宅建 平成24年度(2012年)問36 宅建業法 の解説

問題

取引主任者に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者A社は、その主たる事務所に従事する唯一の専任の取引主任者が退職したときは、30日以内に、新たな専任の取引主任者を設置しなければならない。
  2. 宅地建物取引業者B社は、10戸の一団の建物の分譲の代理を案内所を設置して行う場合、当該案内所に従事する者が6名であるときは、当該案内所に少なくとも2名の専任の取引主任者を設置しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者C社(甲県知事免許)の主たる事務所の専任の取引主任者Dが死亡した場合、当該事務所に従事する者17名に対し、専任の取引主任者4名が設置されていれば、C社が甲県知事に届出をする事項はない。
  4. 宅地建物取引業者E社(甲県知事免許)の専任の取引主任者であるF (乙県知事登録)は、E社が媒介した丙県に所在する建物の売買に関する取引において取引主任者として行う事務に関し著しく不当な行為をした場合、丙県知事による事務禁止処分の対象となる。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。宅地建物取引士が事務禁止処分を受ける場合、その処分権者は、当該取引士の登録をしている都道府県知事、または当該違反行為があった場所を管轄する都道府県知事のいずれかとなります(宅地建物取引業法第65条第2項)。本問では、違反行為地が丙県であるため、丙県知事も事務禁止処分を行うことができます。

【選択肢1】宅地建物取引業法第31条の3第2項(専任の宅地建物取引士の補充義務) 【選択肢2】宅地建物取引業法第31条の3第1項、宅地建物取引業法施行規則第15条の5の2(案内所等における宅地建物取引士の設置義務) 【選択肢3】宅地建物取引業法第9条、宅地建物取引業法施行規則第4条の2(宅地建物取引業者名簿の変更の届出) 【選択肢4】宅地建物取引業法第65条第2項(宅地建物取引士に対する事務禁止処分)

【選択肢1】誤り。 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、業務に従事する者の数に応じて一定数以上の専任の宅地建物取引士を設置する義務があります(宅地建物取引業法第31条の3第1項)。もし、設置している専任の宅地建物取引士が退職するなどして、この設置義務の割合を満たさなくなった場合、宅地建物取引業者は「2週間以内」に、必要な数の専任の宅地建物取引士を補充しなければなりません(宅地建物取引業法第31条の3第2項)。本選択肢では「30日以内」とされているため、誤りです。この「2週間以内」という期間は、試験でよく問われるポイントなので、しっかり覚えておきましょう。 【選択肢2】誤り。 宅地建物取引業者は、事務所だけでなく、案内所等で契約の締結または契約の申込みを受ける場合にも、専任の宅地建物取引士を設置しなければなりません(宅地建物取引業法第31条の3第1項)。しかし、事務所の場合と異なり、案内所等では「業務に従事する者の5分の1以上」という割合の規定は適用されません。案内所等で契約締結等を行う場合は、従事者の人数に関わらず、「少なくとも1名」の専任の宅地建物取引士を設置すれば足ります(宅地建物取引業法施行規則第15条の5の2)。本選択肢では「少なくとも2名」とされているため、誤りです。 【選択肢3】誤り。 宅地建物取引業者は、事務所ごとに、業務に従事する者の5分の1以上の割合で専任の宅地建物取引士を設置しなければなりません(宅地建物取引業法第31条の3第1項)。本選択肢では、従事者17名に対し、専任の宅地建物取引士がDを含め4名設置されていました。Dが死亡したとしても、残りの専任の宅地建物取引士が4名いれば、17名 × 1/5 = 3.4名、小数点以下切り上げで4名以上という設置義務は満たされています。しかし、宅地建物取引業者は、その宅地建物取引業者名簿に記載された事項に変更があった場合、遅滞なく、その旨を免許権者(本問では甲県知事)に届け出なければなりません(宅地建物取引業法第9条)。専任の宅地建物取引士の氏名は、この名簿記載事項の一つです(宅地建物取引業法施行規則第4条の2)。したがって、Dが死亡し、専任の宅地建物取引士に変更があった場合は、設置義務を満たしていても、その旨を甲県知事に届け出る必要があります。「届出をする事項はない」としているため、誤りです。 【選択肢4】正しい。 宅地建物取引士が、宅地建物取引士として行う事務に関し、著しく不当な行為をした場合、都道府県知事は、その取引士に対し、1年以内の期間を定めて事務の禁止を命ずることができます(宅地建物取引業法第65条第2項)。この事務禁止処分を行うことができる知事は、以下のいずれかです。 1. 当該宅地建物取引士の登録をしている都道府県知事(本問では乙県知事) 2. 当該違反行為があった場所を管轄する都道府県知事(本問では丙県知事) したがって、本選択肢のように、違反行為があった場所を管轄する丙県知事が事務禁止処分を行うことは可能です。よって、本選択肢は正しいです。この処分権者の範囲は、試験で頻出の重要事項なので、しっかり理解しておきましょう。

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