宅建 平成26年度(2014年)問37 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B (共に消費税課税事業者)が受け取る報酬に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア Aが居住用建物の貸借の媒介をするに当たり、依頼者からの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき、Aは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額を請求できる。 イ Aは売主から代理の依頼を受け、Bは買主から媒介の依頼を受けて、代金4,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から272万1,600円、Bは買主から136万800円の報酬をそれぞれ受けることができる。 ウ Aは貸主から、Bは借主から、それぞれ媒介の依頼を受けて、共同して居住用建物の賃貸借契約を成立させた場合、貸主及び借主の承諾を得ていれば、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1.08か月分の報酬を受けることができる。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。提示された記述ア、イ、ウはすべて宅地建物取引業法に定める報酬額の制限や請求要件に違反するため、正しい記述は一つもありません。特に、報酬額の計算では消費税を含めた上限額を正確に把握し、代理の場合や共同媒介の場合の合計額制限に注意が必要です。

宅地建物取引業法第46条(報酬)、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は賃貸の媒介等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号、以下「報酬額告示」という。)第1、第4、第9。

【ア】誤。宅地建物取引業法第46条第2項および報酬額告示第9によれば、宅地建物取引業者が報酬とは別に広告料金などの実費を請求できるのは、依頼者の依頼に基づいて広告を行った場合に限られます。依頼者の依頼に基づかない広告費用は、宅地建物取引業者が自己の営業努力として負担すべきものであり、報酬の範囲内でまかなうべきとされています。本記述では「依頼者からの依頼に基づくことなく広告をした場合」とあるため、その広告が契約成立に寄与したとしても、報酬とは別に広告料金を請求することはできません。 【イ】誤。売買の報酬額は、宅地建物取引業法第46条および報酬額告示第1に基づき計算されます。代金4,000万円(税抜)の宅地の売買媒介における報酬上限額(消費税10%込)は、(4,000万円 × 3% + 6万円) × 1.10 = 126万円 × 1.10 = 138万6,000円です。 Aは売主の代理業者であり、代理の場合、依頼者一人から受け取れる報酬は媒介の場合の2倍が上限となります。したがって、Aが売主から受け取れる報酬の上限は138万6,000円 × 2 = 277万2,000円です。提示された272万1,600円はこの上限内です。 Bは買主の媒介業者であり、買主から受け取れる報酬の上限は138万6,000円です。提示された136万800円はこの上限内です。 しかし、重要なのは、AとBが共同して契約を成立させている点です。宅地建物取引業法では、売主と買主双方から受け取れる報酬の合計額は、媒介の場合の報酬上限額の2倍(つまり、138万6,000円 × 2 = 277万2,000円)を超えてはならないとされています。本記述では、Aが272万1,600円、Bが136万800円を受け取るため、合計額は272万1,600円 + 136万800円 = 408万2,400円となります。これは上限である277万2,000円を大幅に超えているため、この報酬額は宅建業法に違反します。 【ウ】誤。居住用建物の賃貸借の媒介報酬は、宅地建物取引業法第46条および報酬額告示第4に基づき計算されます。居住用建物の賃貸借の媒介において、貸主と借主双方から受け取れる報酬の合計額は、借賃の1か月分(消費税別)が上限とされています。消費税10%を加算すると、借賃の1か月分 × 1.10 = 1.1か月分が上限となります。 この上限額は、原則として貸主と借主からそれぞれ0.55か月分ずつ受け取るのが一般的です。ただし、依頼者の一方から承諾を得た場合は、その一方から1.1か月分全額を受け取ることも可能です。しかし、本記述では、Aが貸主から借賃の1.08か月分、Bが借主から借賃の1.08か月分を受け取るとされており、その合計は1.08か月分 + 1.08か月分 = 2.16か月分となります。これは、上限である1.1か月分を大幅に超えているため、宅建業法に違反します。貸主と借主双方の承諾があったとしても、合計額の上限を超えることはできません。

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