宅建 平成27年度(2015年)問17 法令上の制限 の解説
問題
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 防火地域及び準防火地域外において建築物を改築する場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときは、建築確認は不要である。
- 都市計画区域外において高さ12m、階数が3階の木造建築物を新築する場合、建築確認が必要である。
- 事務所の用途に供する建築物をホテル (その用途に供する部分の床面積の合計が500㎡)に用途変更する場合、建築確認は不要である。
- 映画館の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が300m㎡であるものの改築をしようとする場合、建築確認が必要である。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。建築基準法第87条第1項により、特殊建築物への用途変更で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超える場合は建築確認が必要となります。ホテルは特殊建築物であり、用途変更後の床面積が500㎡であるため、建築確認が必要となるにもかかわらず「不要」としている点が誤りです。
本問のポイントは、建築基準法における「建築確認」の要否に関する規定です。特に以下の条文が重要となります。 * **建築基準法第6条第1項(建築物の建築等に関する確認)** * 建築物の新築、増築、改築、移転、大規模の修繕・模様替えを行う際に、原則として建築確認が必要となる場合を定めています。 * **第一号:** 特殊建築物(別表第一(い)欄に掲げるもの)、大規模な木造建築物(階数3以上、高さ13m超、延べ面積500㎡超)、大規模な木造以外の建築物(階数2以上、延べ面積200㎡超)などを対象とします。これらの建築物は、都市計画区域内外を問わず、建築確認が必要です。 * **第四号ただし書き:** 防火地域及び準防火地域「外」において、増築、改築、移転をする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときは、建築確認が不要となる例外規定です。 * **建築基準法第87条第1項(用途変更)** * 建築物の用途を変更して、建築基準法別表第一(い)欄に掲げる「特殊建築物」の用途に供する場合で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるときは、建築確認が必要となることを規定しています。これは、用途が変わることで安全性が損なわれる可能性があるため、建築時と同様のチェックを求めるものです。 * **建築基準法別表第一(い)欄(特殊建築物の定義)** * 映画館、ホテル、病院、学校、百貨店など、不特定多数の人が利用したり、災害時に避難が困難な人が利用したりする建築物を「特殊建築物」と定義しています。これらの建築物は、一般の建築物よりも厳しい規制が適用されます。
【選択肢1】正。 建築基準法第6条第1項第四号ただし書きの規定によるものです。 この条文は、防火地域及び準防火地域「外」において、増築、改築、移転をする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときは、建築確認は不要であると定めています。 本肢は「防火地域及び準防火地域外」で「改築」し、その「改築に係る部分の床面積の合計が10㎡以内」であるため、この例外規定に該当し、建築確認は不要となります。したがって、記述は正しいです。 【選択肢2】正。 建築基準法第6条第1項第一号イの規定によるものです。 都市計画区域「外」であっても、木造建築物で「階数が3以上」のもの、または高さが13mを超えるもの、または延べ面積が500㎡を超えるものを新築する場合には、建築確認が必要となります。 本肢は「都市計画区域外」で「高さ12m、階数が3階の木造建築物」を「新築」するケースであり、階数が3階であるため、上記の要件に該当し、建築確認が必要となります。したがって、記述は正しいです。 【選択肢3】誤。 建築基準法第87条第1項の規定によるものです。 この条文は、建築物の用途を変更して、建築基準法別表第一(い)欄に掲げる「特殊建築物」の用途に供する場合で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるときは、建築確認が必要であると定めています。 ホテルは建築基準法別表第一(い)欄に掲げられている「特殊建築物」に該当します。本肢では、事務所をホテルに用途変更し、その用途に供する部分の床面積の合計が500㎡(200㎡超)であるため、この用途変更には建築確認が必要となります。 したがって、「建築確認は不要である」とする記述は誤りです。 【選択肢4】正。 建築基準法第6条第1項第一号イの規定によるものです。 建築基準法別表第一(い)欄に掲げられている「特殊建築物」を新築、増築、改築、移転、大規模の修繕・模様替えをする場合は、その規模(床面積)にかかわらず、建築確認が必要となります。 映画館は「特殊建築物」に該当します。本肢は「映画館」の「改築」であり、特殊建築物の改築であるため、床面積の合計が300㎡であっても、建築確認が必要となります。したがって、記述は正しいです。