宅建 平成25年度(2013年)問26 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者A社の代表取締役が、道路交通法違反により罰金の刑に処せられたとしても、A社の免許は取り消されることはない。
  2. 宅地建物取引業者B社の使用人であって、B社の宅地建物取引業を行う支店の代表者が、刑法第222条(脅迫) の罪により罰金の刑に処せられたとしても、B社の免許は取り消されることはない。
  3. 宅地建物取引業者C社の非常勤役員が、刑法第208条の3 (凶器準備集合及び結集)の罪により罰金の刑に処せられたとしても、C社の免許は取り消されることはない。
  4. 宅地建物取引業者D社の代表取締役が、法人税法違反により懲役の刑に処せられたとしても、執行猶予が付されれば、D社の免許は取り消されることはない。

正解

正解は選択肢 1 です。

解説

正解は選択肢1です。宅地建物取引業法第5条第1項第4号に定める欠格事由は、特定の罪(暴力団関係の罪、刑法の傷害・脅迫・暴行・背任など)による罰金刑、または禁錮以上の刑に限定されます。道路交通法違反による罰金刑はこれらの欠格事由には該当しないため、代表取締役がこの罪で罰金刑を受けても、法人の免許は取り消されることはありません。

宅地建物取引業法(宅建業法)において、免許の欠格事由は第5条第1項に定められています。特に第4号は、法人の役員や政令で定める使用人が特定の罪を犯した場合に、その法人が免許を受けられない(または免許を取り消される)ことを規定しています。 **宅地建物取引業法 第5条第1項第4号** 「禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者」 「この法律、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条(傷害)、第二百六条(現場助勢)、第二百八条(暴行)、第二百八条の二(凶器準備集合及び結集)、第二百二十二条(脅迫)若しくは第二百四十七条(背任)の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正八年法律第六十号)の罪若しくはこれらに準ずる罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者」 **宅地建物取引業法 第66条第1項第3号** 免許を受けた宅地建物取引業者が、第5条第1項第4号に該当するに至った場合、免許権者はその免許を取り消すことができるとされています。 **ポイント**:欠格事由となる罰金刑は、宅建業法で具体的に列挙された罪(宅建業法違反、暴力団関係法違反、刑法の傷害・脅迫・暴行・背任など)に限定される点が重要です。また、禁錮以上の刑の場合は、罪の種類を問いません。

【選択肢1】正。 宅地建物取引業者A社の代表取締役は、法人の「役員」に該当します。しかし、道路交通法違反は、宅建業法第5条第1項第4号に列挙されている特定の罪(宅建業法違反、暴力団関係法違反、刑法の傷害・脅迫・暴行・背任など)には含まれません。したがって、代表取締役が道路交通法違反により罰金の刑に処せられたとしても、それは宅建業法上の欠格事由には該当しないため、A社の免許が取り消されることはありません。この記述は正しいです。 【選択肢2】誤。 「宅地建物取引業を行う支店の代表者」は、宅地建物取引業法施行令第2条の2に定める「政令で定める使用人」に該当します。宅建業法第5条第1項第4号では、刑法第222条(脅迫)の罪は、欠格事由となる特定の罪として明記されています。この罪により罰金の刑に処せられた場合、当該使用人は欠格事由に該当します。法人の役員または政令で定める使用人が欠格事由に該当した場合、その法人の免許は取り消される可能性があります(宅建業法第66条第1項第3号)。したがって、「B社の免許は取り消されることはない」という記述は誤りです。 【選択肢3】誤。 「非常勤役員」であっても、法人の「役員」であることに変わりはありません。刑法第208条の3(凶器準備集合及び結集)は、暴力行為に繋がる可能性が極めて高い罪であり、宅建業法第5条第1項第4号に規定される「暴力行為等処罰に関する法律の罪若しくはこれらに準ずる罪」または「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に定める罪」に該当すると解釈される可能性が高いです。特に、この罪は暴力団関係者が関与する典型的な罪であり、宅建業の信頼性を著しく損なう行為とみなされます。したがって、C社の免許は取り消される可能性があります。よって、「C社の免許は取り消されることはない」という記述は誤りです。 【選択肢4】誤。 宅地建物取引業者D社の代表取締役は、法人の「役員」に該当します。法人税法違反は、宅建業法第5条第1項第4号に列挙されている特定の罰金刑の対象となる罪には含まれません。しかし、懲役刑は「禁錮以上の刑」に該当します。宅建業法第5条第1項第4号では、禁錮以上の刑に処せられた場合、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は欠格事由に該当するとされています。執行猶予が付された場合でも、執行猶予期間中は「刑の執行を受けることがなくなった」とはみなされません。執行猶予期間が満了し、刑の言渡しが効力を失うまでは、欠格事由に該当し続けます。したがって、D社の免許は取り消される可能性があります。よって、「D社の免許は取り消されることはない」という記述は誤りです。

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