宅建 令和3年度10月(2021年)問31 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 保証協会は、当該保証協会の社員である宅地建物取引業者が社員となる前に当該宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者の有するその取引により生じた債権に関し弁済業務保証金の還付が行われることにより弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、当該社員に対し、担保の提供を求めることができる。
- 保証協会の社員である宅地建物取引業者は、取引の相手方から宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出が当該保証協会になされ、その解決のために当該保証協会から資料の提出の求めがあったときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。
- 保証協会の社員である宅地建物取引業者は、当該宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者の有するその取引により生じた債権に関し弁済業務保証金の還付がなされたときは、その日から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
- 還付充当金の未納により保証協会の社員がその地位を失ったときは、保証協会は、直ちにその旨を当該社員であった宅地建物取引業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
選択肢3が正解です。
宅地建物取引業法第64条の8第1項は、保証協会が社員となる前の取引に関する債権の還付により弁済業務の運営に支障が生じるおそれがある場合、当該社員に担保の提供を求めることができる旨を定めています。これは、保証協会の弁済業務の安定的な運営を確保するための規定です。 宅地建物取引業法第64条の10第2項は、保証協会が苦情解決のために社員に対し資料提出を求めた場合、社員は正当な理由がなければこれを拒否できない旨を定めています。これは、保証協会による苦情解決業務の実効性を担保し、取引の相手方の保護を図るための規定です。 宅地建物取引業法第64条の9第1項及び第2項は、弁済業務保証金の還付があった場合、保証協会は還付を受けた宅地建物取引業者に対し、還付充当金の納付を通知し、当該宅地建物取引業者は、その通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなければならないと定めています。問題文では「還付がなされたとき」を起算点としていますが、正しくは「通知を受けた日」が起算点であるため、選択肢3は誤りです。 宅地建物取引業法第64条の12第2項は、還付充当金の未納により保証協会の社員がその地位を失った場合、保証協会は直ちにその旨を当該社員であった宅地建物取引業者の免許権者(国土交通大臣又は都道府県知事)に報告しなければならないと定めています。これは、免許権者が当該宅地建物取引業者に対し適切な処分を行うための情報提供を義務付けるものです。
条文・判例に基づく判断です。