【宅建】35条書面と37条書面の違いを一覧表で完全整理|ひっかけ対策
宅建試験で毎年問われる「35条書面(重要事項説明書)」と「37条書面(契約書面)」の違いを、交付のタイミング・相手方・説明の要否・記名などの観点から一覧表で整理。混同しやすいひっかけポイントと覚え方も解説します。
最終更新:2026-08-01
宅建業法を勉強していて、多くの人が一度は「あれ、どっちがどっちだっけ?」となるのが、35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書面)の違いです。
名前が数字違いでそっくりなうえ、記載内容にも重なる部分があるので、頭の中でごちゃ混ぜになりがち。しかも試験作成者はそこを知っていて、「交付のタイミング」「渡す相手」「説明が要るかどうか」をこっそり入れ替えたひっかけを、毎年のように仕込んできます。
でも、この2つは"契約のどの場面で登場する書面か"という時系列で捉えると、驚くほどスッキリ整理できます。
この記事では、まず2つの書面の役割を場面ごとに押さえ、そのうえで違いを一気に対比し、ひっかけの外し方と覚え方まで解説していきます。読み終わるころには、35条・37条の問題が「むしろ点を取りに行ける論点」に変わっているはずです。
まずは「契約の流れ」の中で位置づける
暗記の前に、不動産取引の流れをざっくり思い浮かべてみてください。お客さんが物件を検討する → 内容に納得して契約を結ぶ → 後から言った言わないでもめないように記録を残す。
この流れの中で、35条書面は「契約する前」、37条書面は「契約した後」に登場します。番号の順番(35 → 37)が、そのまま時間の順番(前 → 後)になっている——ここに気づくだけで、半分は攻略できたようなものです。
35条書面(重要事項説明書)=契約"前"の判断材料
35条書面は、お客さんが「この物件と契約して大丈夫か」を判断するための材料です。だから契約が成立する前に交付し、しかも宅地建物取引士が口頭で内容を説明しなければなりません。
渡す相手は、これから物件を取得する買主や、借りる借主。つまり「判断する側」の人です。
記載されるのは、物件の権利関係、法令上の制限、インフラの整備状況、契約解除に関する事項など、判断に直結する情報。要は「契約する前に、ちゃんと知っておいてね」という書面です。
37条書面(契約書面)=契約"後"の記録
一方の37条書面は、契約が成立した後、その内容を記録として残すために交付されます。イメージとしては、いわゆる契約書。
渡す相手は、契約の両当事者、つまり売主と買主の双方(賃貸なら貸主と借主の双方)です。ここが35条との大きな違い。
そして37条書面には宅地建物取引士の記名は必要ですが、35条と違って口頭での「説明」までは義務づけられていません。すでに合意した内容を書面にして双方に配る、という位置づけだからです。
違いを一気に対比する
役割がつかめたところで、両者の違いを観点ごとに並べてみましょう。試験でひっかけられるのは、だいたいこのどれかを入れ替えたパターンです。
| 観点 | 35条書面 | 37条書面 |
|---|---|---|
| 交付のタイミング | 契約が成立する前 | 契約成立後、遅滞なく |
| 交付する相手 | 買主・借主(判断する側だけ) | 契約の両当事者(双方) |
| 説明の要否 | 取引士が口頭で説明が必要 | 交付すればよい(説明は不要) |
| 誰が関わるか | 宅地建物取引士(専任でなくてよい) | 宅地建物取引士(専任でなくてよい) |
| 記名 | 取引士の記名が必要 | 取引士の記名が必要 |
| 目的 | 契約するか判断するため | 契約内容を記録しトラブルを防ぐため |
記名については、2022年の宅建業法改正で35条・37条ともに押印が不要となり、取引士の記名で足りるようになりました(電子交付も可能)。
一言でまとめると、35条は「契約する"前"に、買う人・借りる人へ説明」、37条は「契約した"後"に、当事者の両方へ記録を渡す」。この時系列の対比を頭に入れておけば、多少ひねられても軸がぶれません。
ここで引っかかる!頻出のひっかけ4選
実際の出題では、正しそうに見える文の一部だけがすり替えられています。代表的なパターンを、なぜ誤りなのかとセットで押さえておきましょう。
「37条書面も取引士が説明しなければならない」→ 誤り
説明義務があるのは、契約前に判断材料を渡す35条書面だけです。37条書面は交付すれば足り、口頭での説明までは求められていません。「両方とも説明が必要」と書いてあったら、それは誤りだと即断できます。
「35条書面は売主にも交付する」→ 誤り
