わって手続きを行う「国内管理人」制度を新設

区分所有法の改正は範囲が広く、施行直後は細かい点まで確定情報を要します。本記事は2026年時点で公表されている内容の要点整理です。直前期には、必ず最新の公式情報や利用中の教材の法改正資料で最終確認してください。

【法令上の制限】建築基準法・省エネ法の改正(2025年4月1日施行)

省エネ対策と木材利用の促進を目的に、建築基準法と建築物省エネ法が改正されました。法令上の制限で狙われやすい新論点です。

  • 省エネ基準への適合義務化……原則、すべての建築物の新築・増改築で省エネ基準への適合が必要に
  • 4号特例の縮小……従来、木造2階建てなどの小規模建築物(4号建築物)は建築確認で構造審査が省略されていたが、これが「新2号・新3号建築物」に再編され、多くが審査対象に
  • 構造規制の合理化……木造建築物の規模区分などが見直された

大まかに言えば、木造2階建て・延べ面積200㎡超などは新2号建築物として建築確認の審査対象となり、木造平屋・延べ面積200㎡以下の新3号建築物は都市計画区域外などで審査省略が残る、という整理です。

「4号特例が縮小され、これまで審査が省略されていた小規模木造も原則として建築確認の審査対象になった」という方向性を押さえるのが第一。細かい面積区分よりも、まず"審査対象が広がった"という大枠を覚えましょう。

【法令上の制限】盛土規制法(2023年5月26日施行)

大規模な盛土崩落の災害を受けて、従来の「宅地造成等規制法」が全面的に改正・改称され、「盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)」になりました。

宅地だけでなく、農地や森林を含めて危険な盛土等を規制できるようになった点が大きな変化です。規制区域として、宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域が設けられ、区域内の一定の工事には都道府県知事の許可が必要になります。

「宅地造成等規制法」という古い名称のままの選択肢は誤りです。名称が「盛土規制法」に変わったこと、宅地以外(農地・森林等)の盛土も規制対象になったこと、をまず押さえましょう。

【税・その他】毎年変わるので最新確認を

税・その他の分野は、住宅ローン控除や不動産取得税・登録免許税の特例、印紙税など、毎年の税制改正で数字や適用期限が細かく変わります。ここは古い知識のままだと失点に直結します。

税の特例の金額・適用期限は年度で変動します。直前期に最新の公式資料や予備校の法改正情報で必ず確認してください。本記事の他分野も含め、最終判断は最新の一次情報を優先しましょう。

令和8年度の最重要改正は、①拘禁刑(用語のみ変更・扱いは不変)、②相続登記/住所変更登記の義務化(数字の対比)、③区分所有法の大改正(決議要件の緩和)、④建築基準法の4号特例縮小、の4本柱です。まずこの4つを固めましょう。

もう一歩:改正問題を得点に変える3つのコツ

1つ目は「新旧対比で覚える」こと。改正問題は、旧制度を選択肢に混ぜて誤りを作ります。「昔はこうだったが、今はこう変わった」とセットで理解すれば、古い知識のひっかけを見抜けます。

2つ目は「数字とキーワードを正確に」。相続登記の3年・10万円、住所変更の2年・5万円のように、改正では具体的な数字が問われます。似た数字が並ぶほど、正確な暗記が差になります。

3つ目は「施行日を意識する」こと。冒頭で触れた4月1日基準を忘れず、最新版の教材を使うこと。古いテキストのまま直前期を迎えると、改正部分がまるごと弱点になってしまいます。

確認問題(復習)

記事の内容が身についたか、確認しましょう。

確認問題(相続登記の義務化)

相続登記の申請義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 相続による取得を知った日から3年以内に申請し、怠ると10万円以下の過料に処せられることがある。
  2. 取得を知った日から2年以内に申請し、過料の上限は5万円である。
  3. 相続登記の申請は任意で、罰則はない。
  4. この義務は施行日以後の相続にのみ適用され、施行前の相続には適用されない。

正解:1

正解は①。相続登記は「取得を知った日から3年以内・過料10万円以下」。施行前の相続にも適用され、期限は2027年3月31日までです。

確認問題(住所等変更登記)

2026年4月1日施行の住所等変更登記の義務化に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 変更があった日から2年以内に申請し、過料の上限は5万円である。
  2. 変更があった日から3年以内に申請し、過料の上限は10万円である。
  3. 氏名・名称の変更は対象に含まれない。
  4. 施行は2024年4月1日である。

正解:1

正解は①。住所等変更登記は「2年以内・過料5万円以下・2026年4月1日施行」。相続登記(3年・10万円)との違いに注意しましょう。

確認問題(拘禁刑)

拘禁刑の創設に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されたが、欠格期間(5年)などの扱いは従来どおりである。
  2. 拘禁刑の創設により、欠格期間が10年に延長された。
  3. 拘禁刑の創設により、罰金も一律に欠格事由となった。
  4. 拘禁刑の規定は2026年6月に施行された。

正解:1

正解は①。変わったのは用語だけで、拘禁刑以上はすべて欠格・欠格期間5年という扱いは従来どおりです。施行は2025年6月1日です。

まとめ

法改正は、受験生の差がつきやすく、対策すれば確実に得点できるおいしい分野です。令和8年度は、宅建業法の拘禁刑、権利関係の相続・住所変更登記の義務化と区分所有法の大改正、法令上の制限の建築基準法改正が中心になります。

ポイントは、①4月1日時点で施行されている法令が出る、②新旧対比と数字を正確に、③必ず最新版の教材で確認する、の3つ。改正を味方につけて、合格ラインを一歩リードしましょう。

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よくある質問

宅建試験ではいつ施行された法改正まで出題されますか?

原則として、その年の4月1日時点で施行されている法令に基づいて出題されます。2026年10月の試験なら、2026年4月1日までに施行された改正が範囲です。4月2日以降に施行される改正は、原則その年には出ません。

拘禁刑の創設で欠格事由の扱いは変わりますか?

変わりません。「懲役・禁錮」が「拘禁刑」に統合され条文の用語が変わっただけで、拘禁刑以上はすべて欠格、一定の罪の罰金でも欠格、欠格期間は5年、という中身は従来どおりです。

相続登記の義務化と住所変更登記の義務化の違いは?

相続登記は2024年4月1日施行で「取得を知った日から3年以内・過料10万円以下」、住所等変更登記は2026年4月1日施行で「変更から2年以内・過料5万円以下」です。期限と過料の額が異なるので、対比して覚えましょう。

古いテキストで法改正の対策はできますか?

危険です。改正部分は旧制度のまま載っているため、そこがまるごと弱点になります。法改正は必ず最新年度版の教材や、各予備校が公開する最新の法改正情報で確認してください。

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