【宅建】区分所有法(マンション法)を一気に整理|集会の決議要件・規約・共用部分
宅建で頻出の区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)を、専有部分・共用部分・規約・集会の決議要件まで一覧表で整理。普通決議・特別決議・建替え決議の多数決や、2026年施行の改正点も試験ポイントつきで解説します。
最終更新:2026-08-05
区分所有法(正式には「建物の区分所有等に関する法律」)は、マンションのように1棟の建物を複数人で所有するときのルールを定めた法律です。宅建では権利関係で毎年のように出題されます。
専門用語が多く、決議の多数決も種類がいくつもあって混乱しがちですが、「専有部分・共用部分」「規約」「集会の決議要件」の3本柱で整理すれば怖くありません。数字を中心に、一覧表で押さえていきましょう。
専有部分と共用部分
まず建物を2つに分けて考えます。各所有者が単独で所有する部分が専有部分(各住戸の中)、みんなで使う部分が共用部分(廊下・階段・エントランスなど)です。
- 専有部分……構造上・利用上の独立性がある部分。各区分所有者が単独で所有する
- 法定共用部分……廊下・階段など、性質上当然に共用となる部分(登記できない)
- 規約共用部分……本来は専有部分にできる部分(集会室など)を、規約で共用部分としたもの(登記が対抗要件)
共用部分は、原則として区分所有者全員の共有です。各人の持分は、原則として専有部分の床面積の割合によりますが、規約で別段の定めもできます。共用部分の持分は、専有部分と分離して処分することはできません(分離処分の禁止)。
「規約共用部分は登記が対抗要件」「共用部分の持分は専有部分と分離して処分できない」が頻出。また、共用部分の変更や管理は集会の決議で決めますが、日常の保存行為(軽微な修繕など)は各区分所有者が単独でできる点も狙われます。
管理組合と管理者
区分所有者は、全員が当然に管理組合の構成員になります。加入・脱退の手続きは不要で、住戸を持った時点で自動的にメンバーです。
管理者(理事長など)は、集会の決議で選任・解任できます(規約で別段の定めも可)。管理者は区分所有者である必要はなく、外部の専門家でもかまいません。
規約の設定・変更
規約は、マンション内のルールブックです。規約の設定・変更・廃止は、集会で区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要な、重い決議(特別決議)です。
一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その者の承諾も必要になります。また、規約や集会の決議は、その後にその住戸を買った人(特定承継人)にも効力が及びます。この「買主も従わなければならない」という点は頻出です。
集会の決議要件(最重要)
区分所有法の中心が、この集会の決議要件です。決める内容の重さによって、必要な賛成割合が変わります。基本の3段階を押さえましょう。
| 決議の種類 | 必要な多数 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 普通決議 | 区分所有者・議決権の各過半数 | 管理者の選任解任・日常の管理事項など |
| 特別決議 | 各4分の3以上 | 規約の設定変更廃止・共用部分の重大変更・大規模滅失の復旧・法人の設立解散 |
| 建替え決議 | 各5分の4以上 | 建物を取り壊して新たに建てる |
「過半数→4分の3→5分の4」と、重い決定ほどハードルが上がる、と理解すれば覚えやすいです。決議には、区分所有者の頭数と議決権(原則、専有部分の床面積割合)の両方の要件を満たす必要があります。
数字の入れ替えが定番のひっかけです。「規約の変更は5分の4」「建替えは過半数」などの誤りを見抜けるように。共用部分の重大変更は4分の3ですが、区分所有者の"頭数"の要件だけは規約で過半数まで減らせる、という細かい点も出題されます。
集会の招集
管理者は、少なくとも毎年1回、集会を招集しなければなりません。招集通知は、原則として会日の少なくとも1週間前までに、会議の目的を示して各区分所有者に発します(この期間は規約で伸ばすことも縮めることもできます)。
一定数以上の区分所有者は、自ら集会の招集を請求することもできます。また、区分所有者全員の同意があれば、招集手続きを省略して集会を開くことも可能です。
