宅建 平成20年度(2008年)問49 宅建業法 の解説

問題

土地の形質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 地表面の傾斜は、等高線の密度で読み取ることができ、等高線の密度が高い所は傾斜が急である。
  2. 扇状地は山地から平野部の出口で、勾配が急に緩やかになる所に見られ、等高線が同心円状になるのが特徴的である。
  3. 等高線が山頂に向かって高い方に弧を描いている部分は尾根で、山頂から見て等高線が張り出している部分は谷である。
  4. 等高線の間隔の大きい河口付近では、河川の氾濫により河川より離れた場所でも浸水する可能性が高くなる。

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

正解は選択肢3です。この問題は、土地の形質、特に地形図の基本的な読み方に関する知識を問うもので、尾根と谷の等高線の形状に関する記述が逆になっているため誤りです。宅建業法自体に直接の条文はありませんが、宅地建物取引業者が不動産の重要事項説明を行う際に、対象不動産の物理的状況(地形、地盤、水害リスクなど)を正確に理解しておくことは、買主の保護の観点から非常に重要となります。

宅地建物取引業法には、土地の形質に関する直接的な条文はありません。しかし、宅地建物取引業法第35条第1項第2号では、重要事項説明において「宅地又は建物の所在、規模その他これらの状況を特定するために必要な事項」を説明することが義務付けられています。この「状況」には、対象地の地形や地盤、水害リスクといった物理的状況が含まれると解釈されます。また、同法第35条第1項第14号では、造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域などの指定がある場合はその旨を説明することが義務付けられており、これらの区域の指定は地形的特徴と密接に関連しています。これらの規定から、宅建業者は土地の形質に関する基礎知識を持つことが求められます。

【選択肢1】正。 等高線は、標高が同じ地点を結んだ線です。等高線の間隔が狭い(密度が高い)ということは、短い水平距離で標高が大きく変化していることを意味します。これは、その場所の傾斜が急であることを示します。逆に、等高線の間隔が広い場合は、傾斜が緩やかであることを示します。これは地形図の基本的な読み方として正しい記述です。試験では、この基本的な知識が前提となりますので、しっかりと押さえておきましょう。 【選択肢2】正。 扇状地は、山地から平野部に出る場所で、河川の勾配が急に緩やかになるために、河川が運搬してきた土砂(礫、砂など)を堆積させて形成される扇形の地形です。扇状地では、扇の要(扇頂)を中心に、標高がほぼ同じ地点を結んだ等高線が、同心円状に広がるような特徴的なパターンを示します。これは地形学的な特徴として正しい記述です。扇状地は水はけが良い反面、地下水が深く、洪水時には土石流の危険性があるなど、宅地としての特性を理解しておくことが重要です。 【選択肢3】誤。 等高線の読み方において、尾根と谷の形状は非常に重要です。正確な定義は以下の通りです。 * **尾根(ridge):** 山頂から見て、等高線が低い方(谷側)に凸(V字型やU字型)になっている部分を指します。つまり、等高線が低い方に向かって弧を描いているように見えます。水はけが良く、比較的安定した地盤であることが多いです。 * **谷(valley):** 山頂から見て、等高線が高い方(尾根側)に凸(V字型やU字型)になっている部分を指します。つまり、等高線が高い方に向かって弧を描いているように見えます。水が集まりやすく、地盤が軟弱であったり、土砂災害のリスクが高かったりする場合があります。 本選択肢では、「等高線が山頂に向かって高い方に弧を描いている部分は尾根」とありますが、これは谷の特徴です。また、「山頂から見て等高線が張り出している部分は谷」とありますが、これは尾根の特徴です。記述が逆になっているため、誤りです。この知識は、土地の安全性や利用可能性を判断する上で不可欠です。 【選択肢4】正。 等高線の間隔が大きいということは、その地域の地形が非常に平坦であることを示します。河口付近は一般的に標高が低く、広範囲にわたって平坦な地形が広がっていることが多いです。このような平坦な地域では、河川が氾濫した場合、水が堰き止められずに広範囲に流れ出しやすいため、河川から離れた場所であっても浸水する可能性が高くなります。これは、地形と水害リスクの関係性を示すもので、正しい記述です。重要事項説明では、ハザードマップの確認や水害リスクの説明が義務付けられているため、この知識は実務上も非常に重要です。

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