宅建 平成27年度(2015年)問48 税・その他 の解説

問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 国土交通省が毎月公表する不動産価格指数(住宅)のうち、全国のマンション指数は、リーマンショックが発生した年である2008年以降2015年3月まで一貫して下落基調となっている。
  2. 建築着工統計(平成27年1月公表)によれば、平成26年の新設住宅着工戸数は、消費稅率引上げ前の駆け込み需要の影響が大きかった平成25年と比較すると減少したが、平成24年の新設住宅着工戸数を上回っていた。
  3. 平成25年度法人企業統計年報(平成26年9月公表)によれば、平成25年度の不動産業の売上高経常利益率は、消費税率引上げの影響もあり、前年度と比べて低下し、全産業の売上高経常利益率よりも低くなった。
  4. 平成27年版土地白書(平成27年6月公表)によれば、土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向を見ると、平成26年の全国の土地取引件数は3年連続の減少となった。

正解

正解は選択肢 2 です。

解説

正解は選択肢2です。この選択肢は、国土交通省が公表する「建築着工統計」の平成26年の新設住宅着工戸数に関する記述であり、消費税率引き上げ前後の需要変動を正確に捉えています。具体的には、平成25年の駆け込み需要による増加、平成26年の反動減による減少、そして平成24年との比較が当時の統計データと一致するため、正しい記述となります。

本問は、特定の条文や判例を直接の根拠とするものではなく、不動産市場の動向を示す各種統計データに関する知識を問うものです。宅地建物取引業者は、不動産取引の専門家として、国土交通省や財務省などの公的機関が公表する統計資料(例:建築着工統計、不動産価格指数、法人企業統計年報、土地白書など)の内容を正確に理解し、市場の現状や将来の見通しを把握しておく必要があります。これらの統計データは、宅建業法第35条の重要事項説明や第37条の契約書面作成の際にも、不動産の価値や市場性を判断する上で重要な基礎情報となります。

【選択肢1】誤。 国土交通省が毎月公表する「不動産価格指数(住宅)」のうち、全国のマンション指数は、リーマンショック(2008年)後一時的に下落したものの、その後は回復し、特に2013年以降はアベノミクスによる景気回復や金融緩和の影響を受け、上昇基調が続いていました。したがって、「2008年以降2015年3月まで一貫して下落基調」という記述は、実際の統計データと異なるため誤りです。 【選択肢2】正。 国土交通省が公表する「建築着工統計」(平成27年1月公表)によれば、平成26年(2014年)の新設住宅着工戸数は約89万戸でした。これは、消費税率引上げ(平成26年4月)前の駆け込み需要の影響で大幅に増加した平成25年(2013年)の約98万戸と比較すると減少しています。しかし、平成24年(2012年)の約88万戸と比較すると、わずかながら上回っていました。この記述は当時の統計データと完全に一致するため、正しい記述です。 【選択肢3】誤。 財務省が公表する「法人企業統計年報」(平成26年9月公表)によれば、平成25年度(2013年度)の不動産業の売上高経常利益率は、前年度と比べて上昇していました。これは、消費税率引上げ前の駆け込み需要や景気回復の恩恵を受けたためと考えられます。また、全産業の売上高経常利益率と比較しても、不動産業の利益率は高い水準にありました。したがって、「前年度と比べて低下し、全産業の売上高経常利益率よりも低くなった」という記述は、実際の統計データと異なるため誤りです。 【選択肢4】誤。 国土交通省が公表する「平成27年版土地白書」(平成27年6月公表)によれば、土地取引件数(売買による所有権移転登記件数)は、平成23年、平成24年と減少しましたが、平成25年には増加に転じています。平成26年は微減または横ばいでしたが、「3年連続の減少」という記述は、平成25年が増加している点で誤りです。

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