宅建 令和3年度(2021年)問26 宅建業法 の解説

問題

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. Aは、Bに対し、専任の宅地建物取引士をして説明をさせなければならない。
  2. Aは、Bに対し、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならない。
  3. Aは、Bに対し、建物の上に存する登記された権利の種類及び内容だけでなく、移転登記の申請の時期についても説明しなければならない。
  4. Aは、Bに対し、売買の対象となる建物の引渡しの時期について説明しなければならない。

正解

正解は選択肢 2 です。

解説

正解は選択肢2です。宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明において、代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭については、その額だけでなく、授受の目的も説明しなければならないとされています(宅建業法施行規則第16条の2第1号ハ)。他の選択肢は、重要事項説明の対象外の事項や、説明義務者の要件に関する誤りを含んでいます。

【宅地建物取引業法第35条(重要事項の説明等)】 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又はこれらの媒介に係る売買、交換若しくは貸借の当事者に対し、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関する次に掲げる事項について、売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、書面を交付して説明をさせなければならない。 【宅地建物取引業法施行規則第16条の2(重要事項の説明事項)】 法第35条第1項第2号の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類、内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記載された所有者の氏名(名称)及び住所並びにこれらの権利に関する登記の申請の時期 ハ 代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭に関する事項(その額並びに当該金銭の授受の目的及び保管方法をいう。) 【補足説明】 宅建業法第35条は、宅建業者が契約締結前に買主や借主に対して、その物件に関する重要な情報を正確に伝えることを義務付けています。これは、一般の人が不動産取引で不利益を被らないようにするための非常に重要なルールです。説明事項は多岐にわたりますが、特に金銭に関する事項はトラブルになりやすいため、詳細な説明が求められます。

【選択肢1】誤。Aは、Bに対し、専任の宅地建物取引士をして説明をさせなければならない。 **解説:** 重要事項説明は、宅地建物取引業法第35条第1項により「宅地建物取引士をして、書面を交付して説明をさせなければならない」と定められています。しかし、この「宅地建物取引士」は、その事務所に「専任」である必要はありません。宅地建物取引士であれば誰でも説明を行うことができます。専任の宅地建物取引士は、宅建業者の事務所に設置が義務付けられている(宅建業法第31条の3)役割であり、重要事項説明の担当者の要件とは異なります。したがって、この記述は誤りです。 【選択肢2】正。Aは、Bに対し、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならない。 **解説:** 宅地建物取引業法第35条第1項第2号及び同法施行規則第16条の2第1号ハにより、代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭(例:手付金、敷金、礼金、権利金、協力金など)については、その「額」だけでなく、「当該金銭の授受の目的」及び「保管方法」についても説明しなければならないと明確に定められています。これは、金銭の授受に関するトラブルを未然に防ぐための重要な規定です。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢3】誤。Aは、Bに対し、建物の上に存する登記された権利の種類及び内容だけでなく、移転登記の申請の時期についても説明しなければならない。 **解説:** 宅地建物取引業法第35条第1項第1号及び同法施行規則第16条の2第1号イにより、建物の上に存する登記された権利の種類、内容、登記名義人(または表題部所有者)の氏名・住所は重要事項説明の対象です。しかし、「移転登記の申請の時期」は重要事項説明の対象とはされていません。登記申請の時期は、契約当事者間の合意によって決定される契約内容の一部であり、重要事項説明書(35条書面)に記載する事項ではなく、主に契約書(37条書面)に記載されるべき事項です。したがって、この記述は誤りです。 【選択肢4】誤。Aは、Bに対し、売買の対象となる建物の引渡しの時期について説明しなければならない。 **解説:** 売買の対象となる建物の「引渡しの時期」は、契約の重要な要素ではありますが、宅地建物取引業法第35条第1項に定める重要事項説明の対象とはされていません。引渡しの時期は、契約当事者間の合意によって決定される契約内容であり、宅建業法第37条に定める契約書面(37条書面)の記載事項です。重要事項説明書(35条書面)と契約書面(37条書面)で記載すべき事項が異なる点をしっかりと区別して覚えましょう。したがって、この記述は誤りです。

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