宅建 平成22年度(2010年)問45 宅建業法 の解説

問題

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結(以下この問において「資力確保措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引き渡す場合、資力確保措置を講ずる義務を負う。
  2. 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、宅地建物取引業者でない買主に対して供託所の所在地等について記載した書面の交付及び説明を、新築住宅を引き渡すまでに行えばよい。
  3. 宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする場合においても、資力確保措置を講ずる義務を負う。
  4. 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日ごとに、当該基準日に係る資力確保措置の状況について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。特定住宅販売事業者は、新築住宅の引き渡し後も、基準日(毎年3月31日と9月30日)ごとに、資力確保措置の状況(供託額や保険契約の状況)を免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)に届け出る義務があります(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条第1項)。この届出は、資力確保措置が適切に履行されているかを確認するために非常に重要です。

・**特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)** ・**第2条第1項第1号(定義)**: 「特定住宅販売事業者」とは、新築住宅を販売する事業者(宅地建物取引業者を含む)を指しますが、買主が宅地建物取引業者である場合は、この法律の保護対象外となります。 ・**第3条第1項ただし書き(資力確保措置義務の適用除外)**: 特定住宅販売事業者は、新築住宅を宅地建物取引業者に引き渡す場合、資力確保措置を講ずる義務を負いません。これは、宅地建物取引業者が専門家であり、消費者保護の必要性が低いと判断されるためです。 ・**第10条第1項(供託に関する書面交付・説明)**: 住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、特定住宅販売事業者は、買主に対し、契約締結時までに、供託所の所在地等を記載した書面を交付し、説明しなければなりません。 ・**第11条第1項(基準日における届出)**: 特定住宅販売事業者は、基準日(毎年3月31日及び9月30日)ごとに、当該基準日に係る資力確保措置の状況について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければなりません。この届出により、資力確保措置の継続的な履行が確認されます。

【選択肢1】誤。 住宅瑕疵担保履行法は、新築住宅の買主が「宅地建物取引業者でない者」(一般消費者)である場合に、売主である特定住宅販売事業者に資力確保措置を義務付けています(法第3条第1項)。これは、一般消費者を保護するための制度だからです。したがって、買主が宅地建物取引業者である場合は、専門知識を持つ者として保護の必要性が低いと判断され、資力確保措置を講ずる義務は負いません(法第3条第1項ただし書き)。本選択肢では買主が宅地建物取引業者であるため、資力確保措置を講ずる義務はありません。 【選択肢2】誤。 住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、特定住宅販売事業者は、宅地建物取引業者でない買主に対して、供託所の所在地等について記載した書面を交付し、説明する義務があります(法第10条第1項)。この書面交付と説明は、「新築住宅の売買契約を締結するまで」に行わなければなりません。買主が契約を締結する前に、万が一の際の保証の仕組みを理解しておく必要があるためです。「新築住宅を引き渡すまで」では遅すぎ、買主保護の目的が達成されません。 【選択肢3】誤。 資力確保措置を講ずる義務を負うのは、「自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者」(特定住宅販売事業者)です(法第3条第1項)。これは、売主が瑕疵担保責任を負う立場にあるため、その責任を確実に履行させるための措置だからです。新築住宅の売買の「媒介」をする宅地建物取引業者は、売主ではないため、資力確保措置を講ずる義務は負いません。媒介業者は、売主と買主の間を取り持つ役割であり、瑕疵担保責任を直接負う立場ではないからです。 【選択肢4】正。 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者(特定住宅販売事業者)は、資力確保措置を適切に履行していることを確認するため、基準日(毎年3月31日及び9月30日)ごとに、当該基準日に係る資力確保措置の状況(供託額や保険契約の状況など)について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければなりません(法第11条第1項)。この届出義務は、資力確保措置が継続的に維持されているかを監督官庁がチェックするための重要な制度です。

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