宅建 平成24年度(2012年)問33 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業者A社の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. A社が地方債証券を営業保証金に充てる場合、その価額は額面金額の100分の90である。
  2. A社は、営業保証金を本店及び支店ごとにそれぞれ最寄りの供託所に供託しなければならない。
  3. A社が本店のほかに5つの支店を設置して宅地建物取引業を営もうとする場合、供託すべき営業保証金の合計額は210万円である。
  4. A社は、自ら所有する宅地を売却するに当たっては、当該売却に係る売買契約が成立するまでの間に、その買主に対して、供託している営業保証金の額を説明しなければならない。

正解

正解は選択肢 1 です。

解説

正解は選択肢1です。宅地建物取引業者が営業保証金を供託する際、地方債証券を充てる場合の評価額は、宅地建物取引業法第27条第2項および宅地建物取引業法施行規則第13条の規定により、額面金額の100分の90と定められています。この知識は、営業保証金の供託に関する基本事項として非常に重要です。

【宅地建物取引業法 第27条(営業保証金)】 1. 宅地建物取引業者は、営業を開始する前に、主たる事務所の最寄りの供託所に、政令で定める額の営業保証金を供託しなければならない。 (補足)本店は1,000万円、支店は1店舗につき500万円が原則です。 2. 営業保証金は、金銭のほか、国土交通省令で定める有価証券をもってこれに充てることができる。 (補足)有価証券の種類によって評価額が異なります。 【宅地建物取引業法施行規則 第13条(営業保証金に充てることができる有価証券の評価額)】 法第27条第2項の国土交通省令で定める有価証券は、次に掲げるものとし、その価額は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 国債証券 額面金額 二 地方債証券及び政府保証債券 額面金額の100分の90 三 その他の国土交通大臣が指定する有価証券 額面金額の100分の80 (補足)国債は額面通り、地方債・政府保証債は9割、その他は8割と覚えましょう。 【宅地建物取引業法 第48条(営業保証金に関する説明)】 1. 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約が成立したときは、遅滞なく、その相手方に対し、当該契約に関する営業保証金を供託した供託所の名称及び所在地を説明しなければならない。ただし、当該契約が宅地建物取引業者相互間の契約である場合は、この限りでない。 (補足)説明の時期は「契約成立後、遅滞なく」、説明内容は「供託所の名称及び所在地」です。請求があった場合に説明するのではなく、契約成立後に必ず説明する義務があります。

【選択肢1】正。 宅地建物取引業法第27条第2項および宅地建物取引業法施行規則第13条第2号の規定により、営業保証金に充てることができる有価証券のうち、地方債証券の価額は「額面金額の100分の90」と定められています。これは、国債証券が額面金額、その他の有価証券(国土交通大臣が指定するもの)が額面金額の100分の80であるのと比較して、正確な知識が問われるポイントです。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢2】誤。 宅地建物取引業法第27条第1項の規定により、宅地建物取引業者は営業保証金を「主たる事務所の最寄りの供託所」に供託しなければなりません。支店(従たる事務所)ごとに供託するわけではなく、本店(主たる事務所)の最寄りの供託所に一括して供託します。これは、営業保証金制度の基本的なルールであり、供託場所に関する重要な知識です。したがって、この記述は誤りです。 【選択肢3】誤。 宅地建物取引業法第27条第1項および同法施行令第2条の規定により、宅地建物取引業者が供託すべき営業保証金の額は、主たる事務所(本店)につき1,000万円、その他の事務所(支店)につき1事務所ごとに500万円です。A社が本店のほかに5つの支店を設置する場合、合計額は以下のようになります。 本店:1,000万円 支店:500万円 × 5店舗 = 2,500万円 合計:1,000万円 + 2,500万円 = 3,500万円 したがって、210万円という記述は大幅に少なく、誤りです。金額に関する問題は頻出なので、正確に覚えましょう。 【選択肢4】誤。 宅地建物取引業法第48条第1項の規定により、宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約が成立したときは、「遅滞なく」、その相手方に対し、「当該契約に関する営業保証金を供託した供託所の名称及び所在地」を説明しなければなりません。この記述は、以下の点で誤っています。 1. 説明の時期:「売買契約が成立するまでの間」ではなく、「契約が成立した後、遅滞なく」です。 2. 説明の内容:「供託している営業保証金の額」ではなく、「供託所の名称及び所在地」です。 この説明義務は、買主が万一の際に営業保証金から弁済を受けるための情報提供を目的としています。請求があった場合に説明する義務ではなく、契約成立後に必ず説明する義務がある点も重要です。したがって、この記述は誤りです。

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