宅建 平成25年度(2013年)問33 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、自ら売主として分譲マンションの売買を行う場合、管理組合の総会 の議決権に関する事項について、管理規約を添付して説明しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、分譲マンションの売買の媒介を行う場合、建物の区分所有等に関す る法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約の定めが案の段階であっても、その案 の内容を説明しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、マンションの1戸の貸借の媒介を行う場合、建築基準法に規定する 容積率及び建ぺい率に関する制限があるときは、その制限内容を説明しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、マンションの1戸の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に授受される 金銭の定めがあるときは、その金銭の額、授受の目的及び保管方法を説明しなければならな い。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。宅地建物取引業法第35条および同法施行規則に基づき、区分所有建物(マンション)の売買においては、管理規約の内容が買主の意思決定に極めて重要であるため、たとえ「案」の段階であっても、その内容を説明する義務があります。他の選択肢は、重要事項説明の具体的な内容や範囲、添付義務の有無に関する誤りを含んでいます。
【宅地建物取引業法第35条第1項】 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、買主若しくは借主となろうとする者に対し、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関する次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(以下「重要事項説明書」という。)を交付して説明をさせなければならない。 【宅地建物取引業法第35条第1項第6号】 当該宅地又は建物が区分所有建物であるときは、建物の区分所有等に関する法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容。 【宅地建物取引業法施行規則第16条の2第3号イ】 法第35条第1項第6号の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 イ 当該宅地又は建物が区分所有建物であるときは、建物の区分所有等に関する法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容。 【補足説明】 宅建業法第35条は、契約締結前に買主や借主が契約内容を十分に理解し、納得して契約を結べるようにするための非常に重要な規定です。特に区分所有建物の場合、管理規約は建物の利用方法や費用負担に直結するため、その内容(案を含む)は必ず説明しなければなりません。
【選択肢1】誤。 宅地建物取引業者は、自ら売主として分譲マンションの売買を行う場合、管理組合の総会の議決権に関する事項(これは管理規約の内容の一部です)について説明する義務があります(宅建業法第35条第1項第6号、施行規則第16条の2第3号イ)。しかし、重要事項説明書に「管理規約を添付して説明しなければならない」という義務はありません。説明書に内容を記載し、口頭で説明すれば足り、添付は義務付けられていません。添付は実務上行われることもありますが、法律上の義務ではないため、この記述は誤りです。 【選択肢2】正。 宅地建物取引業者は、分譲マンションの売買の媒介を行う場合、建物の区分所有等に関する法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約の定めについて説明する義務があります。この際、規約がまだ正式に成立しておらず「案の段階」であっても、その内容を説明しなければなりません(宅建業法第35条第1項第6号、施行規則第16条の2第3号イ)。これは、買主が将来の管理運営や費用負担について判断する上で、規約の案であっても重要な情報となるためです。買主が契約締結の判断をする上で必要な情報は、確定していなくても説明の対象となります。 【選択肢3】誤。 宅地建物取引業者は、マンションの1戸の貸借(賃貸借)の媒介を行う場合、建築基準法に規定する容積率及び建ぺい率に関する制限があるとしても、その制限内容を説明する義務はありません。宅建業法第35条第1項第1号では、都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で「契約内容に影響を及ぼすもの」を説明事項としていますが、容積率や建ぺい率は建物の建築や再建築に関する制限であり、賃借人が建物を借りて利用する上では直接的な影響がありません。これらの制限は主に売買や交換の際に説明が必要となる事項であり、賃貸借契約においては重要事項説明の対象外です。 【選択肢4】誤。 宅地建物取引業者は、マンションの1戸の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に授受される金銭(敷金、礼金、保証金など)の定めがあるときは、その金銭の額及び授受の目的を説明しなければなりません(宅建業法第35条第1項第2号)。しかし、「保管方法」については、宅建業法第35条に規定される重要事項説明事項には含まれていません。説明義務があるのは、金銭の「額」と「授受の目的」までであり、その金銭がどのように保管されるかまでは説明義務の範囲外です。