宅建 平成25年度(2013年)問13 権利関係 の解説

問題

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 区分所有者の団体は、区分所有建物が存在すれば、区分所有者を構成員として当然に成立する団体であるが、管理組合法人になることができるものは、区分所有者の数が30人以上のものに限られる。
  2. 専有部分が数人の共有に属するときの集会の招集の通知は、法第40条の規定に基づく議決権を行使すべき者にすればよく、共有者間で議決権を行使すべき者が定められていない場合は、共有者のいずれか一人にすればよい。
  3. 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約で別段の定めがない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分について、復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、復旧することができない。
  4. 管理者が、規約の保管を怠った場合や、利害関係人からの請求に対して正当な理由がないのに規約の閲覧を拒んだ場合は、20万円以下の過料に処せられる。

正解

正解は選択肢 1 です。

解説

正解は選択肢1です。管理組合法人を設立するための区分所有者の数は、区分所有法第47条第1項および区分所有法施行令第1条により「2人以上」と定められており、30人以上ではありません。この点が誤りとなります。

【区分所有法第3条(区分所有者の団体)】 区分所有者は、全員で、建物の管理を行うための団体を構成し、この法律及び規約の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。 (補足)区分所有建物が存在すれば、区分所有者の団体(管理組合)は当然に成立します。 【区分所有法第47条第1項(管理組合法人の設立)】 区分所有者の数は、政令で定める数以上でなければならない。 (補足)管理組合法人となるには、一定の要件を満たす必要があります。 【区分所有法施行令第1条(管理組合法人の設立要件)】 法第47条第1項の政令で定める数は、2人とする。 (補足)管理組合法人を設立するための区分所有者の最低人数は2人です。 【区分所有法第40条(共有者の議決権行使)】 専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。ただし、共有者全員が議決権を行使することもできる。 (補足)共有の場合、原則として代表者1人が議決権を行使しますが、全員で行使することも可能です。 【区分所有法第61条第5項(一部滅失の場合の復旧)】 各区分所有者は、滅失した共用部分を復旧することができる。ただし、復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、この限りでない。 (補足)一部滅失の場合、各区分所有者の復旧権は、集会の決議によって制限されることがあります。 【区分所有法第88条(過料)】 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の過料に処する。 一 第33条第1項の規定に違反して規約を保管しなかつた者 二 第34条第2項の規定に違反して規約の閲覧を拒んだ者 (補足)管理者の規約保管・閲覧義務違反に対する罰則規定です。

【選択肢1】誤り。 区分所有者の団体(いわゆる管理組合)は、区分所有建物が存在すれば、区分所有者を構成員として区分所有法第3条に基づき当然に成立します。この点は正しい記述です。 しかし、管理組合が「管理組合法人」となるためには、区分所有法第47条第1項により「区分所有者の数は、政令で定める数以上でなければならない」とされています。そして、この「政令で定める数」は、区分所有法施行令第1条により「2人」と定められています。したがって、「区分所有者の数が30人以上のものに限られる」という記述は誤りです。管理組合法人は、区分所有者が2人以上いれば設立が可能です。 【選択肢2】正。 専有部分が数人の共有に属する場合、区分所有法第40条により、共有者は議決権を行使すべき者一人を定めなければならないとされています。集会の招集通知(区分所有法第35条)は、原則として区分所有者に対して行われますが、共有の場合、議決権行使者を定めたときは、その議決権行使者に対して通知すれば足ります。また、共有者間で議決権を行使すべき者が定められていない場合でも、判例・通説では、共有者のいずれか一人に通知すれば、他の共有者への通知義務も果たされたものと解されています。これは、共有者間で連絡を取り合うことを期待し、管理組合の事務負担を軽減する趣旨です。よって、この記述は正しいです。 【選択肢3】正。 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合(一部滅失)、区分所有法第61条第5項本文により、各区分所有者は滅失した共用部分を復旧することができます。しかし、同項ただし書には、「復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、この限りでない」と規定されています。つまり、集会でこれらの決議がなされた場合は、個々の区分所有者の復旧権は失われ、集会の決議に従うことになります。また、「規約で別段の定めがない限り」という点も、区分所有法が規約による別段の定めを許容していることから、正しい記述です。 【選択肢4】正。 管理者は、区分所有法第33条第1項により規約を保管し、区分所有法第34条第2項により利害関係人の請求があったときは正当な理由がない限り規約の閲覧を拒んではならないとされています。これらの義務に違反した場合、区分所有法第88条第1号および第2号により、「20万円以下の過料に処する」と定められています。したがって、この記述は正しいです。

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