宅建 平成27年度(2015年)問49 税・その他 の解説
問題
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。
- 臨海部の低地は、洪水、高潮、地震による津波などの災害が多く、住宅地として利用するには、十分な防災対策と注意が必要である。
- 台地上の池沼を埋め立てた地盤は、液状化に対して安全である。
- 都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。埋め立て地は、その埋め立て材料や工法、地下水位の状況によっては液状化のリスクがあるため、「液状化に対して安全である」と断定することはできません。宅地建物取引業者は、取引の対象となる宅地の地盤の状況や災害リスクについて、宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明において、正確な情報を提供することが求められます。
本問題は直接的な条文を問うものではありませんが、宅地建物取引業法第35条(重要事項説明)の趣旨と密接に関連しています。宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、買主等に対し、その者が取得しようとしている宅地又は建物に関する重要な事項を説明しなければなりません。この「重要な事項」には、宅地の地盤の状況や災害リスクに関する情報も含まれます。不適切な地盤の評価や災害リスクに関する誤った説明は、宅建業法違反となる可能性があります。
【選択肢1】正。我が国の低地、特に沖積平野と呼ばれる地域は、河川が運んだ土砂(砂、泥、粘土など)が数千年の間に堆積して形成されたものです。地質学的には非常に新しく、水分を多く含み、締め固めが不十分な軟弱な地盤がほとんどです。特に、かつて湿地や河川の流路(旧河道)であった場所は、有機質土や非常に軟弱な粘土層が堆積していることが多く、地盤沈下や地震時の揺れが増幅されやすい特性を持っています。 【選択肢2】正。臨海部の低地は、海抜が低く、河川の河口付近に位置することが多いため、大雨による河川の増水で洪水が発生しやすく、また台風などによる高潮の被害も受けやすい地域です。さらに、日本は地震多発国であり、沿岸部では地震に伴う津波の被害リスクも高いです。これらの災害リスクを軽減するためには、堤防の整備、排水施設の強化、ハザードマップの活用、避難計画の策定など、十分な防災対策と、住民一人ひとりの高い防災意識が不可欠となります。 【選択肢3】誤。液状化は、地下水位の高い飽和した砂質土が、地震の強い揺れによって一時的に液体のような状態になる現象です。埋め立て地は、一般的に締め固めが不十分な砂質土を材料として造成されることが多く、地下水位が高い場合が多いため、液状化に対して非常に脆弱な地盤の一つとされています。たとえ「台地」の上であっても、その上に「池沼を埋め立てた地盤」であれば、埋め立て材料の種類(砂質土か粘性土か)、埋め立て工法(締め固めの程度)、地下水位の状況によっては、液状化のリスクは十分に存在します。「液状化に対して安全である」と断言することはできず、むしろ注意が必要な地盤と認識すべきです。 【選択肢4】正。都市周辺の丘陵地や山麓に広がる住宅地は、斜面が多く、地盤が不安定な場所が存在します。集中豪雨による土砂崩れ(がけ崩れ)、土石流、地滑りといった土砂災害が発生するリスクがあります。特に、開発によって切土(斜面を削る)や盛土(土を盛る)が行われた造成地では、地盤の安定性が変化している場合があり、より一層の注意が必要です。これらの地域は、土砂災害警戒区域や特別警戒区域に指定されていることも多く、ハザードマップなどで事前にリスクを確認することが重要です。