宅建 平成25年度(2013年)問22 法令上の制限 の解説
問題
次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 地すべり等防止法によれば、地すべり防止区域内において、地表水を放流し、又は停滞させる行為をしようとする者は、一定の場合を除き、市町村長の許可を受けなければならない。
- 国土利用計画法によれば、甲県が所有する都市計画区域内の7,000㎡の土地を甲県から買い受けた者は、事後届出を行う必要はない。
- 土壌汚染対策法によれば、形質変更時要届出区域内において土地の形質の変更をしようとする者は、非常災害のために必要な応急措置として行う行為であっても、都道府県知事に届け出なければならない。
- 河川法によれば、河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、河川管理者と協議をしなければならない。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。国土利用計画法において、国や地方公共団体が当事者の一方となる土地取引は、法の趣旨から事後届出の義務が免除されます(国土利用計画法第23条第2項第1号)。本問のケースはこれに該当するため、事後届出は不要となります。
【選択肢1の根拠】地すべり等防止法第18条第1項(許可権者は都道府県知事)。 【選択肢2の根拠】国土利用計画法第23条第2項第1号(国または地方公共団体が当事者の一方である土地売買等の契約は事後届出の対象外)。 【選択肢3の根拠】土壌汚染対策法第12条第1項(形質変更時要届出区域内での形質変更の届出)、第13条第1項第1号(非常災害のための応急措置は届出不要)。 【選択肢4の根拠】河川法第26条第1項(河川区域内の工作物の新築・改築・除却は河川管理者の許可が必要)。
【選択肢1】誤り。 地すべり等防止法第18条第1項によれば、地すべり防止区域内において、地表水を放流し、又は停滞させる行為(その他、地下水排除、土地の掘削・盛土など)をしようとする者は、一定の場合を除き、**都道府県知事の許可**を受けなければなりません。本選択肢では「市町村長の許可」とされている点が誤りです。許可権者が誰であるか、正確に覚えることが重要です。 【選択肢2】正。 国土利用計画法第23条は、一定規模以上の土地取引について事後届出を義務付けていますが、同条第2項第1号において、**国または地方公共団体が当事者の一方である土地売買等の契約**は、事後届出の対象外とされています。本問では、甲県(地方公共団体)が所有する土地を買い受けるケースであり、甲県が当事者の一方であるため、面積要件(都市計画区域内7,000㎡は2,000㎡以上で届出対象)を満たしていても、事後届出を行う必要はありません。これは、国や地方公共団体は公共の利益のために活動しており、その取引は既に公的な管理下にあるとみなされるためです。 【選択肢3】誤り。 土壌汚染対策法第12条第1項によれば、形質変更時要届出区域内において土地の形質の変更をしようとする者は、原則として都道府県知事に届け出なければなりません。しかし、同法第13条第1項第1号には、**「非常災害のために必要な応急措置として行う行為」は届出を要しない**と明確に規定されています。したがって、非常災害のための応急措置であっても届け出なければならないとする本選択肢は誤りです。緊急時の対応にまで届出義務を課すのは現実的ではない、という趣旨を理解しておきましょう。 【選択肢4】誤り。 河川法第26条第1項によれば、河川区域内の土地において工作物(堤防、護岸、橋、堰など)を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、**河川管理者の許可**を受けなければなりません。単に「河川管理者と協議をしなければならない」とする本選択肢は誤りです。河川の管理は治水・利水・環境保全といった重要な役割を担うため、その区域内での工作物の設置等には厳格な許可制度が適用されます。