35条の交付相手は、判断する側である買主・借主です。売主はすでに物件を手放す側なので、判断材料としての重要事項説明を受ける立場にはありません。「両当事者に交付」なのは37条のほう。ここは相手方の入れ替えで狙われる定番です。
「説明や記名は"専任"の取引士でなければならない」→ 誤り
35条の説明も、35条・37条への記名も、宅地建物取引士であれば行えます。専任の取引士である必要はありません。「専任の」という限定がついていたら疑ってかかりましょう。
「押印がないと書面は無効」→ 現在は誤り
2022年の宅建業法改正で、35条書面・37条書面ともに押印は不要となり、取引士の記名で足りるようになりました。あわせて、相手方の承諾があれば電子データでの交付も認められています。古い知識のままだと、この改正点で足をすくわれます。
覚え方のコツと過去問の使い方
一番効くのは、番号を時系列と結びつけること。「35(先)=契約の前に説明」「37(後)=契約の後に交付」と唱えられるようにしておきます。
さらに、相手方は"目的"から導けます。35条は判断材料だから判断する人(買主・借主)だけに、37条は契約の記録だから契約した両者に——こう理由づけで覚えておくと、丸暗記より応用が利き、初見の選択肢にも強くなります。
あとは、覚えた知識を過去問で試して、ひっかけのパターンに体を慣らしていきましょう。
この論点は宅建業法で毎年のように問われます。実際の過去問で「35条・37条」の問題を解いて、ひっかけを見抜く感覚を磨きましょう。 一問一答で確認する →
もう一歩:35条書面に「何が」書かれるのか
違いを押さえたら、35条書面に具体的に何が記載されるかも知っておくと、応用問題に強くなります。35条書面は「契約するかどうかの判断材料」なので、判断に影響する事項が幅広く並びます。代表的なものは次のとおりです。
- 登記された権利(抵当権など)の種類・内容
- 都市計画法・建築基準法などの法令上の制限の概要
- 私道に関する負担
- 電気・ガス・上下水道などの供給施設の整備状況
- 代金・交換差金以外に授受される金銭(手付金など)の額と目的
- 契約の解除に関する事項、損害賠償額の予定・違約金
- 手付金等の保全措置の概要
- (貸借の場合)契約期間、契約の更新、用途その他の利用制限、敷金の精算に関する事項 など
一方の37条書面には、当事者や物件の特定、代金の額・支払時期・方法、引渡しの時期、移転登記の申請時期など、実際に合意した契約条件が記載されます。「判断材料の35条/合意の記録の37条」という役割の違いが、そのまま記載事項の違いにもつながっているわけです。
もう一歩:IT重説と、37条の「交付」は誰の義務か
重要事項の説明は、いまは対面だけでなく、テレビ会議などを使った「IT重説」でも認められています。相手方の承諾を得て、記名した35条書面を事前に送付し、宅地建物取引士証を画面上で提示して説明する、といった要件を満たせば、遠隔でも説明が可能です。
よくある勘違いとして、「37条書面は宅建士が交付する」という誤解があります。正しくは、37条書面を交付する義務を負うのは宅建業者で、宅地建物取引士はそこに記名をするだけです。説明義務がないだけでなく、交付の主体も宅建士ではない、という二段構えで押さえておきましょう。
本試験では「交付のタイミング(契約の前か後か)」「渡す相手(買主・借主か、両当事者か)」「説明の要否」を入れ替えたひっかけが定番です。あわせて、2022年改正で押印が不要になり記名で足りる点も、繰り返し問われます。
まとめ
35条書面と37条書面は、「契約の前か後か」「渡す相手は誰か」「説明が要るか」の3点さえ押さえれば、もう迷いません。
35条=契約前に買主・借主へ説明、37条=契約後に両当事者へ交付(説明は不要)。この対比を軸に、専任は不要・押印は不要という改正点まで押さえておけば、本番のひっかけはほぼ見抜けます。
あとは過去問を繰り返して、確実な得点源に育てていきましょう。
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よくある質問
35条書面と37条書面は同じ宅建士が担当しないといけませんか?
いいえ。どちらも宅地建物取引士が関与しますが、35条の説明・記名をした宅建士と、37条に記名する宅建士が別人でも構いません。専任の宅建士である必要もありません。
37条書面にも重要事項の説明は必要ですか?
必要ありません。37条書面は契約内容を記録して交付する書面で、口頭での説明義務はありません。説明が必要なのは契約前の35条書面です。
押印は必要ですか?
2022年の宅建業法改正により、35条書面・37条書面ともに押印は不要となり、宅地建物取引士の記名で足ります。相手方の承諾があれば電子交付も可能です。