宅建 平成27年度(2015年)問43 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業法の規定に基づく監督処分等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、自ら売主となる乙県内に所在する中古住宅の売買の業務に関し、当該売買の契約においてその目的物の瑕疵を担保すべき責任を負わない旨の特約を付した。この場合、Aは、乙県知事から指示処分を受けることがある。
- 甲県に本店、乙県に支店を設置する宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)は、自ら売主となる乙県内におけるマンションの売買の業務に関し、乙県の支店において当該売買の契約を締結するに際して、代金の30%の手付金を受領した。この場合、Bは、甲県知事から著しく不当な行為をしたとして、業務停止の処分を受けることがある。
- 宅地建物取引業者C(甲県知事免許)は、乙県内に所在する土地の売買の媒介業務に関し、契約の相手方の自宅において相手を威迫し、契約締結を強要していたことが判明した。この場合、甲県知事は、情状が特に重いと判断したときは、Cの宅地建物取引業の免許を取り消さなければならない。
- 宅地建物取引業者D(国土交通大臣免許)は、甲県内に所在する事務所について、業務に関する帳簿を備えていないことが判明した。この場合、Dは、甲県知事から必要な報告を求められ、かつ、指導を受けることがある。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。国土交通大臣免許の宅地建物取引業者に対する業務停止処分は、その免許権者である国土交通大臣のみが行うことができます(宅地建物取引業法第65条第2項)。本店所在地を管轄する知事であっても、免許権者でなければ業務停止処分を行う権限はありません。したがって、甲県知事が業務停止処分を行うことがあるとする記述は誤りです。
宅地建物取引業法における監督処分に関する主な条文は以下の通りです。 * **宅地建物取引業法第40条(瑕疵担保責任に関する特約の制限)**:宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、買主に不利な特約は無効となる旨を定めています。 * **宅地建物取引業法第41条、第41条の2(手付金等の保全)**:宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、一定額以上の手付金等を受領する場合には、保全措置を講じなければならない旨を定めています。 * **宅地建物取引業法第47条(不当な勧誘等の禁止)**:宅地建物取引業者に対し、契約の締結を誘引するため、相手方を威迫する行為など、不当な行為を禁止しています。 * **宅地建物取引業法第49条(帳簿の備付け等)**:宅地建物取引業者に対し、事務所ごとに帳簿を備え、取引に関する事項を記載・保存する義務を課しています。 * **宅地建物取引業法第65条(指示処分及び業務停止処分)**:監督処分の種類(指示処分、業務停止処分)と、その処分権者について定めています。免許権者だけでなく、業務地を管轄する知事も指示処分を行うことができますが、業務停止処分は免許権者のみが行えます。 * **宅地建物取引業法第66条(免許の取消し)**:免許取消処分の要件と、その処分権者(免許権者)について定めています。 * **宅地建物取引業法第72条(報告の徴収及び立入検査)**:国土交通大臣又は都道府県知事が、宅地建物取引業者の業務に関し、必要な報告を求め、又は立入検査を行うことができる旨を定めています。
【選択肢1】正。宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、自ら売主となる乙県内の売買において、目的物の瑕疵を担保すべき責任を負わない旨の特約を付した行為は、宅地建物取引業法第40条(瑕疵担保責任に関する特約の制限)に違反します。同条は、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、買主に不利な特約は無効と定めています。このような宅建業法違反行為があった場合、その業務が行われた場所を管轄する都道府県知事(この場合は乙県知事)は、当該業者に対して指示処分を行うことができます(宅地建物取引業法第65条第1項)。したがって、乙県知事から指示処分を受けることがあるという記述は正しいです。 【選択肢2】誤。宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)が、自ら売主となるマンションの売買において、代金の30%の手付金を受領した行為は、宅地建物取引業法第41条(手付金等の保全)に違反する可能性があります。同条は、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、手付金等の額が代金の20%を超えるとき、または1000万円を超えるときは、保全措置を講じなければならないと定めています。本件では30%の手付金を受領しており、保全措置を講じていなければ宅建業法違反となります。しかし、国土交通大臣免許の宅地建物取引業者に対する業務停止処分は、その免許権者である国土交通大臣のみが行うことができます(宅地建物取引業法第65条第2項)。甲県知事はBの本店所在地を管轄する知事ではありますが、Bの免許権者ではないため、業務停止処分を行う権限はありません。したがって、甲県知事から業務停止の処分を受けることがあるという記述は誤りです。 【選択肢3】正。宅地建物取引業者C(甲県知事免許)が、契約の相手方を威迫し、契約締結を強要していた行為は、宅地建物取引業法第47条(不当な勧誘等の禁止)に違反する、著しく不当な行為です。このような行為は、宅地建物取引業の業務に関し著しく不当な行為をした場合に該当し、免許権者である甲県知事は、情状が特に重いと判断したときは、Cの宅地建物取引業の免許を取り消さなければなりません(宅地建物取引業法第66条第1項第8号)。したがって、甲県知事が免許を取り消さなければならないという記述は正しいです。 【選択肢4】正。宅地建物取引業者D(国土交通大臣免許)が、甲県内に所在する事務所について、業務に関する帳簿を備えていないことは、宅地建物取引業法第49条(帳簿の備付け等)に違反します。同条は、宅地建物取引業者に対し、事務所ごとに帳簿を備え、取引に関する事項を記載・保存する義務を課しています。このような場合、その事務所の所在地を管轄する都道府県知事(この場合は甲県知事)は、宅地建物取引業者の業務に関し、必要な報告を求め、又は指導を行うことができます(宅地建物取引業法第72条第1項)。したがって、甲県知事から必要な報告を求められ、かつ、指導を受けることがあるという記述は正しいです。