宅建 平成22年度(2010年)問18 法令上の制限 の解説

問題

建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、原則として、当該建築物の全部について防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
  2. 防火地域内においては、3階建て、延べ面積が200㎡の住宅は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。
  3. 防火地域内において建築物の屋上に看板を設ける場合には、その主要な部分を難燃材料で造り、又はおおわなければならない。
  4. 防火地域にある建築物は、外壁が耐火構造であっても、その外壁を隣地境界線に接して設けることはできない。

正解

正解は選択肢 1 です。

解説

正解は選択肢1です。建築基準法第61条の原則規定により、建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合、火災の延焼防止という観点から、より厳しい防火地域内の規定が建築物全体に適用されます。これは、安全性を確保するための重要なルールです。

【建築基準法第61条(防火地域及び準防火地域内の建築物に対する制限の緩和)】 防火地域及び準防火地域にわたる建築物については、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、防火地域外の部分が防火壁で区画されている場合においては、この限りでない。 【建築基準法第63条(屋根)】 防火地域内にある建築物の屋根は、不燃材料で造り、又はおおわなければならない。 【建築基準法第64条(防火地域内の建築物の主要構造部等)】 防火地域内にある建築物の外壁で延焼のおそれのある部分が耐火構造であるものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。 【建築基準法第66条(防火地域内の建築物の屋上部分)】 防火地域内にある建築物の屋上に設ける看板、広告塔その他これらに類するもので、その高さが3mを超えるものの主要な部分は、不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

【選択肢1】正。 建築基準法第61条本文に規定されている通り、建築物が防火地域と準防火地域という異なる防火指定地域にまたがる場合、原則として、より厳しい制限が課される防火地域内の建築物に関する規定が、当該建築物の全部に適用されます。これは、一部だけが防火地域内の規定を満たしていても、他の部分から火災が広がるリスクがあるため、建築物全体として高い防火性能を求める趣旨です。ただし、防火地域外の部分が防火壁で完全に区画されている場合は、その部分には防火地域の規定は適用されません(同条ただし書き)。本肢は「原則として」とあるため、この原則規定が正しい記述となります。 【選択肢2】誤。 防火地域内においては、建築物の規模に応じて耐火建築物または準耐火建築物とすることが義務付けられています。建築基準法第61条により、3階建て以上の建築物、または延べ面積が100㎡を超える建築物は「耐火建築物」としなければなりません。本肢の「3階建て、延べ面積が200㎡の住宅」は、3階建てであるため、延べ面積に関わらず「耐火建築物」としなければなりません。したがって、「耐火建築物又は準耐火建築物」とする、という記述は不正確です。準耐火建築物では認められません。 【選択肢3】誤。 建築基準法第66条では、防火地域内において建築物の屋上に看板などを設ける場合、その全てが難燃材料でなければならないわけではありません。同条では、「その高さが3mを超えるもの」の主要な部分について、より防火性能の高い「不燃材料」で造り、又はおおわなければならないと規定されています。本肢は「難燃材料」としている点と、「高さが3mを超えるもの」という条件が抜けている点が誤りです。難燃材料は不燃材料よりも防火性能が劣ります。 【選択肢4】誤。 防火地域にある建築物であっても、外壁が耐火構造で、かつ延焼のおそれのある部分に該当する場合、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます(建築基準法第64条)。これは、耐火構造の外壁であれば、隣地への延焼を防ぐ効果が高いため、土地の有効活用を促すための特例です。本肢は「設けることはできない」としているため誤りです。

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