宅建 平成22年度(2010年)問43 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業保証協会(以下この間において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者が保証協会の社員となる前に、当該宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。
  2. 保証協会の社員である宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない。
  3. 保証協会から還付充当金を納付すべきことの通知を受けた社員は、その通知を受けた日から1月以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
  4. 保証協会は、新たに宅地建物取引業者がその社員として加入しようとするときは、あらかじめ、その旨を当該宅地建物取引業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。

正解

正解は選択肢 1 です。

解説

正解は選択肢1です。弁済業務保証金制度は、宅地建物取引業者が保証協会の社員となることで、営業保証金の供託義務が免除される代わりに、取引の相手方を保護するために保証協会が供託する制度です。この制度の趣旨から、宅建業者が社員となる前の取引であっても、その取引が宅地建物取引業に関するものであれば、弁済業務保証金の対象となり、弁済を受ける権利を有します(宅地建物取引業法第64条の8第1項の趣旨)。

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【選択肢1】正。 宅地建物取引業法第64条の8第1項は、「保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。」と規定しています。この条文の解釈として、弁済業務保証金制度は、宅建業者が保証協会の社員となることで、営業保証金の供託義務が免除される代わりに、取引の相手方を保護するためのものです。したがって、宅地建物取引業者が保証協会の社員となる前の取引であっても、その取引が宅地建物取引業に関するものであり、かつ、その業者が後に保証協会の社員となった場合、その取引によって生じた債権は弁済業務保証金の対象となります。これは、取引の相手方の保護という制度趣旨から当然の帰結であり、正しい記述です。 【選択肢2】誤。 弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行する際の手続きは、宅地建物取引業法第64条の8第2項に定められています。この条文によれば、弁済を受ける権利を有する者は、まず「保証協会の認証」を受ける必要があります。しかし、その後、還付請求は「供託所」に対して行います。保証協会は認証を行うだけで、実際に弁済業務保証金を還付するのは供託所です。「当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない」という記述は、還付請求の相手方が誤っているため、本選択肢は誤りです。 【選択肢3】誤。 還付充当金の納付期限については、宅地建物取引業法第64条の10第2項に明確に規定されています。保証協会から還付充当金を納付すべきことの通知を受けた社員は、「その通知を受けた日から2週間以内」に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければなりません。「1月以内」という記述は誤りであり、正しい期限は「2週間以内」です。この期限は、弁済業務保証金の迅速な回復と、他の取引相手への影響を最小限に抑えるために重要ですので、正確に覚えましょう。 【選択肢4】誤。 保証協会の社員の加入に関する報告義務については、宅地建物取引業法第64条の4第1項に規定されています。保証協会は、社員の加入及び脱退があったときは、「遅滞なく」、その旨を「国土交通大臣」に報告しなければなりません。「あらかじめ」報告する義務はなく、また報告先も「国土交通大臣又は都道府県知事」ではなく、「国土交通大臣」に限定されています。報告の時期と報告先が誤っているため、本選択肢は誤りです。特に報告先は、保証協会が全国組織であることから国土交通大臣とされている点を押さえておきましょう。

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