宅建 平成26年度(2014年)問20 法令上の制限 の解説

問題

土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 施行者は、宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては、その宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者に補償をすれば、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる。
  2. 施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について市町村長の認可を受けなければならない。
  3. 関係権利者は、換地処分があった旨の公告があった日以降いつでも、施行地区内の土地及び建物に関する登記を行うことができる。
  4. 土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、原則としてその公共施設の所在する市町村の管理に属することになる。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。土地区画整理法第97条第1項の規定により、土地区画整理事業によって新たに設置された公共施設は、換地処分の公告があった日の翌日から、原則としてその公共施設が所在する市町村の管理に属することになります。これは、事業によって整備された公共施設の管理責任を明確にするための重要なルールです。

【土地区画整理法】 * **第52条第1項(換地計画の決定)**: 施行者は、換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。 * **第52条第2項(換地計画の認可)**: 土地区画整理組合が施行者である場合、換地計画は都道府県知事の認可を受けなければならない。 * **第90条第1項(不換地)**: 施行者は、換地計画において、換地を定めないで金銭で清算すること(不換地)を定めることができる。この場合、その宅地について使用し、又は収益することができる権利を有する者があるときは、その者に補償をしなければならない。 * **第95条第1項(換地処分後の登記)**: 換地処分があった旨の公告があった場合においては、遅滞なく、施行者が換地計画に係る土地及び建物に関する登記を申請し、又は嘱託しなければならない。 * **第95条第4項(換地処分後の登記の制限)**: 換地処分があった旨の公告があった日から前項の登記が完了するまでの間は、登記官は、換地計画に係る土地及び建物については、他の登記をすることができない。 * **第97条第1項(公共施設の管理)**: 土地区画整理事業の施行により設置された公共施設は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、原則として、その公共施設の所在する市町村の管理に属するものとする。

【選択肢1】誤。 土地区画整理法第90条第1項は、施行者が換地計画において、換地を定めないで金銭で清算すること(不換地)を定めることができると規定しています。この場合、その宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者には補償をしなければなりません。しかし、この不換地は「宅地の所有者の申出又は同意があった場合」に限定されるものではなく、施行者の判断で定めることが可能です。したがって、「宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては」という条件が誤りであるため、本選択肢は間違っています。 【選択肢2】誤。 土地区画整理法第52条第1項により、施行者は換地処分を行うために換地計画を定めなければならない、という前半部分は正しいです。しかし、後半部分の「当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について市町村長の認可を受けなければならない」という点が誤りです。土地区画整理組合が施行者である場合、換地計画は土地区画整理法第52条第2項に基づき「都道府県知事の認可」を受けなければなりません。市町村長ではありませんので、注意が必要です。 【選択肢3】誤。 土地区画整理法第95条第1項によれば、換地処分があった旨の公告があった場合、施行者は遅滞なく、換地計画に係る土地及び建物に関する登記を申請し、又は嘱託しなければなりません。そして、同条第4項により、この公告があった日から施行者による登記が完了するまでの間は、登記官は、換地計画に係る土地及び建物については、他の登記をすることができません。つまり、関係権利者が「公告があった日以降いつでも」登記できるわけではなく、施行者による一括登記が優先され、それが完了するまでは他の登記が制限されるため、本選択肢は間違っています。 【選択肢4】正。 土地区画整理法第97条第1項は、「土地区画整理事業の施行により設置された公共施設は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、原則として、その公共施設の所在する市町村の管理に属するものとする。」と明確に規定しています。この選択肢の記述は、この条文の内容と完全に一致しており、正しいです。事業によって整備された道路や公園などの公共施設が、換地処分の効力発生と同時に、その地域の市町村の管理下に置かれることを定めた重要な規定です。

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