宅建 令和2年度(2020年)問50 税・その他 の解説
問題
次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建物の構成は、大きく基礎構造と上部構造からなっており、基礎構造は地業と基礎盤から構成されている。
- 基礎の種類には、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接する直接基礎と、建物を支持する地盤が深い場合に使用する杭基礎(杭地業)がある。
- 直接基礎の種類には、形状により、柱の下に設ける独立基礎、壁体等の下に設けるべた基礎、建物の底部全体に設ける布基礎(連続基礎)等がある。
- 上部構造は、重力、風力、地震力等の荷重に耐える役目を負う主要構造と、屋根、壁、床等の仕上げ部分等から構成されている。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。直接基礎の種類に関する記述において、「べた基礎」と「布基礎(連続基礎)」の説明が入れ替わっており、それぞれの特徴を誤って説明しているため、最も不適当な記述となります。建築物の構造は、建築基準法第20条(構造耐力)や建築基準法施行令第3章(構造強度)が定める安全基準を満たすために非常に重要であり、基礎の種類とその役割を正しく理解することは、宅建業者として必須の知識です。
本問題は、建築基準法に直接的な条文番号で基礎の種類を詳細に定義しているわけではありません。しかし、建築基準法第20条(構造耐力)は、建築物が地震、風圧、積雪などの荷重に対して安全な構造であることを義務付けており、また建築基準法施行令第3章(構造強度)では、そのための具体的な技術的基準が定められています。これらの法的要請を満たすためには、建物の荷重を地盤に伝える基礎構造が極めて重要であり、本問題で問われている基礎の種類に関する知識は、これらの法的背景を理解し、建築物の安全性を評価・説明するために不可欠な建築学の基礎知識となります。宅建業者は、建物の安全性や品質を顧客に適切に説明する上で、これらの基本的な構造知識を理解しておく必要があります。
【選択肢1】正。建物の構成は、大きく分けて、地盤に接して建物の荷重を支える「基礎構造」と、その上に建つ「上部構造」からなります。基礎構造は、さらに地盤を改良したり、杭を打ったりする「地業(じぎょう)」と、その上に建物の荷重を直接受け止める「基礎盤(きそばん)」から構成されるのが一般的です。この記述は、建築構造の基本的な分類として正しい内容です。 【選択肢2】正。基礎の種類は、大きく分けて二つあります。一つは、建物の荷重を基礎の底面から直接、比較的浅い位置にある固い地盤(支持層)に伝える「直接基礎」です。もう一つは、支持層が深い位置にある場合や、地盤が軟弱な場合に、地中に杭を打ち込んで建物の荷重を支持層に伝える「杭基礎(杭地業)」です。この記述は、基礎の基本的な分類とその適用状況を正しく説明しています。 【選択肢3】誤。直接基礎の種類には、主に「独立基礎」「布基礎(連続基礎)」「べた基礎」があります。それぞれの特徴は以下の通りです。 ・独立基礎:柱の真下に独立して設けられる基礎で、個々の柱からの荷重を支えます。 ・布基礎(連続基礎):壁や柱の列の下に、帯状に連続して設けられる基礎です。建物の外周部や主要な間仕切り壁の下に設けられることが多いです。地盤への負担が線状にかかります。 ・べた基礎:建物の底部全体を鉄筋コンクリートのスラブ(板状の構造物)で覆うように設ける基礎です。建物の荷重を底面全体で受け止めるため、地盤への負担が分散され、不同沈下(建物の一部だけが沈む現象)が起こりにくいとされています。 本選択肢では、「壁体等の下に設けるべた基礎」と「建物の底部全体に設ける布基礎(連続基礎)」という説明が、それぞれ「布基礎」と「べた基礎」の特徴と入れ替わってしまっています。したがって、この記述は不適当です。 【選択肢4】正。上部構造とは、基礎構造の上に建つ建物の主要な部分を指します。これは、建物の骨格となる「主要構造部」(柱、梁、壁、床など)と、それらを覆う「屋根、壁、床等の仕上げ部分」から構成されます。主要構造部は、建物の自重(重力)、風による力(風力)、地震による力(地震力)など、様々な外部からの荷重に耐え、建物の安全性を保つ重要な役割を担っています。この記述は、上部構造の構成と役割を正しく説明しています。