宅建 平成23年度(2011年)問44 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業法の規定に基づく監督処分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 国土交通大臣は、すべての宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要な指導、助言及び勧告をすることができる。
- 国土交通大臣又は都道府県知事は、宅地建物取引業者に対し、業務の停止を命じ、又は必要な指示をしようとするときは聴聞を行わなければならない。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法に違反した場合に限り、監督処分の対象となる。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法第15条に規定する専任の取引主任者の設置要件を欠くこととなった場合、2週間以内に当該要件を満たす措置を執らなければ監督処分の対象となる。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。宅地建物取引業者が監督処分の対象となるのは、宅地建物取引業法に違反した場合に限られません。例えば、「不正又は著しく不当な行為」をした場合や、宅建業法に基づく「命令に違反」した場合も監督処分の対象となるため、当該記述は誤りです。これは宅建業法第65条や第66条に具体的に規定されています。
・宅地建物取引業法 第65条(業務停止処分):宅地建物取引業者が宅地建物取引業法に違反した場合だけでなく、「不正又は著しく不当な行為」をした場合も業務停止処分の対象となることを規定しています。 ・宅地建物取引業法 第66条(免許取消処分):宅地建物取引業者が宅地建物取引業法に違反した場合だけでなく、「不正又は著しく不当な行為」をした場合や、「この法律の規定に基づく命令に違反」した場合も免許取消処分の対象となることを規定しています。 ・宅地建物取引業法 第70条(指示処分):宅地建物取引業者が宅地建物取引業法に違反した場合だけでなく、「不正又は著しく不当な行為」をした場合も指示処分の対象となることを規定しています。 ・宅地建物取引業法 第71条(指導等):国土交通大臣または都道府県知事が、宅地建物取引業者に対し、指導、助言、勧告ができることを規定しています。 ・宅地建物取引業法 第69条(聴聞等):業務停止処分や指示処分を行う際には、聴聞を行わなければならないことを規定しています。 ・宅地建物取引業法 第15条(宅地建物取引士の設置):事務所等に専任の宅地建物取引士を設置する義務、および要件を欠いた場合の2週間以内の措置義務を規定しています。
【選択肢1】正。 宅地建物取引業法第71条は、国土交通大臣(及び都道府県知事)が、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため、宅地建物取引業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができると定めています。これは、監督処分とは異なり、より広範な行政指導の権限であり、すべての宅地建物取引業者が対象となります。この条文は、宅建業の健全な発展を促すための重要な規定です。 【選択肢2】正。 宅地建物取引業法第69条は、国土交通大臣又は都道府県知事が、業務停止処分(第65条)や指示処分(第70条)を行おうとするときは、行政手続法に基づき「聴聞」を行わなければならないと定めています。聴聞とは、行政庁が不利益処分を行う前に、当事者(この場合は宅地建物取引業者)に意見を述べ、証拠を提出する機会を与える手続きのことです。これは、業者にとって不利益な処分であるため、事前に弁明の機会を与えることで、適正な行政手続を保障するための重要な規定です。 【選択肢3】誤。 宅地建物取引業者が監督処分の対象となるのは、宅地建物取引業法に違反した場合に限りません。例えば、宅地建物取引業法第65条第2項第2号や第66条第1項第9号では、「宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき」も業務停止処分や免許取消処分の対象となると規定されています。ここでいう「不正又は著しく不当な行為」とは、必ずしも宅建業法に明記された条文違反とは限らず、社会通念上許されない行為全般を指します。また、第66条第1項第8号では「この法律の規定に基づく命令に違反したとき」も免許取消処分の対象となります。これらの行為は、必ずしも宅建業法そのものへの違反ではないため、「宅地建物取引業法に違反した場合に限り」という記述は誤りです。 【選択肢4】正。 宅地建物取引業法第15条第3項は、事務所等に専任の宅地建物取引士を設置する義務を定めています。そして、同条第4項では、この専任の宅地建物取引士が何らかの理由で要件を欠くこととなった場合、宅地建物取引業者は「2週間以内」にその要件を満たすための必要な措置(例えば、新たな専任の宅地建物取引士を設置するなど)を執らなければならないと規定しています。この2週間以内に措置を執らない場合、宅地建物取引業法第65条第1項第2号に該当し、指示処分や業務停止処分の対象となります。この「2週間以内」という期間は、試験でよく問われるポイントなので、しっかり覚えておきましょう。