宅建 令和2年度(2020年)問15 法令上の制限 の解説

問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 地区計画については、都市計画に、地区施設及び地区整備計画を定めるよう努めるものとされている。
  2. 都市計画事業の認可の告示があった後に当該認可に係る事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、施行者の許可を受けなければならない。
  3. 第二種住居地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とされている。
  4. 市街化調整区域における地区計画は、市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めることとされている。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。市街化調整区域における地区計画は、無秩序な市街化を抑制するという区域の趣旨に反しないよう、周辺の市街化を促進しないことなど、厳格な要件が都市計画法第12条の4第2項第3号で定められています。この選択肢は、その要件を正確に記述しています。

・都市計画法第12条の4第2項第3号:市街化調整区域における地区計画の決定要件を規定しています。市街化調整区域は原則として開発行為が制限される区域であるため、地区計画を定める場合でも、その趣旨に反しないよう、周辺の市街化を促進しないことなどが求められます。 ・都市計画法第12条の5第2項:地区計画に定めるべき事項(地区施設、地区整備計画など)は「定めるものとする」と義務付けています。 ・都市計画法第65条第1項:都市計画事業の認可告示後の事業地内における行為制限(土地の形質変更、建築物の新築等)について、都道府県知事等の許可を義務付けていますが、土地建物等の有償譲渡は含まれません。 ・都市計画法第9条第8項:用途地域(第二種住居地域、中高層住居専用地域など)の目的を定めています。

【選択肢1】誤り。地区計画については、都市計画に、地区施設及び地区整備計画を「定めるものとする」とされており(都市計画法第12条の5第2項)、努力義務である「努めるものとされている」ではありません。地区計画の目的を達成するために不可欠な要素であるため、法律上、義務規定となっています。この「~ものとする」と「~努めるものとする」の違いは、宅建試験で頻繁に問われるポイントですので、しっかり区別して覚えましょう。 【選択肢2】誤り。都市計画事業の認可の告示があった後に当該認可に係る事業地内において、土地の形質の変更や建築物の新築、改築、増築などを行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければなりません(都市計画法第65条第1項)。しかし、土地建物等の「有償譲渡」は、この許可の対象となる行為には含まれていません。有償譲渡については、施行者への届出と先買い制度(都市計画法第67条)が適用される場合がありますが、許可は不要です。行為制限の対象となる行為と、そうでない行為を正確に把握しておくことが重要です。 【選択肢3】誤り。第二種住居地域は、「主として住居の環境を保護するため定める地域」とされています(都市計画法第9条第8項)。「中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」は、第一種中高層住居専用地域または第二種中高層住居専用地域の定義です。用途地域の名称と、それぞれの目的(定義)は、宅建試験の頻出事項ですので、正確に暗記しておく必要があります。 【選択肢4】正。市街化調整区域における地区計画は、市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等、当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めることとされています(都市計画法第12条の4第2項第3号)。市街化調整区域は、原則として市街化を抑制し、農林漁業の振興を図る区域であるため、この区域に地区計画を定める場合でも、その趣旨に反して周辺の市街化を促進するような計画であってはならない、という厳格な要件が課せられています。この記述は、条文の内容と完全に一致しており、正しい選択肢となります。

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