宅建 平成30年度(2018年)問13 権利関係 の解説
問題
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 規約の設定、変更又は廃止を行う場合は、区分所有者の過半数による集会の決議によってなされなければならない。
- 規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならず、閲覧を拒絶した場合は20万円以下の過料に処される。
- 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
- 占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。規約の設定、変更、廃止には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であり(区分所有法第31条第1項)、過半数では足りません。この点は、区分所有建物の管理運営における重要事項の決定要件として、特に注意して覚えるべきポイントです。
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【選択肢1】誤。 本記述は「規約の設定、変更又は廃止を行う場合は、区分所有者の過半数による集会の決議によってなされなければならない」としていますが、これは誤りです。 区分所有法第31条第1項では、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってする。」と明確に定められています。 つまり、単なる過半数ではなく、区分所有者数と議決権数の両方で、それぞれ4分の3以上の賛成が必要となる「特別決議」の要件が課されています。規約はマンションの共同生活における最も重要なルールであり、その設定や変更は、区分所有者の権利義務に大きな影響を与えるため、より慎重な合意形成が求められるからです。この「4分の3」という数字は、試験で頻出する重要ポイントですので、確実に覚えておきましょう。 【選択肢2】正。 本記述は「規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならず、閲覧を拒絶した場合は20万円以下の過料に処される」としており、これは正しいです。 区分所有法第33条第2項は、規約を保管する者(通常は管理者)に対し、利害関係人(区分所有者、賃借人、購入希望者など)からの請求があった場合、正当な理由がない限り、規約の閲覧を拒否してはならないと定めています。 さらに、区分所有法第71条第1号では、この閲覧義務に違反して規約の閲覧を拒んだ者に対しては、20万円以下の過料に処する旨が規定されています。これは、規約が共同生活の基本ルールであり、その内容を利害関係人が知る権利を強く保障するための措置です。 【選択肢3】正。 本記述は「規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない」としており、これは正しいです。 区分所有法第33条第3項に、「規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。」と明記されています。 これは、規約の存在と、どこに行けば規約を確認できるのかを、区分所有者や占有者、その他の利害関係人が容易に知ることができるようにするための規定です。これにより、規約の閲覧請求がスムーズに行われ、共同生活の透明性が保たれます。 【選択肢4】正。 本記述は「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う」としており、これは正しいです。 区分所有法第46条第2項に、「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」と明確に定められています。 ここでいう「占有者」とは、区分所有者から部屋を借りている賃借人などを指します。マンションの共同生活の秩序を維持するためには、区分所有者だけでなく、実際にその建物を使用している占有者も、規約や集会の決議で定められたルール(例えば、ペット飼育の制限、騒音に関するルール、共用部分の使用方法など)を守る必要があります。この規定により、区分所有者と占有者の間で義務の公平性が保たれ、円滑な共同生活が実現されます。