【宅建】農地法 3条・4条・5条の違いと許可権者を一発整理|市街化区域の特例も

宅建の法令上の制限で混同しやすい農地法3条・4条・5条の違いを、権利移動か転用か・許可権者は誰か・市街化区域の特例で整理。許可を受けない契約の効力まで、表のイメージで解説します。

最終更新:2026-08-01

農地法は、3条・4条・5条の違いがごちゃ混ぜになりやすい論点。でも、それぞれ「何をする場面か」がハッキリしているので、そこを軸にすれば一気に整理できます。

キーワードは2つ。「権利移動か、転用か」と「許可権者は誰か」。この2つを条文ごとに押さえるだけで、定番の混同ひっかけは外せるようになります。

まず3条・4条・5条を一言で区別する

3つの条文は、農地を「誰に」「どう使うか」で分かれています。まずは次の早見表で、場面と許可権者をまとめて押さえましょう。

条文どんな場面か許可権者
3条権利移動(農地を農地のまま人へ移す。売買・賃借など)農業委員会
4条転用(自分の農地を宅地などに自分で変える)都道府県知事等
5条転用目的の権利移動(宅地にする目的で他人に売る・貸す)都道府県知事等

つまり、農地のまま持ち主が変わるのが3条、使い道を変えるのが4条、その両方(人も変わり使い道も変わる)が5条、というイメージです。5条は「3条+4条の合わせ技」と考えると覚えやすいでしょう。

許可権者は「3条だけ別」と覚える

表のとおり、許可権者は3条だけが農業委員会で、転用がからむ4条・5条は都道府県知事等(指定市町村では市町村長)です。ここが得点源になります。

「農地のまま移す3条は農業委員会」「使い道を変える4条・5条は知事等」とセットで覚えると混同しません。転用がからむ4条・5条のほうが、より広い視点の判断が必要なので知事等、とイメージすると納得しやすいはずです。

市街化区域の特例(4条・5条だけ)

農地法には、市街化区域内の農地についての特例があります。ここも頻出です。

  • 4条・5条……市街化区域内なら、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、許可は不要
  • 3条……この特例はない。市街化区域内でも許可が必要

市街化区域はもともと「市街化を進める区域」。だから転用(4条・5条)は届出で足りるわけです。一方、3条の権利移動には市街化区域の特例がなく、市街化区域内でも農業委員会の許可がいる——この違いがひっかけの定番です。

許可を受けなかったらどうなる?

許可が必要なのに受けずに行った場合の効力も押さえておきましょう。

  • 3条・5条……許可を受けない権利移動の契約は無効。所有権移転などの効力が生じない
  • 4条……転用行為そのものが違反となり、工事の中止や原状回復を命じられることがある

権利移動がからむ3条・5条は「契約が無効」、自分で使い道を変える4条は「違反行為への是正」、と結びつけると整理しやすくなります。

農地法は、条文・許可権者・特例を組み合わせて問われます。実際の過去問で3条・4条・5条を判定する練習をしましょう。 一問一答で確認する →

もう一歩:「農地」の判定と採草放牧地

そもそも「農地」かどうかは、登記簿の地目ではなく、現に耕作の目的に使われているかどうか、という現況で判断します(現況主義)。登記上は「山林」でも、実際に畑として耕作していれば農地法上の農地です。逆に、登記が「畑」でも宅地化して耕作していなければ農地とは扱われません。

採草放牧地(家畜の放牧や飼料用の草を採るための土地)の扱いも押さえましょう。3条(権利移動)と5条(転用目的の権利移動)は、農地だけでなく採草放牧地も対象になります。一方、4条(転用)の対象は農地だけで、採草放牧地を農地以外にする場合は許可が要りません。

また、市街化区域内の特例で使う届出は「あらかじめ」農業委員会へ行うもので、事後の届出ではない点にも注意しましょう。細かいですが、こうした一歩踏み込んだ知識が、応用問題の正誤を分けます。

「3条=農業委員会/4条・5条=都道府県知事等」という許可権者の違いと、「市街化区域内は4条・5条だけ届出でよく、3条には特例がない」という2点が、農地法の頻出ポイントです。

まとめ

農地法は、3条=権利移動(農業委員会)、4条=転用(知事等)、5条=転用目的の権利移動(知事等)、という骨格をまず押さえます。

そのうえで、市街化区域内は4条・5条だけ届出でOK・3条は特例なし、許可なしの3条5条契約は無効、という2点を足せば、定番の混同ひっかけはほぼ外せます。

「農地のまま動く3条だけ別扱い」を合言葉に、過去問で繰り返し確認していきましょう。

宅建道場では法令上の制限の過去問・解説を無料公開中。農地法をはじめ、混同しやすい論点を集中演習できます。 過去問を解いてみる →

よくある質問

農地法3条・4条・5条の一番の違いは何ですか?

3条は農地のままの権利移動、4条は自分の農地の転用、5条は転用目的の権利移動です。3条だけ許可権者が農業委員会で、4条・5条は都道府県知事等になります。

市街化区域内の農地はすべて届出でよいのですか?

いいえ。転用がからむ4条・5条は、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば許可不要ですが、3条の権利移動にはこの特例がなく、市街化区域内でも農業委員会の許可が必要です。

許可を受けずに農地を売買したらどうなりますか?

3条・5条の許可が必要なのに受けずに結んだ契約は無効となり、所有権移転などの効力は生じません。

関連する記事

宅建の過去問・解説を見る問題演習を始める