もう一歩:2026年施行の改正で変わる点
マンションの高経年化・管理不全に対応するため、区分所有法は大きく改正されます(2026年4月1日施行)。集会の決議要件が緩和されるのが主なポイントです。
| 決議事項 | 従来 | 改正後 |
|---|---|---|
| 共用部分の重大変更 | 各4分の3以上 | 各3分の2以上 |
| 建替え決議 | 各5分の4以上 | 各4分の3以上 |
あわせて、所在等が不明な区分所有者を決議の母数から除外できる仕組みや、海外居住者に代わる国内管理人制度、管理不全部分の財産管理制度なども新設されます。
区分所有法の改正は範囲が広く、施行直後は細かい点まで確定情報を要します。試験は原則4月1日時点で施行されている法令が基準です。学習の際は、必ず最新版の教材や公式情報で最終確認してください。改正論点は別記事でもまとめています。
令和8年度の法改正は、区分所有法のほかにも狙われる論点が多数。科目別にまとめた記事で全体像をつかみましょう。 令和8年度の法改正まとめを見る →
確認問題(復習)
記事の内容が身についたか、確認しましょう。
確認問題(規約の設定・変更)
規約の設定・変更・廃止に必要な決議要件として正しいものはどれか。
- 区分所有者及び議決権の各過半数
- 区分所有者及び議決権の各4分の3以上
- 区分所有者及び議決権の各5分の4以上
- 区分所有者全員の同意
正解:2
正解は②。規約の設定・変更・廃止は特別決議で、各4分の3以上が必要です。①は普通決議、③は建替え決議の要件です。
確認問題(特定承継人)
区分所有法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 集会の決議は、決議後に専有部分を買い受けた特定承継人には効力を有しない。
- 規約及び集会の決議は、特定承継人に対しても効力が及ぶ。
- 規約は登記しなければ効力を生じない。
- 管理者は区分所有者の中から選任しなければならない。
正解:2
正解は②。規約・集会の決議は買主(特定承継人)にも効力が及びます。④管理者は区分所有者以外からも選任できます。
確認問題(集会・管理者)
集会と管理者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 管理者は、少なくとも毎年1回、集会を招集しなければならない。
- 普通決議には区分所有者全員の同意が必要である。
- 集会の招集通知は、原則として会日の1か月前までに発しなければならない。
- マンションには必ず管理者を置かなければならない。
正解:1
正解は①。管理者は少なくとも毎年1回集会を招集する義務があります。②普通決議は各過半数、③招集通知は原則1週間前まで、④管理者の設置は任意です。
まとめ
区分所有法は、①専有部分・共用部分(規約共用部分は登記が対抗要件・分離処分の禁止)、②規約(設定変更は4分の3・特定承継人にも効力)、③集会の決議要件(過半数・4分の3・5分の4)の3本柱で整理できます。
得点のカギは決議要件の数字を正確に覚えること。2026年施行の改正で一部の数字が緩和される点もあわせて、最新版の教材で確認しておきましょう。
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よくある質問
区分所有法の集会の決議要件を教えてください。
基本は3段階です。普通決議は区分所有者・議決権の各過半数、特別決議(規約変更・共用部分の重大変更など)は各4分の3以上、建替え決議は各5分の4以上です。2026年施行の改正で、共用部分の重大変更は3分の2、建替えは4分の3に緩和されます。
規約共用部分と法定共用部分の違いは?
法定共用部分は廊下・階段など性質上当然に共用となる部分で登記できません。規約共用部分は本来専有部分にできる部分(集会室など)を規約で共用部分としたもので、登記が第三者への対抗要件になります。
規約や集会の決議は、あとから住戸を買った人にも効力がありますか?
あります。規約や集会の決議は、専有部分を譲り受けた特定承継人(買主)に対しても効力が及びます。買主は既存の規約に従う必要があります。
管理者は区分所有者でなければなれませんか?
いいえ。管理者は集会の決議で選任・解任され、区分所有者である必要はありません。外部の専門家などを選ぶこともできます。