宅建 平成30年度(2018年)問41 宅建業法 の解説
問題
次の記述のうち、宅地建物取引業の免許を要する業務が含まれるものはどれか。
- A社は、所有する土地を10区画にほぼ均等に区分けしたうえで、それぞれの区画に戸建住宅を建築し、複数の者に貸し付けた。
- B社は、所有するビルの一部にコンビニエンスストアや食堂など複数のテナントの出店を募集し、その募集広告を自社のホームページに掲載したほか、多数の事業者に案内を行った結果、出店事業者が決まった。
- C社は賃貸マンションの管理業者であるが、複数の貸主から管理を委託されている物件について、入居者の募集、貸主を代理して行う賃貸借契約の締結、入居者からの苦情・要望の受付、入居者が退去した後の清掃などを行っている。
- D社は、多数の顧客から、顧客が所有している土地に住宅や商業用ビルなどの建物を建設することを請け負って、その対価を得ている。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。宅地建物取引業の免許が必要となるのは、宅地建物の「売買、交換、賃借」を「代理」または「媒介」として「業として」行う場合です(宅地建物取引業法第2条第1号)。選択肢3のC社は、他人の物件について貸主を「代理」して賃貸借契約を締結しており、これを「業として」行っているため、宅地建物取引業に該当し、免許が必要です。
【宅地建物取引業法第2条第1号】 「宅地建物取引業」とは、宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは賃借の代理若しくは媒介を業として行うことをいう。 【補足説明】 この条文が宅建業の定義です。宅建業に該当するかどうかを判断する際のポイントは以下の3点です。 1. **対象物**: 「宅地」または「建物」であること。 2. **行為**: 「売買」「交換」「賃借」の「代理」または「媒介」であること。 * **自己所有の物件を「貸す」(賃貸借契約の当事者となる)行為は、この定義に含まれません。** つまり、自己物件の賃貸は宅建業ではありません。 * 自己所有の物件を「売る」行為は、この定義に含まれます。ただし、反復継続して行う「業として」行う場合に限ります。 3. **反復継続性**: 「業として」行うこと。これは、不特定多数の者を相手に、反復継続して行う意思をもって取引を行うことを指します。1回限りの取引であっても、反復継続の意思があれば「業として」とみなされることがあります。 【宅地建物取引業法第12条第1項】 宅地建物取引業を営もうとする者は、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。 【補足説明】 宅地建物取引業を営むには、この条文に基づき免許が必要です。
【選択肢1】誤。A社は、所有する土地に戸建住宅を建築し、複数の者に貸し付けています。これは、A社が「自己所有の物件」を「貸主として」賃貸する行為です。宅地建物取引業法において、自己物件の賃貸は「宅地建物取引業」には該当しません。なぜなら、宅建業の定義は「売買、交換、賃借の代理または媒介」を業として行うことだからです。貸主として直接賃貸する行為は、代理でも媒介でもないため、免許は不要です。 【選択肢2】誤。B社は、所有するビルの一部を複数のテナントに貸し付けるために募集活動を行っています。これも、B社が「自己所有の物件」を「貸主として」賃貸する行為です。選択肢1と同様に、自己物件の賃貸は宅地建物取引業には該当しないため、免許は不要です。 【選択肢3】正。C社は、複数の貸主から管理を委託されている物件について、「貸主を代理して行う賃貸借契約の締結」を行っています。これは、他人の物件について「賃借の代理」を「業として」(複数の貸主から委託されているため、反復継続性が認められます)行っていることになります。宅地建物取引業法第2条第1号の定義に完全に合致するため、C社は宅地建物取引業の免許を要します。 【選択肢4】誤。D社は、多数の顧客から、顧客が所有している土地に住宅や商業用ビルなどの建物を「建設することを請け負って」その対価を得ています。これは、建物の建築を請け負う「建設業」に該当する業務であり、宅地建物取引業(宅地建物の売買、交換、賃借の代理または媒介)ではありません。建設業は建設業法の規制対象であり、宅地建物取引業の免許は不要です。