宅建 平成22年度(2010年)問48 宅建業法 の解説

問題

宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 平成20年度法人企業統計年報(財務省、平成21年9月公表)によれば、平成20年度における不動産業の経常利益は約2兆9,200億円となっており、2年連続の増加となった。
  2. 住宅着工統計(国土交通省、平成22年1月公表)によれば、平成21年の分譲住宅の新設住宅着工戸数は、前年比43.7%減で、そのうち、マンション、一戸建住宅とも前年に比べ減少した。
  3. 平成22年版土地白書(平成22年6月公表)によれば、平成21年中の全国の土地取引件数は、売買による所有権の移転登記の件数で見ると、117.9万件となっており、前年に比べ増加した。
  4. 平成22年地価公示(平成22年3月公表)によれば、平成21年の1年間の地価の下落率は、三大都市圏の方が地方圏よりも小さく、かつ、全圏域において商業地の方が住宅地よりも小さい。

正解

正解は選択肢 2 です。

解説

正解は選択肢2です。この問題は、当時の経済状況(リーマンショック後の景気低迷期)における不動産市場の動向を把握しているかを問う統計問題です。景気低迷期には、住宅着工戸数や土地取引件数が減少する傾向にあるため、選択肢2の「分譲住宅の新設住宅着工戸数が大幅に減少した」という記述が、当時の状況と最も整合性が取れています。

統計問題であるため、特定の条文や判例が直接の根拠となるわけではありません。しかし、宅地建物取引業法第1条(目的)には「宅地及び建物の取引の公正と円滑を図るとともに、宅地建物取引業の健全な発展を促進し、もつて国民の生活の安定と向上に寄与すること」と定められています。この目的を達成するためには、不動産市場の現状を正確に把握する統計データが不可欠であり、本問は、宅建業者として市場動向を理解する能力を問うものと解釈できます。

【選択肢1】誤。平成20年度は、世界的な金融危機であるリーマンショックの影響が本格化した時期であり、不動産業界も大きな打撃を受けました。このため、不動産業の経常利益は大幅に減少に転じており、「2年連続の増加」という記述は当時の経済状況に反します。 【選択肢2】正。平成21年は、リーマンショック後の景気低迷が続き、住宅需要が大きく落ち込んだ時期でした。このような状況下では、分譲住宅の新設住宅着工戸数が前年比で大幅に減少することは自然な流れです。マンション、一戸建住宅ともに減少したという記述も、当時の市場環境と一致しており、正しい内容です。 【選択肢3】誤。平成21年は景気低迷期であり、不動産取引は全体的に低調でした。土地取引件数も減少傾向にあったため、「前年に比べ増加した」という記述は当時の状況に反します。実際には、土地取引件数は減少していました。 【選択肢4】誤。平成21年は地価が下落した時期ですが、一般的に景気変動の影響を受けやすい三大都市圏や商業地の方が、地方圏や住宅地よりも地価の下落率が大きくなる傾向があります。これは、三大都市圏や商業地が景気変動に敏感に反応するためです。したがって、「三大都市圏の方が地方圏よりも小さく、かつ、全圏域において商業地の方が住宅地よりも小さい」という記述は誤りです。実際には、三大都市圏や商業地の下落率の方が大きかったとされています。

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