宅建 平成30年度(2018年)問15 権利関係 の解説
問題
国土利用計画法第23条の届出 (以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 事後届出に係る土地の利用目的について、甲県知事から勧告を受けた宅地建物取引業者Aがその勧告に従わないときは、甲県知事は、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。
- 乙県が所有する都市計画区域内の土地 (面積6,000m²) を買い受けた者は、売買契約を締結した日から起算して2週間以内に、事後届出を行わなければならない。
- 指定都市(地方自治法に基づく指定都市をいう。)の区域以外に所在する土地について、事後届出を行うに当たっては、市町村の長を経由しないで、直接都道府県知事に届け出なければならない。
- 宅地建物取引業者Bが所有する市街化区域内の土地 (面積2,500m²) について、宅地建物取引業者Cが購入する契約を締結した場合、Cは事後届出を行う必要はない。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。国土利用計画法第27条の4第2項に基づき、都道府県知事は、土地の利用目的に関する勧告に従わない者に対し、その旨及び勧告の内容を公表することができます。これは、土地の適正かつ合理的な利用を促進するための重要な措置であり、勧告の実効性を高める目的があります。
<ul><li><b>国土利用計画法第23条第1項(事後届出)</b>: 一定規模以上の土地売買等契約を締結した者は、契約締結日から2週間以内に、当該土地の所在地の都道府県知事に届け出る義務があります。</li><li><b>国土利用計画法第26条第1項(届出を要しない場合)</b>: 国又は地方公共団体が当事者である土地売買等契約については、事後届出の規定は適用されません。</li><li><b>国土利用計画法第27条の2第1項(届出の経由)</b>: 事後届出は、原則として当該土地の所在地の市町村長を経由して行わなければなりません。ただし、指定都市の区域内に所在する土地に係る届出については、当該指定都市の長を経由して行います。</li><li><b>国土利用計画法第27条の4第1項(勧告)</b>: 都道府県知事は、事後届出に係る土地の利用目的について、当該土地の適正かつ合理的な利用を図るため必要な勧告をすることができます。</li><li><b>国土利用計画法第27条の4第2項(公表)</b>: 都道府県知事は、前項の勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その旨及びその勧告の内容を公表することができます。</li><li><b>国土利用計画法施行令第27条(届出を要する土地の面積)</b>: <ul><li>都市計画区域内:2,000m²以上</li><li>都市計画区域外(準都市計画区域内):5,000m²以上</li><li>都市計画区域外(準都市計画区域外):10,000m²以上</li></ul></li></ul>
【選択肢1】正。 国土利用計画法第27条の4第1項では、都道府県知事が事後届出に係る土地の利用目的について、適正かつ合理的な利用を図るために必要な勧告をすることができると定めています。さらに、同条第2項では、この勧告を受けた者がその勧告に従わない場合、都道府県知事は、その旨(勧告に従わなかったこと)及びその勧告の内容を公表することができると明確に規定されています。これは、勧告の実効性を確保し、土地の適正利用を促すための重要な行政措置です。したがって、本記述は正しいです。 【選択肢2】誤。 国土利用計画法第23条第1項は、一定規模以上の土地売買等契約を締結した者に事後届出義務を課していますが、同法第26条第1項において、「国又は地方公共団体が当事者である土地売買等契約については、第二十三条第一項の規定は、適用しない。」と明確に規定されています。本件では、乙県(地方公共団体)が所有する土地を買い受ける取引であるため、乙県が当事者となる契約に該当します。したがって、この取引については事後届出を行う必要はありません。よって、本記述は誤りです。 【選択肢3】誤。 国土利用計画法第27条の2第1項は、事後届出の提出先について定めています。原則として、「当該土地の所在地の市町村長を経由して行わなければならない」とされています。ただし、「指定都市の区域内に所在する土地に係る届出については、当該指定都市の長を経由して行わなければならない」という例外があります。本記述は「指定都市の区域以外に所在する土地」に関するものであり、この場合は原則通り「市町村の長を経由して」都道府県知事に届け出る必要があります。「市町村の長を経由しないで、直接都道府県知事に届け出なければならない」という点が誤りです。 【選択肢4】誤。 事後届出の対象となる土地の面積要件は、国土利用計画法施行令第27条で定められています。市街化区域内の土地の場合、2,000m²以上の取引が届出の対象となります。本件の土地は市街化区域内の2,500m²であるため、面積要件を満たしています。また、当事者が宅地建物取引業者であるか否かは、事後届出の義務の有無には影響しません(国や地方公共団体が当事者となる場合を除く)。宅地建物取引業者Cが購入する契約を締結した場合、Cは買主として事後届出を行う義務があります。したがって、「Cは事後届出を行う必要はない」という記述は誤りです。