宅建 平成20年度(2008年)問23 法令上の制限 の解説
問題
土地区画整理法における仮換地指定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 土地区画整理事業の施行者である土地区画整理組合が、施行地区内の宅地について仮換地を指定する場合、あらかじめ、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。
- 土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、必要があると認めるときは、仮清算金を徴収し、又は交付することができる。
- 仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
- 仮換地の指定を受けた場合、その処分により使用し、又は収益することができる者のなくなった従前の宅地は、当該処分により当該宅地を使用し、又は収益することができる者のなくなった時から、換地処分の公告がある日までは、施行者が管理するものとされている。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。土地区画整理組合が仮換地を指定する場合、土地区画整理審議会の意見を聴く必要はありません。土地区画整理法第98条第2項により、審議会の意見聴取が義務付けられているのは、都道府県知事、市町村、または地方住宅供給公社が施行者の場合に限られるため、組合施行の場合にはこの規定は適用されません。
本問の根拠となる主な条文は以下の通りです。 * **土地区画整理法第98条第1項(仮換地の指定)**: 施行者は、換地計画の認可後、工事のため必要がある場合、または換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合、従前の宅地について仮換地を指定できる旨を規定しています。組合施行の場合、総会または総代会の同意が必要です。 * **土地区画整理法第98条第2項(都道府県知事等が施行者の場合の仮換地指定)**: 都道府県知事、市町村、または地方住宅供給公社が施行者の場合、仮換地を指定する際に土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない旨を規定しています。 * **土地区画整理法第99条第1項(仮換地指定の効力)**: 仮換地が指定された場合、従前の宅地について使用収益権を持つ者は、仮換地の指定効力発生日から換地処分の公告日まで、仮換地について従前の宅地と同様の使用収益ができる旨を規定しています。 * **土地区画整理法第99条第2項(従前の宅地の管理)**: 仮換地の指定により使用収益権者がいなくなった従前の宅地は、施行者が管理する旨を規定しています。 * **土地区画整理法第101条第1項(仮清算金)**: 施行者は、仮換地指定の際に不均衡を是正するため、仮清算金を徴収または交付できる旨を規定しています。
【選択肢1】誤り。 この記述は「土地区画整理組合が施行地区内の宅地について仮換地を指定する場合、あらかじめ、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない」としていますが、これは誤りです。 土地区画整理法第98条第2項では、都道府県知事、市町村、または地方住宅供給公社が施行者である場合に、仮換地を指定する際に土地区画整理審議会の意見を聴く必要があると定めています。しかし、土地区画整理組合が施行者の場合は、土地区画整理審議会は設置されません。組合施行の場合、仮換地の指定には、土地区画整理法第98条第1項に基づき、総会または総代会の同意が必要となります。したがって、組合が審議会の意見を聴く必要はないため、本記述は誤りです。 【選択肢2】正。 この記述は「土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、必要があると認めるときは、仮清算金を徴収し、又は交付することができる」としており、これは正しいです。 土地区画整理法第101条第1項に「施行者は、仮換地を指定した場合において、必要があると認めるときは、その指定に係る従前の宅地及び仮換地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等からみて不均衡を是正するため、仮清算金を徴収し、又は交付することができる。」と明確に規定されています。これは、仮換地と従前の宅地との間に生じる不均衡を一時的に調整するための制度です。 【選択肢3】正。 この記述は「仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる」としており、これは正しいです。 土地区画整理法第99条第1項に「仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。」と規定されています。これは、仮換地指定により、従前の宅地に対する使用収益権が仮換地に移転することを意味し、事業期間中の土地利用の継続性を保障する重要な規定です。 【選択肢4】正。 この記述は「仮換地の指定を受けた場合、その処分により使用し、又は収益することができる者のなくなった従前の宅地は、当該処分により当該宅地を使用し、又は収益することができる者のなくなった時から、換地処分の公告がある日までは、施行者が管理するものとされている」としており、これは正しいです。 土地区画整理法第99条第2項に「仮換地の指定があつた場合において、従前の宅地について使用し、又は収益することができる者がなくなつたときは、当該従前の宅地は、当該処分により当該宅地を使用し、又は収益することができる者のなくなつた時から換地処分の公告がある日までは、施行者が管理する。」と規定されています。これは、仮換地指定によって空き地となった従前の宅地が、事業の円滑な遂行のために施行者の管理下に置かれることを意味します。