【宅建】5問免除(登録講習)とは?対象者・免除される問題・有効期間を解説
宅建試験の5問免除(登録講習)を制度から実務まで整理。対象は宅建業に従事し従業者証明書を持つ人だけであること、免除されるのは問46〜50の5問(住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物)、修了証の交付日から3年以内の試験で有効、試験時間が1時間50分・45問になること、申込時に申請が必要なこと、免除が有利になる人とならない人の判断まで。確認問題つきで解説します。
最終更新:2026-08-10
宅建試験の話題でよく出てくる「5問免除」。合格率にも影響する制度で、免除を受けた人の合格率は例年、一般受験者より数ポイント高い水準になります。
ただし誰でも使える制度ではありません。この記事では、対象になる人・免除される内容・有効期間を整理したうえで、あなたが使えるのかどうか判断できるようにまとめます。
あわせて、免除科目である問46〜50が試験本体でも出題される以上、免除を受けない人にとっても「どの5問が免除対象か」を知ることには意味があります。そこも触れます。
5問免除とはどんな制度か
正式には**登録講習修了者に対する試験の一部免除**といいます。
国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する登録講習を修了すると、修了証が交付されます。この修了証を持って宅建試験に申し込むと、50問のうち5問(問46〜50)が免除され、**45問を1時間50分で解く**形になります。
免除された5問は自動的に正解扱いになるわけではありません。そもそも出題されず、45問の中で合格点を争います。合格点も免除者用に別途設定され、一般受験者の合格点から5点を引いた点数になるのが通例です。
つまり得点面での純粋な有利さは大きくありませんが、**時間配分と負担が軽くなる**という実質的なメリットがあります。統計や土地・建物といった暗記色の強い分野の対策時間を、宅建業法や権利関係に振り向けられるからです。
対象者は「宅建業の従事者」だけ
ここが最大の制約です。登録講習を受けられるのは、**宅地建物取引業に従事している人**に限られます。
具体的には、宅建業者の従業者であることを証明する**従業者証明書**が必要です。申込時にこの証明書の写しを提出します。
| 立場 | 登録講習 |
|---|---|
| 宅建業者の従業者(正社員・契約社員・パート等) | 受けられる |
| 宅建業者の代表者・役員 | 受けられる |
| 不動産業でも、宅建業の免許を持たない会社の社員 | 受けられない |
| 学生・主婦・他業種の会社員 | 受けられない |
| 宅建業者に内定しているが未入社 | 受けられない |
3行目に注意してください。不動産に関係する仕事でも、その会社が宅建業の免許を持っていなければ対象外です。管理業のみを行う会社や建設会社では受けられないことがあります。
なぜ従事者に限定されているのかというと、この制度が「実務経験によって基礎的な知識が身についている人の負担を軽くする」趣旨だからです。実務に触れていない人に免除を認める理由がありません。
免除されるのはどの5問か
免除対象は**問46〜50**の5問です。内容は次のとおりです。
| 問 | 分野 | 内容 |
|---|---|---|
| 問46 | 住宅金融支援機構 | フラット35などの証券化支援業務、直接融資が例外的に行われる場面 |
| 問47 | 景品表示法(表示規約) | 不動産広告の表示ルール。徒歩1分=80m、おとり広告の禁止など |
| 問48 | 統計 | 地価公示・住宅着工戸数・宅建業者数・法人企業統計などの最新数値 |
| 問49 | 土地 | 宅地に適した地形、崖崩れ・液状化のおそれがある地形の判断 |
| 問50 | 建物 | 木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の特徴、耐震・免震の基礎知識 |
この5問は、いわゆる「5問免除科目」と呼ばれます。免除を受けない人にとっては、問48の統計が毎年数字の更新を要する厄介な分野である一方、問49の土地と問50の建物は常識的な判断で解ける問題も多く、得点源になりやすい部分です。
免除を受けられない人は、この5問を捨てるのではなく、統計だけ直前に詰め込み、土地・建物は過去問で傾向をつかむ、という配分が現実的です。
確認問題(免除の対象)
宅建試験の5問免除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 免除されるのは問1〜5の5問である。
