【宅建】用途地域13種類の覚え方|建てられる建物を"街のイメージ"で攻略

宅建の法令上の制限で暗記が大変な「用途地域13種類」。丸暗記せず、街のイメージと"境目"のルールだけ押さえれば得点源になります。住居系・商業系・工業系の3グループ分けと、試験で狙われる建物の早見表で解説します。

最終更新:2026-08-01

用途地域は、多くの受験生が「暗記がしんどい」と感じる分野です。13種類もあるうえに、「準住居地域にホテルは建てられる?」「工業地域に住宅は?」といった、建物と地域の組み合わせを問う問題が毎年のように出ます。まともに全部を暗記しようとすると、覚えた端から忘れていく——そんな沼にはまりがちです。

でも、実はこの分野、コツをつかむと一気に得点源に変わります。ポイントは2つ。①13種類を「街のイメージ」でグループに束ねること、②建物を丸暗記せず、"建てられなくなる境目"だけを覚えること。この記事では、その2つを軸に、法令上の制限で確実に点を取るための考え方を整理していきます。

そもそも用途地域って、何のためにあるの?

覚える前に、少しだけ「なぜ」を押さえておくと記憶が定着します。用途地域は、ざっくり言えば「街の役割分担」を決める仕組みです。

もし工場の隣にいきなり閑静な住宅が建ったり、静かな住宅街の真ん中に大きなパチンコ店やキャバレーができたりしたら、暮らしにくいですよね。

そこで、「このエリアは静かに住む場所」「ここはお店やオフィスの場所」「ここは工場の場所」と、あらかじめ土地の使い道を分けているわけです。

この「静かに住む場所ほど、建てられる建物を厳しく制限する」という発想さえ腹落ちすれば、細かいルールは後から自然についてきます。試験の選択肢も、この考え方で7〜8割は判断できるようになります。

まずは13種類を3つのグループに束ねる

13種類をバラバラに覚えようとするから大変なんです。最初にやることは、大きく3グループに分けること。これだけで頭の中がぐっと整理されます。

  • 住居系(8種類)……人が住むエリア。「静かな住宅街 → にぎやかな住宅街」の順にゆるやかに並ぶ
  • 商業系(2種類)……お店やオフィスが集まる駅前のイメージ(近隣商業地域・商業地域)
  • 工業系(3種類)……工場のエリア(準工業地域・工業地域・工業専用地域)

イメージは、一本の道を歩いていく感じです。スタートは第一種低層住居専用地域のような静かな戸建ての街。

歩いていくと、だんだんマンションやお店が増えてにぎやかになり、やがて駅前の商業地域へ。さらに進むと工場が並ぶ工業地帯にたどり着く——。

左に行くほど「住む人ファースト」、右に行くほど「働く場所ファースト」。この一本道のイメージが、すべての土台になります。

住居系が8種類と多いのは、「どのくらい静かに暮らしたいか」で細かく段階が分かれているからです。

一番左(静か)から順に、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、そして農地とのバランスをとる田園住居地域。

名前を丸暗記する必要はありません。「左ほど静か、右ほどにぎやか」の順番感覚だけ持っておけば十分です。

覚えるのは全部じゃない。"境目"だけ

ここが一番のキモです。試験は「すべての建物×13地域」を覚えているかは問いません。実際に狙われるのは、「どこから建てられるようになるのか」「どこでは建てられないのか」という"境目"です。逆に言えば、境目さえ押さえれば、その手前も奥もまとめて判断できます。頻出の境目を、優先度の高い順に見ていきましょう。

① 住宅が建てられないのは「工業専用地域」だけ

まずこれを完璧に。住宅(一戸建てもマンションも)が建てられないのは、13種類のうち工業専用地域ただ1つです。裏を返せば、それ以外の12地域では住宅を建てられます。

「工業地域には住宅を建てられない」といった選択肢は誤り——工業地域はOK、ダメなのは工業"専用"だけ。この一文字の違いが正誤を分けます。

まずはここだけでも確実にしておくと、それだけで得点がぐっと安定します。

② 大学・病院は「低層と工業」で建てられない

次に押さえたいのが大学・病院です。これらは、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、そして工業地域・工業専用地域では建てられません。

逆に言うと、中高層住居専用地域から準工業地域までの真ん中のゾーンならOK、ということ。「低層の静かな住宅街に大学のキャンパスや大病院はそぐわない」「工場地帯にもなじまない」とイメージすれば、覚えやすいはずです。

ちなみに幼稚園・小中高は工業・工業専用以外ならOK。学校でも規模の大きい大学・病院のほうが制限が厳しい、と対比で覚えましょう。

③ ホテル・娯楽施設は「にぎやかな方」から解禁される

お酒や娯楽がからむ施設ほど、道の右側(にぎやかな方)に行かないと建てられません。ここも境目を押さえるだけです。

ホテル・旅館は第一種住居地域から。カラオケボックスは第二種住居地域から。客席200㎡以上の映画館・劇場になると近隣商業・商業・準工業だけ。そして一番きわどいキャバレーや料亭は、商業地域と準工業地域だけ、とグッと絞られます。

