宅建 平成28年度(2016年)問13 権利関係 の解説
問題
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 管理者は、集会において、毎年2回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
- 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
- 管理者は、自然人であるか法人であるかを問わないが、区分所有者でなければならない。
- 各共有者の共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、共有者数で等分することとされている。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。管理者は、規約に特別の定めがある場合に限り、共用部分を所有することができます(建物の区分所有等に関する法律第28条)。これは、共用部分を特定の者の所有とすることを認める規定であり、管理者もその「特定の者」に含まれ得ると解釈されます。
・**建物の区分所有等に関する法律 第28条(規約による共用部分の所有)** 「規約に特別の定めがあるときは、共用部分を特定の者の所有とすることができる。」 *補足説明:この条文は、原則として区分所有者全員の共有である共用部分について、例外的に規約で定めることにより、特定の個人や法人が単独で所有することを認めるものです。例えば、管理人室や集会室などを管理組合法人や特定の区分所有者、あるいは管理者が所有するケースがこれに該当します。* ・**建物の区分所有等に関する法律 第14条第1項(共用部分の持分の割合)** 「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」 *補足説明:共用部分の持分は、原則として専有部分の床面積の割合で決まります。これは、専有部分の広さに応じて共用部分の利用度や負担が異なると考えられるためです。* ・**建物の区分所有等に関する法律 第25条第1項(管理者の選任及び解任)** 「区分所有者は、規約により、管理者を選任し、又は解任することができる。」 *補足説明:管理者は、区分所有者の中から選ばれることもありますが、必ずしも区分所有者である必要はありません。外部の専門家や法人を管理者とすることも可能です。* ・**建物の区分所有等に関する法律 第43条(事務の報告)** 「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。」 *補足説明:管理者の事務報告は、区分所有者の権利義務に影響を与える重要な事項であるため、年に一度、集会で報告することが義務付けられています。*
【選択肢1】誤。 建物の区分所有等に関する法律第43条は、「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。」と定めています。本選択肢では「毎年2回」とありますが、これは「毎年1回」が正しい記述です。管理者の事務報告は、区分所有者の権利義務に影響を与える重要な事項であるため、年に一度、集会で報告することが義務付けられています。 【選択肢2】正。 建物の区分所有等に関する法律第28条は、「規約に特別の定めがあるときは、共用部分を特定の者の所有とすることができる。」と規定しています。この「特定の者」には、管理者も含まれると解釈されます。例えば、管理組合法人(同法第47条)が共用部分を所有するケースや、規約で定めれば個人である管理者が特定の共用部分(例:管理人室)を所有することも可能です。したがって、規約に特別の定めがあれば、管理者が共用部分を所有することはできます。 【選択肢3】誤。 建物の区分所有等に関する法律第25条第1項は、管理者の選任について定めていますが、管理者が区分所有者でなければならないという要件は設けていません。管理者は、区分所有者であるか否かを問わず、自然人でも法人でもなることができます。外部の専門家(弁護士、マンション管理士など)やマンション管理会社などの法人が管理者となるケースも多く、これはマンション管理の専門化・効率化の観点からも認められています。 【選択肢4】誤。 建物の区分所有等に関する法律第14条第1項は、「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」と定めています。共用部分の持分は、原則として専有部分の床面積の割合によって決まり、規約で別段の定めをしない限り、この原則が適用されます。本選択肢のように「共有者数で等分」されるわけではありません。専有部分の広さに応じて共用部分の利用度や負担が異なると考えられるため、床面積の割合が基準とされています。