【宅建】借地借家法を一気に整理|存続期間・更新・対抗要件・定期借家
宅建で毎年出る借地借家法を、借地権と借家権に分けて一覧表で整理。存続期間(30年・20年・10年)、更新、対抗要件、建物買取請求、定期借地・定期借家まで、復習問題つきで分かりやすく解説します。
最終更新:2026-08-05
借地借家法は、立場の弱い借主を保護するための法律です。宅建では毎年のように出題され、借地で1問・借家で1問というのが定番のパターンです。
覚えることは多く見えますが、「存続期間(数字)」「更新」「対抗要件」の3つを、借地と借家に分けて押さえれば十分に得点できます。数字と対抗要件が狙われやすいので、そこを重点的に整理していきましょう。
借地権の存続期間と更新
借地権(建物を所有する目的で土地を借りる権利)の存続期間は、次のように定められています。当事者が定めなかったり、短すぎる期間を定めたりした場合は、法律の期間まで引き上げられます。
| 区分 | 存続期間 |
|---|---|
| 当初の存続期間 | 30年以上(定めがない・30年未満の定めは30年) |
| 更新後(1回目) | 20年以上 |
| 更新後(2回目以降) | 10年以上 |
更新には、当事者の合意による更新のほか、借地上に建物があるときの請求による更新・法定更新があります。地主が更新を拒むには正当な事由が必要です。
確認問題(借地権・存続期間)
借地権の存続期間について、当事者が期間を定めなかった場合の存続期間として正しいものはどれか。
- 20年
- 30年
- 50年
- 期間の定めがないものとなる
正解:2
正解は②。借地権の存続期間は、定めがない場合や30年未満の定めをした場合、30年になります。更新後は1回目20年以上・2回目以降10年以上です。
借地権の対抗要件と建物買取請求権
借地権は、土地の登記がなくても、次のいずれかがあれば第三者(土地の新しい所有者など)に対抗できます。
- 借地権自体の登記
- 借地上の建物について、借地権者が自己名義でした登記(表示の登記でも可)
また、契約が更新されずに終了した場合、借地権者は地主に対して、建物を時価で買い取るよう請求できます(建物買取請求権)。借地人が投じた建物への投資を保護する制度です。
確認問題(借地権・対抗要件)
借地権の対抗要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 借地権は、土地の登記がなければ第三者に対抗できない。
- 借地上の建物に借地権者が自己名義の登記をしていれば、借地権を第三者に対抗できる。
- 建物の登記は、必ず所有権保存登記でなければ対抗力を生じない。
- 借地権の対抗要件は、建物の引渡しである。
正解:2
正解は②。自己名義の建物の登記があれば借地権を対抗できます(表示の登記でも可)。④建物の引渡しは「借家」の対抗要件です。
借家権(建物賃貸借)のポイント
建物を借りる借家では、次の点が頻出です。とくに対抗要件が借地と異なる点に注意しましょう。
- 期間を1年未満とする定めは、期間の定めがない建物賃貸借とみなされる
- 対抗要件は「建物の引渡し」(登記がなくても、引渡しを受けていれば対抗できる)
- 期間の定めがない場合、貸主からの解約申入れは6か月経過で終了(正当事由が必要)、借主からは3か月
- 期間の定めがある場合、期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知をしないと法定更新される(拒絶には正当事由が必要)
確認問題(借家・期間)
建物の賃貸借において、契約で期間を6か月と定めた場合の効果として正しいものはどれか。
- 期間は1年に引き上げられる。
- 契約は無効となる。
- 期間の定めがない建物賃貸借とみなされる。
- 定めた6か月がそのまま有効となる。
正解:3
正解は③。建物賃貸借で1年未満の期間を定めると、期間の定めがないものとみなされます(借地借家法29条)。借地の「30年に引き上げ」と混同しないよう注意しましょう。
対抗要件は「借地=自己名義の建物の登記/借家=建物の引渡し」。ここの入れ替えがひっかけの定番です。また、貸主からの更新拒絶・解約には正当事由が必要な点、借家で1年未満の定めは「期間の定めなし」とみなされる点が頻出です。
定期借地権・定期借家(更新のない契約)
更新がなく、期間満了で確定的に終了する契約もあります。書面の要否が問われます。
| 種類 | 主な要件 |
|---|---|
| 一般定期借地権 | 存続期間50年以上・公正証書等の書面(電磁的記録可) |
| 事業用定期借地権 | 存続期間10年以上50年未満・公正証書が必須 |
| 定期借家 | 書面(公正証書等・電磁的記録可)で契約し、事前に書面を交付して更新がない旨を説明 |
もう一歩:造作買取請求権は「特約で外せる」
借家人が貸主の同意を得て取り付けたエアコンなどの造作は、契約終了時に時価での買取りを請求できます(造作買取請求権)。ただしこれは任意規定で、「造作買取請求はしない」という特約は有効です。
一方、借地の建物買取請求権や、存続期間・更新に関する借主保護の規定の多くは強行規定で、借主に不利な特約は無効になります。「造作買取=特約で外せる/建物買取=外せない」の違いを押さえると、細かい選択肢に強くなります。
確認問題(復習)
記事の内容が身についたか、確認しましょう。
確認問題(借家・解約)
期間の定めがない建物賃貸借に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 貸主からの解約申入れは、正当事由があれば申入れ後3か月で終了する。
- 貸主からの解約申入れは、正当事由があれば申入れ後6か月で終了する。
- 借主からの解約申入れは、申入れ後6か月で終了する。
- 貸主・借主とも、いつでも予告なく解約できる。
正解:2
正解は②。期間の定めがない借家では、貸主からの解約は正当事由+6か月経過で終了、借主からは3か月です。貸主側にだけ正当事由と長めの予告期間が求められます。
確認問題(定期借家)
定期借家契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 口頭の合意によっても有効に成立する。
- 書面によって契約し、あらかじめ書面を交付して更新がない旨を説明する必要がある。
- 存続期間を1年未満とすることはできない。
- 契約の更新について、貸主が拒めば正当事由が必要となる。
正解:2
正解は②。定期借家は書面(電磁的記録を含む)で契約し、事前に更新がない旨を書面で説明する必要があります。①口頭では成立しません。
まとめ
借地借家法は、①存続期間(借地30年・20年・10年/借家は1年未満は定めなし扱い)、②更新(正当事由)、③対抗要件(借地=自己名義の建物登記/借家=建物の引渡し)の3点で整理できます。
数字と対抗要件の入れ替えがひっかけの中心です。借地と借家を混同せず、一覧表で対比して覚えれば、毎年の2問を確実に取りにいけます。
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よくある質問
借地権の存続期間は何年ですか?
当初は30年以上(定めがない・30年未満の定めは30年)、更新後は1回目20年以上・2回目以降10年以上です。
借地と借家で対抗要件はどう違いますか?
借地は「借地権の登記」または「自己名義の建物の登記」、借家は「建物の引渡し」です。どちらも土地・建物の権利登記がなくても対抗できる点が借主保護のポイントです。
定期借家契約は口頭でも成立しますか?
成立しません。定期借家は書面(公正証書等・電磁的記録を含む)で契約し、あらかじめ書面を交付して更新がない旨を説明する必要があります。