- 免除されるのは問46〜50の5問である。
- 免除を受けると、免除された5問は自動的に正解として加算される。
- 登録講習は誰でも受講できる。
正解:2
正解は②。免除対象は問46〜50(住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物)です。③加算されるのではなく、そもそも出題されず45問で受験します。④登録講習を受けられるのは宅建業に従事し従業者証明書を持つ人に限られます。
有効期間は「修了証の交付日から3年」
登録講習の修了証には有効期間があります。**交付の日から3年以内**に行われる試験でのみ免除が適用されます。
3年という期間が設けられているのは、法改正で知識が古くなるためです。宅建業法や税制は毎年のように改正されるので、いつまでも免除を認めるわけにはいきません。
注意したいのは、期限が「合格するまで」ではないことです。3年以内に合格できなければ、免除の効力は失われます。再び免除を受けたければ、登録講習をもう一度受講する必要があります。
また、講習を修了しただけでは免除は適用されません。**試験の申込時に、登録講習修了者として申請する**必要があります。修了証番号を記入し、必要書類を添付します。申込後に「実は免除対象でした」と申し出ても認められないので、申込時点で忘れないことが重要です。
確認問題(有効期間と手続)
登録講習の修了と5問免除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 修了証の有効期間は、交付の日から5年である。
- 登録講習を修了していれば、試験の申込時に特段の申請をしなくても免除が適用される。
- 修了証の有効期間は、交付の日から3年以内に行われる試験である。
- 一度登録講習を修了すれば、合格するまで何年でも免除が適用される。
正解:3
正解は③。修了証の交付日から3年以内の試験でのみ免除されます。①5年ではありません。②申込時に登録講習修了者として申請する必要があります。④3年を過ぎれば失効し、再受講が必要です。
登録講習の中身と受け方
登録講習は、通信講座と**スクーリング(対面またはオンライン)**の組合せで行われます。
一般的な流れは、①通信教育で約1〜2ヶ月学習する、②スクーリングを2日間(合計10時間程度)受講する、③修了試験に合格する、というものです。
修了試験があることは意外と知られていません。ただし講習で扱った範囲から出題され、合格率は高く設定されているため、真面目に受講していれば通るのが通常です。万一不合格でも再試験の制度を設けている機関が多くあります。
費用は実施機関によりますが、おおむね1万5,000円〜2万円程度です。勤務先が費用を負担してくれるケースも珍しくありません。
実施時期は年に複数回ありますが、**宅建試験の申込みに間に合う日程で修了しておく必要があります**。試験の申込みは例年7月上旬〜中旬なので、遅くとも6月までには修了しておくのが安全です。ここを逃すと1年待ちになります。
もう一歩:免除は本当に有利か
免除を受けるかどうか迷う人のために、判断材料を整理します。
| 観点 | 免除あり | 免除なし |
|---|---|---|
| 問題数 / 試験時間 | 45問 / 1時間50分 | 50問 / 2時間 |
| 1問あたりの時間 | 約2分27秒 | 約2分24秒 |
| 合格点 | 一般より5点低く設定される | — |
| 対策すべき範囲 | 統計・土地・建物が不要 | 全範囲 |
1問あたりの時間はほぼ変わりません。したがって時間的な有利さは小さく、**本当のメリットは学習範囲が減ること**にあります。
とくに統計(問48)は、毎年発表される最新の数値を覚え直す必要があり、直前期の負担になります。これを丸ごと外せるのは、忙しい社会人受験者にとって実質的な利点です。
一方で、免除科目は比較的得点しやすい分野でもあります。土地・建物は常識で解ける問題も多く、しっかり対策すれば5問中4問は狙えます。合格点が5点下がることと引き換えなので、**得意な人にとっては必ずしも得ではない**という見方もできます。
結論としては、受講できる立場にあり、費用を負担できるなら受けておいて損はありません。ただし「免除があるから合格しやすい」と考えるのは誤りです。免除者の合格率が高いのは、実務に触れている人ほど基礎知識があるという要因のほうが大きいと考えられます。
確認問題(制度の理解)
5問免除に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 免除を受けた場合、試験は45問・1時間50分となる。
