宅建 令和2年度(2020年)問16 法令上の制限 の解説

問題

次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

  1. 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者と協議しなければならない。
  2. 都市計画事業の施行として行う建築物の新築であっても、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物の新築をすることができない。
  3. 開発許可を受けた開発行為により公共施設が設置されたときは、その公共施設は、工事完了の公告の日の翌日において、原則としてその公共施設の存する市町村の管理に属するものとされている。
  4. 開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。

正解

正解は選択肢 2 です。

解説

正解は選択肢2です。都市計画事業の施行として行う建築物の新築は、都市計画法第29条の開発許可も、第43条の建築許可も不要とされています(都市計画法第29条第1項第1号、第43条第1項第1号)。したがって、市街化調整区域内であっても、都市計画事業であれば許可は不要であり、「都道府県知事の許可を受けなければ、建築物の新築をすることができない」とする選択肢2の記述は誤りとなります。

【都市計画法第29条第1項第1号】 開発許可の適用除外を規定しており、国、都道府県等が行う開発行為や、都市計画事業の施行として行う開発行為は、開発許可が不要とされています。これは、これらの事業が公共性が高く、すでに厳格な計画決定プロセスを経ているため、重ねて開発許可を求める必要がないという趣旨です。 【都市計画法第43条第1項第1号】 開発許可を受けた開発区域以外の区域における建築等の許可の適用除外を規定しており、都市計画事業の施行として行う建築物の新築等は、許可が不要とされています。第29条と同様に、都市計画事業の公益性と計画の信頼性に基づき、個別の建築許可を不要としています。 【都市計画法第32条】 開発許可申請前の公共施設管理者との協議義務を定めています。開発行為によって設置される公共施設が、将来的に円滑に管理されるよう、事前に管理者との調整を義務付けるものです。 【都市計画法第40条第1項】 開発行為により設置された公共施設の管理者の帰属について定めています。原則として、工事完了の公告の日の翌日に市町村の管理に属することとされ、公共施設の早期かつ適切な管理を促します。 【都市計画法第45条】 開発許可の地位の承継(特定承継)について定めています。開発区域内の土地の所有権等を取得した者が、都道府県知事の承認を得て、元の開発許可の地位を承継できることを認め、開発事業の継続性を確保するものです。

【選択肢1】正。 都市計画法第32条第1項において、「開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議し、その同意を得なければならない」と明確に定められています。これは、開発行為によって新たに設置される道路、公園、下水道などの公共施設が、将来的に適切に維持管理されるように、事前にその施設の管理者(例えば市町村など)と調整し、同意を得ておくことを義務付けるものです。この協議は、開発行為が周辺地域に与える影響を考慮し、公共の利益を確保するために非常に重要な手続きとなります。 【選択肢2】誤。 都市計画法では、開発行為や建築行為について原則として許可を求めていますが、例外規定も存在します。本選択肢のポイントは「都市計画事業の施行として行う」という点です。都市計画法第29条第1項第1号では、国や地方公共団体が行う開発行為や、都市計画事業の施行として行う開発行為は、開発許可(第29条)が不要とされています。さらに、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域における建築等の許可を定める第43条第1項においても、第1号で「都市計画事業の施行として行う行為」は許可が不要とされています。都市計画事業は、その計画自体が都市計画法に基づき厳格な手続きを経て決定されており、公益性が高いと認められているため、個別の開発許可や建築許可を重ねて求める必要がないとされているのです。したがって、市街化調整区域内であっても、都市計画事業の施行として行う建築物の新築であれば、都道府県知事の許可は不要であり、許可を受けなければならないとする本記述は誤りです。 【選択肢3】正。 都市計画法第40条第1項において、「開発行為により公共施設が設置されたときは、その公共施設は、工事完了の公告の日の翌日において、原則としてその公共施設の存する市町村の管理に属するものとする」と規定されています。これは、開発行為によって新たに整備された道路、公園、広場、排水施設などの公共施設が、工事完了後速やかに地域の管理下に置かれ、住民の利用に供されることを目的とした規定です。これにより、開発事業者が設置した公共施設が放置されることなく、適切な維持管理が保証されます。ただし、例外として、別の管理者が定められた場合や、国・都道府県が管理する施設である場合は、その管理者に帰属することになります。 【選択肢4】正。 都市計画法第45条では、開発許可の地位の承継について定めています。具体的には、開発許可を受けた者から、当該開発区域内の土地の所有権その他政令で定める権利(例えば地上権や賃借権など)を取得した者(これを「特定承継人」といいます)は、都道府県知事の承認を受けることで、元の開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができるとされています。これは、開発事業の継続性を確保するための重要な制度です。例えば、開発事業の途中で土地が売買され、事業主体が変わった場合でも、新たな事業者が適切な手続き(知事の承認)を踏めば、元の許可を引き継いで開発行為を継続できることを意味します。承認の際には、新たな事業者が許可条件を遵守できる能力があるかなどが審査されます。

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