「静かな住居系ほどダメ、にぎやかになるほど解禁」という一本道の感覚と、そのまま一致しているのが分かると思います。

主要な建物の"境目"早見表

ここまでの境目を、試験で狙われる主要な建物ごとに一覧にまとめました。右側の「覚える境目」だけ押さえれば十分です。

建物建てられる範囲(覚える境目)
住宅工業専用地域以外はすべてOK(=工専だけ×)
大学・病院中高層住居専用〜準工業(低層・田園・工業・工専は×)
ホテル・旅館第一種住居地域から
カラオケボックス第二種住居地域から
映画館・劇場(客席200㎡以上)近隣商業・商業・準工業のみ
キャバレー・料亭商業・準工業のみ

逆に「ほぼどこでも建てられる」ものもある

制限を覚えるのと同じくらい、「例外的にどこでもOKなもの」を知っておくと解答が速くなります。

神社・寺院・教会、保育所、診療所、公衆浴場、派出所(交番)は、13種類すべての用途地域で建てられます。地域の暮らしに欠かせない施設なので、どこでも認められている、と考えれば自然です。

また、住宅・図書館・老人ホームは、①で見た工業専用地域だけがNGで、それ以外はすべてOK。「どこでもOK組」を先に押さえておくと、選択肢を消去法でさばけるようになります。

実際の過去問はこう問われる

知識が入ったら、出題のされ方も見ておきましょう。たとえば「準住居地域内では、原則として床面積200㎡未満のカラオケボックスを建築することができる」——これは正しいでしょうか。

カラオケボックスは第二種住居地域から解禁でしたね。準住居地域はそれより右(にぎやか側)なので、建てられます=正しい、と判断できます。

このように、実際の問題も「境目より右か左か」を問うているだけ。境目を軸に考える練習を積めば、初見の組み合わせでも自信を持って答えられるようになります。

用途地域は、覚えたその日から過去問で試すのが一番の定着法です。「建てられる/建てられない」を実際に判定して、知識を得点に変えましょう。 一問一答で判定練習する →

身近な街に当てはめると忘れない

最後に、記憶を長持ちさせるコツを一つ。テキストの上だけで覚えようとすると抜けやすいので、自分の住む街や通勤経路を思い浮かべてみてください。

「駅前のこの通りは商業地域っぽいな」「この静かな戸建てエリアは低層住居専用かな」と当てはめてみると、知識が急に立体的になります。

市区町村のウェブサイトで公開されている「都市計画図」を眺めると、実際の用途地域が色分けで見られて面白いですよ。身近な風景と結びついた知識は、本番でも簡単には抜けません。

もう一歩:背景を知ると、もっと忘れない

工業専用地域で住宅が建てられないのには、ちゃんと理由があります。大規模な工場が集まる地域は、騒音・振動・大気汚染などのリスクが高く、人が日常的に生活する場所には向きません。住宅を認めないことで、住民を守ると同時に、工場も操業しやすくしているのです。「なぜダメなのか」まで腹落ちさせると、丸暗記より確実に記憶に残ります。

2018年に新設された田園住居地域も押さえておきましょう。これは、都市部に残る農地と低層住宅を調和させるための地域で、農産物の直売所や農家レストランなどを建てられるのが特徴です。制限の強さとしては、低層住居専用地域に近いイメージを持っておくと整理しやすくなります。

さらに、用途地域による制限に「上乗せ」する形で、特別用途地区や高度地区などが定められることもあります。用途地域が土台にあり、その上に地域の事情に応じた追加ルールが重なる——この構造を知っておくと、細かい規制が出てきても混乱しません。

「工業専用地域だけ住宅が建てられない」は最頻出です。次いで、大学・病院が建てられない地域(低層住居専用・田園住居・工業・工業専用)を問う問題が定番なので、この2つは確実に押さえましょう。

まとめ

用途地域は、次の3ステップで攻略できます。

① 住居系8・商業系2・工業系3の3グループに束ねる。② 「静か→にぎやか」の一本道をイメージする。③ 工専だけ住宅NG/大学・病院は低層と工業でNG/娯楽施設はにぎやかな方から、という"境目"を押さえる。

全部を丸暗記しようとするから沼にはまるのであって、境目だけに絞れば、暗記地獄だった用途地域はむしろ確実に点を稼げる得意分野に変わります。

あとは過去問で繰り返し試して、体に染み込ませていきましょう。

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よくある質問

用途地域は13種類すべて暗記しないとダメですか?

建物ごとに丸暗記する必要はありません。3グループに分け、「工業専用だけ住宅NG」「大学・病院は低層と工業でNG」などの"境目"を押さえれば、多くの問題に対応できます。

住宅が建てられないのはどの用途地域ですか?

工業専用地域だけです。それ以外の12種類ではすべて住宅を建てられます。ここは試験で最も頻出のポイントです。

ホテルはどこから建てられますか?

第一種住居地域から建てられます。それより静かな住居系(低層・中高層住居専用、田園住居)では建てられません。

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