- 免除を受けた場合の合格点は、一般受験者の合格点より低く設定されるのが通例である。
- 免除を受けると、免除科目の学習が不要になる。
- 免除を受けた者は、必ず合格できる。
正解:4
正解は④(誤り)。免除はあくまで5問が出題されなくなるだけで、残り45問で合格点を取る必要があります。①②③はいずれも正しい記述です。
試験ポイント:①対象は宅建業に従事し従業者証明書を持つ人のみ。②免除されるのは問46〜50(住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物)。③有効期間は修了証の交付日から3年以内の試験。④試験は45問・1時間50分になり、合格点は一般より低く設定される。⑤申込時に登録講習修了者として申請しなければ適用されない。⑥講習は通信+スクーリング+修了試験で、費用は1万5,000〜2万円程度。
確認問題(まとめ)
制度の要点を確認しましょう。
確認問題(5問免除の総合)
宅建試験の5問免除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅建業の免許を持たない不動産管理会社の社員も、登録講習を受講できる。
- 登録講習の修了証は、交付の日から3年以内に行われる試験について有効である。
- 免除を受けた場合、試験時間は2時間のままである。
- 免除される5問は、権利関係から出題される問題である。
正解:2
正解は②。①登録講習を受けられるのは宅建業に従事する人(従業者証明書が必要)に限られます。③45問・1時間50分になります。④免除されるのは問46〜50で、住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物の分野です。
確認問題(免除科目の内容)
5問免除の対象となる分野に**含まれない**ものはどれか。
- 住宅金融支援機構
- 不動産の統計
- 景品表示法(不動産の表示に関する公正競争規約)
- 宅地建物取引業法
正解:4
正解は④。宅建業法は問26〜45で出題される本体科目であり、免除の対象ではありません。免除対象は問46〜50の住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物です。
まとめ
5問免除は、宅建業に従事している人だけが使える制度です。登録講習を修了すると問46〜50の5問が免除され、45問・1時間50分の試験になります。修了証の有効期間は交付日から3年です。
本当の利点は時間ではなく、統計や土地・建物といった分野の学習を丸ごと外せることにあります。忙しい社会人にとっては、その時間を宅建業法や権利関係に回せる意味が大きいでしょう。
ただし免除は合格を保証するものではありません。合格点も5点引き下げられるため、実質的な有利さは限定的です。受講できる立場なら受けておく、受けられないなら問48の統計だけ直前に詰めて問49・50を得点源にする。それぞれの立場で最適な戦略を取ってください。
宅建道場では全50問の過去問・解説を無料公開中。免除を受けない方は、問46〜50の過去問で傾向をつかんでおくと得点源にできます。 過去問を演習する →
よくある質問
5問免除は誰でも受けられますか?
受けられません。宅地建物取引業に従事している人(従業者証明書を持っている人)だけが登録講習を受講でき、修了することで免除が適用されます。不動産関係の仕事でも、勤務先が宅建業の免許を持っていない場合は対象外です。
免除されるのはどの問題ですか?
問46〜50の5問です。内訳は住宅金融支援機構・景品表示法(不動産の表示に関する公正競争規約)・統計・土地・建物です。免除を受けると45問・1時間50分の試験になります。
登録講習の修了証はいつまで有効ですか?
交付の日から3年以内に行われる試験について有効です。3年以内に合格できなかった場合は失効し、再び免除を受けるには登録講習を受け直す必要があります。法改正で知識が古くなるため期限が設けられています。
免除を受けると合格しやすくなりますか?
合格点が一般受験者より5点低く設定されるのが通例なので、得点面での有利さは限定的です。本当のメリットは統計・土地・建物の学習が不要になり、その時間を配点の大きい宅建業法や権利関係に回せる点にあります。
講習を修了すれば自動的に免除されますか?
されません。試験の申込時に登録講習修了者として申請し、修了証番号の記入と必要書類の提出を行う必要があります。申込後に申し出ても認められないため、申込時点での手続きが重要です。