宅建 平成23年度(2011年)問49 宅建業法 の解説
問題
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 住宅地としての立地条件として最も基本的な条件は、地形、地盤に関することである。
- 山麓部の利用に当たっては、背後の地形、地質、地盤について十分吟味する必要がある。
- 低地は一般に津波や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。
- 埋立地は一般に海面に対して数mの比高を持ち、干拓地より災害に対して危険である。
正解
正解は選択肢 4 です。
解説
正解は選択肢4です。埋立地は一般的に海面より数メートルの比高を持って造成されるのに対し、干拓地は海面より低いか同程度の高さに位置することが多いため、水害に対する危険性は干拓地の方が高いと評価されるのが一般的です。したがって、「干拓地より災害に対して危険である」という記述は不適当となります。
この問題は、宅地建物取引業法に直接規定される条文や判例ではなく、宅地建物取引士試験の「土地」の分野において、宅地として適切な土地の選定や災害リスクに関する一般的な知識を問うものです。具体的には、宅地建物取引業者が不動産の重要事項説明(宅建業法第35条)を行う際に、対象不動産の物理的状況や災害リスクについて説明する上で必要となる基礎知識と位置づけられます。特に、ハザードマップや地盤調査の重要性など、買主の保護の観点から、土地の性質を理解しておくことが求められます。
【選択肢1】正。住宅地としての土地選びにおいて、地形(傾斜、水はけ、日当たりなど)や地盤(強度、液状化の可能性、沈下の有無など)は、建物の安全性、耐久性、そして居住者の快適性に直結する最も基本的な要素です。これらの条件が不適切であれば、いくら交通の便が良くても、快適な住宅地とは言えません。宅地建物取引士として、お客様に適切な情報を提供するためにも、これらの基礎知識は不可欠です。 【選択肢2】正。山麓部は、背後の山からの土砂災害(がけ崩れ、土石流、地すべりなど)のリスクを常に抱えています。特に、急峻な地形、脆弱な地質(風化しやすい岩石や崩れやすい土壌)、不安定な地盤(地下水の浸透による軟弱化など)を持つ場所では、その危険性が高まります。そのため、利用に際しては、これらの要素を専門家による調査を含め、十分に吟味し、必要に応じて対策を講じることが不可欠です。重要事項説明においても、これらのリスクは重要な説明事項となり得ます。 【選択肢3】正。低地、特に沖積平野や三角州、埋立地などは、一般的に軟弱な地盤であることが多く、地震の際に揺れが増幅されやすかったり、液状化現象が発生しやすかったりします。また、海や大きな河川に近い低地は、津波や高潮、洪水などの水害リスクも高くなります。これらの理由から、防災的な観点からは、高台や堅固な地盤の土地に比べて住宅地として好ましくない、あるいはより慎重な対策が必要とされる場所と言えます。ハザードマップの確認は必須です。 【選択肢4】誤。埋立地は、海や湖沼を埋め立てて造成された土地であり、通常は海面より数メートル高い位置に造成されます。これに対し、干拓地は、海や湖沼を堤防で締め切り、内部の水を排水して陸地化した土地であり、一般的には海面より低いか、ほぼ同じ高さに位置します。このため、高潮や津波、洪水などの水害に対しては、海面より低い位置にある干拓地の方が、埋立地よりも浸水リスクが高く、より危険であると評価されるのが一般的です。したがって、「干拓地より災害に対して危険である」という記述は不適当です。この違いをしっかりと理解しておきましょう。