宅建 令和2年度(2020年)問19 法令上の制限 の解説
問題
次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとする。
- 土地の占有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、基礎調査のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。
- 宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。
- 宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地又は農地等に転用する者は、宅地造成等に関する工事を行わない場合でも、都道府県知事の許可を受けなければならない。
- 宅地造成等に関する工事の許可を受けた者が、工事施行者を変更する場合には、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はない。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。宅地造成等規制法は、宅地造成に関する工事を規制する法律であり、土地の利用目的の変更自体を規制するものではありません。したがって、公共施設用地を宅地等に転用する際に、宅地造成に関する工事を行わないのであれば、都道府県知事の許可は不要です(宅地造成等規制法第8条第1項)。
・**宅地造成等規制法第2条第2号(宅地造成の定義)**: 「宅地造成」とは、宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるものをいいます。つまり、宅地を宅地以外の土地にする行為は、宅地造成には該当しません。 ・**宅地造成等規制法第8条第1項(宅地造成工事の許可)**: 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。この条文は、あくまで「宅地造成に関する工事」を行う場合に許可が必要であることを定めており、土地の利用目的を変更するだけで、切土や盛土などの工事を伴わない場合は、許可の対象外となります。 ・**宅地造成等規制法第13条(変更の届出)**: 宅地造成に関する工事の許可を受けた者は、国土交通省令で定める事項について変更があったときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。 ・**宅地造成等規制法施行規則第30条第1項第1号(届出事項)**: 法第13条の国土交通省令で定める事項として、「工事施行者の氏名又は名称及び住所」が挙げられています。工事施行者の変更は、工事計画の重要な変更とは異なり、許可ではなく届出で足りる事項とされています。 ・**宅地造成等規制法第45条第1項、第3項(立入調査)**: 都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、宅地造成工事規制区域内の土地に立ち入り、測量又は調査をさせることができます。土地の占有者は、正当な理由がない限り、この立入りを拒み、又は妨げてはなりません。これは公共の利益のために行われる調査であり、正当な理由なく拒否することはできません。
【選択肢1】正。 宅地造成等規制法第45条第1項及び第3項の規定により、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、この法律の施行に必要な限度において、宅地造成工事規制区域内の土地に立ち入って測量又は調査を行うことができます。土地の占有者は、正当な理由がない限り、この立入りを拒否したり妨げたりすることはできません。これは、法律に基づく公共の利益のための調査権限であり、条文通りの記述です。 【選択肢2】正。 宅地造成等規制法第2条第2号において、「宅地造成」とは、「宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更」と定義されています。つまり、宅地を宅地以外の土地(例えば、農地や森林など)にするための土地の形質の変更は、この「宅地造成」の定義には含まれません。したがって、宅地造成には該当しないという記述は正しいです。 【選択肢3】誤。 宅地造成等規制法第8条第1項は、宅地造成工事規制区域内において「宅地造成に関する工事を行おうとする者」に都道府県知事の許可を義務付けています。この法律が規制するのは、あくまで「宅地造成に関する工事」であり、土地の利用目的の変更自体を規制するものではありません。したがって、公共施設用地を宅地又は農地等に転用する場合であっても、切土や盛土などの「宅地造成に関する工事」を伴わないのであれば、都道府県知事の許可を受ける必要はありません。本選択肢は「工事を行わない場合でも」許可が必要としている点で誤りです。 【選択肢4】正。 宅地造成等規制法第13条及び宅地造成等規制法施行規則第30条第1項第1号の規定により、宅地造成に関する工事の許可を受けた者が工事施行者を変更した場合は、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はありません。工事施行者の変更は、工事計画の重要な変更とは異なり、届出事項とされています。