宅建 令和1年度(2019年)問45 宅建業法 の解説
問題
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする場合においても、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。
- 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしている場合、当該住宅の売買契約を締結するまでに、当該住宅の宅地建物取引業者ではない買主に対し、供託所の所在地等について、それらの事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。
- 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者ではない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日ごとに基準日から3週間以内に、当該基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
- 住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該保険に係る新築住宅に、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の隠れた瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)がある場合に、特定住宅販売瑕疵担保責任の履行によって生じた損害について保険金を請求することができる。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。特定住宅瑕疵担保責任の履行確保措置(供託または保険)を義務付けられるのは、新築住宅の「売主」である宅地建物取引業者であり、媒介業者にはこの義務はありません(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第3条)。したがって、媒介の場合にも義務を負うとする選択肢1は誤りです。
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法) **第3条(履行確保措置義務)** 新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、特定住宅販売瑕疵担保責任(構造耐力上主要な部分等に関する瑕疵担保責任)を履行するために、住宅販売瑕疵担保保証金の供託または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結のいずれかの措置を講じなければならない。 **第4条(供託に関する説明義務)** 供託による履行確保措置を講じる宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者ではない買主に対し、売買契約締結までに、供託所の所在地等を記載した書面を交付して説明しなければならない。 **第11条(状況報告義務)** 新築住宅を引き渡した宅地建物取引業者は、基準日(毎年3月31日、9月30日)ごとに、その基準日から3週間以内に、供託及び保険契約の状況を免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)に届け出なければならない。 **第2条第3項(特定住宅販売瑕疵担保責任の定義)** 特定住宅販売瑕疵担保責任とは、新築住宅の構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分の隠れた瑕疵(構造耐力または雨水の浸入に影響のないものを除く。)について、売主が負う瑕疵担保責任をいう。
【選択肢1】誤。特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)第3条は、新築住宅の「売主」である宅地建物取引業者に対し、住宅販売瑕疵担保保証金の供託または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結という履行確保措置を義務付けています。この義務は、あくまで「売主」に課されるものであり、新築住宅の売買を「媒介」する宅地建物取引業者には適用されません。媒介業者は、売主と買主の間を取り持つ立場であり、自らが瑕疵担保責任を負うわけではないからです。したがって、媒介の場合にも義務を負うとする本記述は誤りです。 【選択肢2】正。住宅瑕疵担保履行法第4条第1項に規定されています。自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者が、住宅販売瑕疵担保保証金の供託によって履行確保措置を講じている場合、当該住宅の売買契約を締結するまでに、宅地建物取引業者ではない買主(一般消費者など)に対し、供託所の所在地や供託されている保証金の額などについて、それらの事項を記載した書面を交付して説明する義務があります。これは、買主が万一の際に保証金から損害の弁済を受けられるよう、その情報を事前に提供することで買主保護を図るための重要な規定です。 【選択肢3】正。住宅瑕疵担保履行法第11条第1項に規定されています。自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者ではない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日(毎年3月31日と9月30日)ごとに、その基準日から3週間以内に、当該基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況(供託額や保険契約の件数など)について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事(免許権者)に届け出なければなりません。これは、国や都道府県が宅建業者の履行確保措置の状況を把握し、適切な監督を行うための制度です。 【選択肢4】正。住宅瑕疵担保履行法第2条第3項に定義される「特定住宅販売瑕疵担保責任」は、新築住宅の「構造耐力上主要な部分」または「雨水の浸入を防止する部分」に生じた隠れた瑕疵(構造耐力または雨水の浸入に影響のないものを除く。)について、売主が負う責任を指します。住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、この特定住宅販売瑕疵担保責任の履行によって売主に生じた損害を填補するためのものです。したがって、保険契約を締結している宅地建物取引業者は、これらの部分に該当する瑕疵があり、その履行によって損害が生じた場合に保険金を請求することができます。本記述は、保険の対象となる瑕疵の範囲を正確に述べており、正しい内容です。