宅建 平成24年度(2012年)問21 法令上の制限 の解説
問題
土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 土地区画整理組合は、総会の議決により解散しようとする場合において、その解散について、認可権者の認可を受けなければならない。
- 土地区画整理組合は、土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域外において、土地区画整理事業を施行することはできない。
- 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
- 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員とする。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。土地区画整理組合は、その定款で定める施行地区内において土地区画整理事業を施行することができ(土地区画整理法第3条第2項)、必ずしも都市計画に定められた施行区域内に限定されるわけではありません。したがって、都市計画に定められた施行区域外でも、組合が定めた施行地区内であれば事業は可能であるため、本選択肢の記述は誤りとなります。
土地区画整理法 **第3条(施行者)** 2. 土地区画整理組合は、その定款で定める施行地区内において、土地区画整理事業を施行することができる。 **第14条(組合員の資格)** 1. 土地区画整理組合の施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員とする。 **第45条(解散の認可)** 1. 組合は、総会の議決により解散しようとする場合においては、その解散について、都道府県知事の認可を受けなければならない。 **第96条(保留地)** 1. 換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。 (補足説明) * **土地区画整理法第3条第2項**:土地区画整理組合が事業を行う範囲(施行地区)は、組合自身が定款で定めるものであり、必ずしも都市計画で定められた区域と一致するわけではないことを示しています。 * **土地区画整理法第14条第1項**:組合の事業によって直接影響を受ける土地の権利者(所有者や借地権者)は、自動的に組合員となることを定めています。これは、事業の円滑な推進と権利者の意見反映を保障するためです。 * **土地区画整理法第45条第1項**:組合の設立や事業計画の変更と同様に、解散も重要な事項であるため、行政庁(都道府県知事)の認可が必要であることを示しています。これは、組合員や関係者の利益保護、事業の公共性を確保するためです。 * **土地区画整理法第96条第1項**:土地区画整理事業の大きな特徴の一つである「保留地」の制度を定めています。事業の費用を賄うために、換地として割り当てられない土地を確保し、これを売却することで事業資金を得る仕組みです。
【選択肢1】正。 土地区画整理組合が解散しようとする場合、その解散は組合の総会で議決される必要がありますが、それだけでは完結しません。土地区画整理法第45条第1項により、その解散について、都道府県知事(認可権者)の認可を受けなければならないと定められています。これは、組合の設立や事業計画の変更と同様に、解散も公共性の高い事業の重要な局面であるため、行政庁の監督が必要とされるからです。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢2】誤。 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の施行区域について、土地区画整理法第3条第2項は「土地区画整理組合は、その定款で定める施行地区内において、土地区画整理事業を施行することができる」と規定しています。この条文は、組合が事業を行う範囲は、組合自身が作成する「定款」で定められる「施行地区」であると明記しており、必ずしも「都市計画に定められた施行区域」に限定されるわけではありません。土地区画整理事業は、都市計画事業として行われる場合もありますが、組合が単独で都市計画事業ではない土地区画整理事業を施行することも可能です。したがって、「都市計画に定められた施行区域外において、土地区画整理事業を施行することはできない」という記述は誤りです。 【選択肢3】正。 土地区画整理事業の大きな特徴の一つに「保留地」の制度があります。土地区画整理法第96条第1項には、「換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる」と明確に規定されています。これは、事業によって生じる費用(工事費、補償費など)を賄うために、事業によって生み出された土地の一部を売却し、その収益を事業費に充てるための重要な仕組みです。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢4】正。 土地区画整理組合の組合員資格については、土地区画整理法第14条第1項に「土地区画整理組合の施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員とする」と定められています。これは、事業の対象となる土地の権利者(所有者や借地権者)が、その事業に直接関与し、意見を反映させる機会を保障するための規定です。事業によって権利関係が変動する可能性があるため、これらの権利者は当然に組合員となり、事業の意思決定に参加する権利と義務を持つことになります。したがって、この記述は正しいです。