宅建 平成22年度(2010年)問14 民法 の解説
問題
不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。
- 登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。
- 登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することもできる。
- 送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。登記事項証明書とは、不動産登記法第117条第1項に定められている通り、登記記録に記録されている事項を「書面」として証明するものです。電磁的記録そのものの交付を請求する制度は存在せず、電磁的記録を紙に出力したものが登記事項証明書として交付されます。
【不動産登記法第117条第1項】 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 (補足:この条文が、登記事項証明書が「書面」であることを明確に規定しています。電磁的記録そのものの交付を認める規定はありません。) 【不動産登記法第117条第3項】 登記事項証明書の交付の請求は、送付の方法によってすることを妨げない。 (補足:郵送による交付請求が認められていることを示しています。) 【不動産登記規則第117条第1項】 登記事項証明書の交付の請求は、電子情報処理組織を使用してすることができる。 (補足:オンラインでの請求が可能であることを示しています。ただし、交付されるのはあくまで「書面」です。)
【選択肢1】誤。 登記事項証明書は、不動産登記法第117条第1項に明記されている通り、「書面」として交付されるものです。登記記録は電磁的記録として管理されていますが、その電磁的記録そのものを交付する制度は存在しません。請求に応じて、登記官が電磁的記録の内容を紙に印刷し、証明文を付したものが登記事項証明書として交付されます。したがって、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することはできません。 【選択肢2】正。 不動産登記法第117条第1項は「何人も」登記事項証明書の交付を請求できると定めています。これは、不動産登記制度が不動産に関する情報を広く一般に公開し、取引の安全を図る「公示の原則」に基づいているためです。請求人がその不動産に対して利害関係を有しているかどうかは問われず、誰でも自由に請求することができます。 【選択肢3】正。 不動産登記法第117条第1項は「登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面」の交付を請求できると規定しています。具体的には、以下の2種類の証明書を請求することができます。 * **全部事項証明書**:登記記録に記録されている事項の全て(過去に抹消された事項なども含む)が記載されたもの。 * **現在事項証明書**:登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたもの。 請求者は、自身の目的に応じて、これらのいずれかを選択して請求することが可能です。 【選択肢4】正。 不動産登記法第117条第3項により、登記事項証明書の交付請求は「送付の方法」によって行うことが認められています。また、不動産登記規則第117条第1項により、電子情報処理組織(いわゆるオンラインシステム)を使用して請求することも可能です。つまり、インターネットを通じて請求手続きを行い、交付された登記事項証明書を郵送で受け取るという方法も認められています。