宅建 平成23年度(2011年)問31 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業者A社が、Bから自己所有の宅地の売買の媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. A社は、Bとの間で締結した媒介契約が専任媒介契約であるか否かにかかわらず、所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
  2. A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結したときは、Bからの申出があれば、所定の事項を指定流通機構に登録しない旨の特約を定めることができる。
  3. A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結し、所定の事項を指定流通機構に登録したときは、その登録を証する書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。
  4. A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立したとしても、その旨を指定流通機構に通知する必要はない。

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

正解は選択肢3です。宅地建物取引業法第34条の2第9項により、専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、指定流通機構に物件情報を登録した際、その登録を証する書面を遅滞なく依頼者(この場合はBさん)に引き渡す義務があります。これは、依頼者が自身の物件が適切に流通しているかを確認できるようにするための、依頼者保護の重要な規定です。

宅地建物取引業法(宅建業法) * **第34条の2第8項(指定流通機構への登録義務)** 「宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、国土交通省令で定めるところにより、当該専任媒介契約に係る宅地又は建物の所在、規模、形質、売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を指定流通機構に登録しなければならない。」 (補足説明)専任媒介契約(および専属専任媒介契約)の場合、宅建業者は物件情報を指定流通機構(通称レインズ)に登録することが義務付けられています。これにより、他の宅建業者もその物件情報を共有し、より多くの買主候補を見つけやすくなります。 * **第34条の2第9項(登録を証する書面の交付義務)** 「宅地建物取引業者は、前項の規定により登録をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その登録を証する書面を当該専任媒介契約の依頼者に引き渡さなければならない。」 (補足説明)登録義務を果たした証として、依頼者に対して登録完了の書面を交付する義務があります。これにより、依頼者は自分の物件が確かに登録されたことを確認できます。 * **第34条の2第10項(契約成立の通知義務)** 「宅地建物取引業者は、第8項の規定により登録をした宅地又は建物の売買又は交換の契約が成立したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を指定流通機構に通知しなければならない。」 (補足説明)物件が売買契約によって成約した場合、その情報を指定流通機構に通知し、他の宅建業者がその物件を重複して紹介しないようにする義務があります。これにより、情報の鮮度と正確性が保たれます。

【選択肢1】誤。A社は、Bとの間で締結した媒介契約が専任媒介契約であるか否かにかかわらず、所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。 * **解説:** 宅地建物取引業法第34条の2第8項により、指定流通機構(レインズ)への物件情報の登録義務があるのは、**専任媒介契約**および**専属専任媒介契約**を締結した場合に限られます。**一般媒介契約**には、この登録義務はありません。したがって、「専任媒介契約であるか否かにかかわらず」という記述は誤りです。一般媒介契約では、依頼者の承諾を得て登録することは可能ですが、義務ではありません。 【選択肢2】誤。A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結したときは、Bからの申出があれば、所定の事項を指定流通機構に登録しない旨の特約を定めることができる。 * **解説:** 宅地建物取引業法第34条の2第8項に規定される専任媒介契約(および専属専任媒介契約)における指定流通機構への登録義務は、**強行規定**です。これは、依頼者の利益保護と不動産流通の適正化を図るための重要な義務であり、当事者間の合意(特約)によってこの義務を免除することはできません。したがって、「登録しない旨の特約を定めることができる」という記述は誤りです。 【選択肢3】正。A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結し、所定の事項を指定流通機構に登録したときは、その登録を証する書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。 * **解説:** 宅地建物取引業法第34条の2第9項の規定の通り、専任媒介契約を締結した宅建業者は、物件情報を指定流通機構に登録した後、**遅滞なく**その登録を証する書面を依頼者(Bさん)に交付する義務があります。これは、依頼者が自分の物件が適切に登録され、流通活動が開始されたことを確認できるようにするための重要な手続きです。この記述は正しいです。 【選択肢4】誤。A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立したとしても、その旨を指定流通機構に通知する必要はない。 * **解説:** 宅地建物取引業法第34条の2第10項の規定により、専任媒介契約(および専属専任媒介契約)で指定流通機構に登録した物件について、売買契約が成立した場合は、宅建業者は**遅滞なく**その旨を指定流通機構に通知しなければなりません。これは、成約した物件情報が指定流通機構から削除され、他の宅建業者がその物件を重複して紹介してしまうことを防ぐために必要な義務です。したがって、「通知する必要はない」という記述は誤りです。

平成23年度の過去問を模擬試験形式で解く