宅建 平成25年度(2013年)問47 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示 防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 新築分譲マンションの販売広告で完成予想図により周囲の状況を表示する場合、完成予想 図である旨及び周囲の状況はイメージであり実際とは異なる旨を表示すれば、実際に所在し ない箇所に商業施設を表示するなど現況と異なる表示をしてもよい。
- 宅地の販売広告における地目の表示は、登記簿に記載されている地目と現況の地目が異な る場合には、登記簿上の地目のみを表示すればよい。
- 住戸により管理費が異なる分譲マンションの販売広告を行う場合、全ての住戸の管理費を 示すことが広告スペースの関係で困難なときには、1住戸当たりの月額の最低額及び最高額 を表示すればよい。
- 完成後8か月しか経過していない分譲住宅については、入居の有無にかかわらず新築分譲 住宅と表示してもよい。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条第1項第11号により、住戸ごとに管理費が異なる場合は、最低額と最高額を表示することで足りると明確に規定されています。これは、消費者に誤解を与えず、かつ広告の現実的な制約も考慮した合理的なルールです。
本問の根拠となるのは、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、そしてその下位規則である「不動産の表示に関する公正競争規約」および「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」です。景品表示法は、消費者が商品やサービスを適切に選択できるよう、不当な表示を規制する法律であり、不動産の公正競争規約は、不動産取引における具体的な表示ルールを定めています。特に、**不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条(表示基準)**は、広告表示に関する詳細なルールを定めており、宅建試験では頻出の条文です。この条文をしっかり理解することが、正確な判断に繋がります。
【選択肢1】誤。新築分譲マンションの販売広告で完成予想図により周囲の状況を表示する場合、完成予想図である旨やイメージである旨を表示したとしても、**実際に所在しない商業施設を表示するなど、現況と異なる虚偽の表示をすることは許されません**。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条第1項第1号は「物件の周辺の施設、環境等を表示するときは、その内容を正確に表示すること。」と定めており、同条第2項第1号は完成予想図等について「実際のものと異なる場合は、その旨及びその内容を具体的に明示すること」と定めていますが、これはあくまで「異なる点」を明示するものであり、存在しないものをあたかも存在するかのように表示する「虚偽表示」を許容するものではありません。消費者に誤解を与えるような表示は、景品表示法で禁止される不当表示に該当します。 【選択肢2】誤。宅地の販売広告における地目の表示は、登記簿に記載されている地目と現況の地目が異なる場合には、**登記簿上の地目と現況の地目の両方を表示し、その旨及びその内容を明示する必要があります**。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条第1項第2号は「土地の地目、地積等を表示するときは、登記簿に記載されている事項と現況が異なる場合は、その旨及びその内容を明示すること。」と明確に規定しています。登記簿上の情報だけでなく、現況も消費者の判断に重要な要素となるため、両方を正確に伝えることが求められます。 【選択肢3】正。住戸により管理費が異なる分譲マンションの販売広告を行う場合、全ての住戸の管理費を示すことが広告スペースの関係で困難なときには、**1住戸当たりの月額の最低額及び最高額を表示すればよい**とされています。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条第1項第11号は「管理費、修繕積立金等を表示するときは、その額を明示すること。ただし、住戸により管理費、修繕積立金等が異なる場合は、その最低額及び最高額を表示することをもって足りる。」と規定しています。これにより、消費者は管理費の範囲を把握でき、不当な表示とはなりません。 【選択肢4】誤。完成後8か月しか経過していない分譲住宅であっても、**入居の有無にかかわらず新築分譲住宅と表示できるわけではありません**。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条第1項第1号の2イは、「新築である旨を表示するとき」の条件として、「建築工事完了後1年未満であり、かつ、**居住の用に供されたことがないもの**」と定めています。したがって、完成後8か月という期間は満たしていても、一度でも居住の用に供されていれば「新築」とは表示できません。この「居住の用に供されたことがない」という条件が非常に重要です。