宅建 平成29年度(2017年)問46 宅建業法 の解説

問題

独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 機構は、団体信用生命保険業務として、貸付けを受けた者が死亡した場合のみならず、重度障害となった場合においても、支払われる生命保険の保険金を当該貸付けに係る債務の弁済に充当することができる。
  2. 機構は、直接融資業務において、高齢者の死亡時に一括償還をする方法により貸付金の償還を受けるときは、当該貸付金の貸付けのために設定された抵当権の効力の及ぶ範囲を超えて、弁済の請求をしないことができる。
  3. 証券化支援業務 (買取型)に係る貸付金の利率は、貸付けに必要な資金の調達に係る金利その他の事情を勘案して機構が定めるため、どの金融機関においても同一の利率が適用される。
  4. 証券化支援業務 (買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金も含まれる。

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

正解は選択肢3です。独立行政法人住宅金融支援機構の証券化支援業務(買取型)における貸付金の利率は、機構が定める基準金利を基に各金融機関が独自に設定するため、どの金融機関においても同一の利率が適用されるわけではありません。この記述は、独立行政法人住宅金融支援機構法第19条第1項の趣旨に反するため、誤りとなります。

本問は、独立行政法人住宅金融支援機構法に関する知識を問うものです。特に以下の条文が根拠となります。 * **独立行政法人住宅金融支援機構法 第17条第2項**:高齢者向け返済特例制度における弁済請求の範囲について規定しています。 * **独立行政法人住宅金融支援機構法 第19条第1項**:証券化支援業務(買取型)の対象となる貸付債権の範囲や、利率の決定方法について規定しています。 * **独立行政法人住宅金融支援機構法 第23条第1項第1号**:団体信用生命保険業務の対象となる事由について規定しています。

【選択肢1】正。 独立行政法人住宅金融支援機構法第23条第1項第1号に明確に規定されている通り、機構の団体信用生命保険業務は、貸付けを受けた方が死亡した場合だけでなく、重度障害となった場合においても、支払われる生命保険の保険金を当該貸付けに係る債務の弁済に充当することができます。これは、住宅ローンを組んだ方が万が一の事態に陥った際に、残されたご家族の経済的負担を軽減し、安心して住み続けられるようにするための重要な制度です。死亡と重度障害の両方が対象となる点をしっかり押さえておきましょう。 【選択肢2】正。 独立行政法人住宅金融支援機構法第17条第2項に規定されている通り、機構が直接融資業務において、高齢者の死亡時に一括償還をする方法(いわゆる「高齢者向け返済特例制度」)により貸付金の償還を受ける場合、当該貸付金の貸付けのために設定された抵当権の効力の及ぶ範囲を超えて、弁済の請求をしないことができます。この制度は、高齢者が自宅を担保に生活資金を借り入れ、ご自身の死亡後にその自宅を売却して返済する仕組みです。相続人が過大な債務を負うことがないよう、抵当権の範囲内での弁済に限定されるという配慮がなされています。 【選択肢3】誤。 独立行政法人住宅金融支援機構法第19条第1項によれば、証券化支援業務(買取型)に係る貸付金の利率は、貸付けに必要な資金の調達に係る金利その他の事情を勘案して機構が定める、とされています。しかし、この「機構が定める利率」というのは、機構が金融機関から住宅ローンの債権を買い取る際の基準となる金利を指します。実際に金融機関がお客様(住宅購入者)に貸し付ける際の「店頭金利」は、各金融機関が独自の経営判断や市場金利、顧客のリスク評価などに基づいて設定します。そのため、どの金融機関においても同一の利率が適用されるわけではありません。各金融機関が競争原理の中で独自の金利を設定しているため、「同一の利率が適用される」という記述は誤りとなります。この点は、実務上の理解としても非常に重要です。 【選択肢4】正。 独立行政法人住宅金融支援機構法第19条第1項第1号に規定されている通り、証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金も含まれます。例えば、新築住宅の購入と同時に行うバリアフリー改修、省エネルギー改修、耐震改修などの費用も、この業務の対象となります。これにより、単に住宅を購入するだけでなく、より質の高い住宅を整備することを支援し、住環境の向上に貢献しています。付随する改良資金も対象となる点を覚えておきましょう。

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