宅建 平成23年度(2011年)問43 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとするときは、当該保証協会に弁済業務保証金分担金を金銭又は有価証券で納付することができるが、保証協会が弁済業務保証金を供託所に供託するときは、金銭でしなければならない。
- 保証協会は、宅地建物取引業の業務に従事し、又は、従事しようとする者に対する研修を行わなければならないが、取引主任者については、法第22条の2の規定に基づき都道府県知事が指定する講習をもって代えることができる。
- 保証協会に加入している宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、甲県の区域内に新たに支店を設置する場合、その日までに当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。
- 保証協会は、弁済業務保証金から生ずる利息又は配当金、及び、弁済業務保証金準備金を弁済業務保証金の供託に充てた後に社員から納付された還付充当金は、いずれも弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。
正解
正解は選択肢 4 です。
解説
正解は選択肢4です。保証協会は、弁済業務保証金から生じる利息や配当金、および弁済業務保証金準備金を供託に充てた後に社員から納付された還付充当金を、いずれも弁済業務保証金準備金に繰り入れる義務があります。これは宅地建物取引業法第64条の11第1項および第2項に明確に規定されており、保証協会の財務健全性を保つための重要なルールです。
宅地建物取引業法 * **第64条の9第2項(弁済業務保証金分担金の納付方法)**: 弁済業務保証金分担金は、金銭で納付しなければならない。 * **第64条の10第2項(弁済業務保証金の供託方法)**: 弁済業務保証金は、金銭又は国土交通省令で定める有価証券で供託することができる。 * **第64条の9第3項(追加の弁済業務保証金分担金の納付期限)**: 社員は、事務所を新たに設置したときは、その日から2週間以内に、追加の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。 * **第64条の15第1項第2号(社員の除名事由)**: 保証協会は、社員が弁済業務保証金分担金を追加納付すべき事由が生じた日から2週間以内にその納付をしないときは、その社員をその保証協会から除名することができる。 * **第64条の11第1項(利息等の弁済業務保証金準備金への繰入れ)**: 保証協会は、弁済業務保証金から生ずる利息又は配当金は、弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。 * **第64条の11第2項(還付充当金の弁済業務保証金準備金への繰入れ)**: 保証協会は、弁済業務保証金準備金を弁済業務保証金の供託に充てた後に社員から納付された還付充当金は、弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。 * **第64条の12第1項第2号(保証協会の業務)**: 保証協会は、宅地建物取引業の業務に従事し、又は従事しようとする者に対する研修を行うこと。
【選択肢1】誤り。 宅地建物取引業者が保証協会に加入する際に納付する弁済業務保証金分担金は、宅地建物取引業法第64条の9第2項により「金銭で」納付しなければなりません。有価証券での納付は認められていません。一方、保証協会が供託所に弁済業務保証金を供託する際は、同法第64条の10第2項により「金銭又は国土交通省令で定める有価証券で」供託することができます。したがって、記述は両方の点で誤っています。特に、業者が協会に納める分担金は金銭のみ、協会が供託所に供託する保証金は金銭または有価証券、という違いをしっかり押さえておきましょう。 【選択肢2】誤り。 保証協会が宅地建物取引業の業務に従事する者等に対して研修を行う義務があることは、宅地建物取引業法第64条の12第1項第2号に規定されており、これは正しい記述です。しかし、「取引主任者については、法第22条の2の規定に基づき都道府県知事が指定する講習をもって代えることができる」という部分は誤りです。法第22条の2に規定されているのは、宅地建物取引士証の交付(更新)に必要な法定講習であり、これは宅地建物取引士の資格維持のためのものです。保証協会が行う研修は、社員である宅地建物取引業者やその従業者全般を対象としたものであり、目的も対象も異なります。法定講習が保証協会の研修義務を代替することはありません。 【選択肢3】誤り。 保証協会に加入している宅地建物取引業者が新たに支店を設置した場合、追加の弁済業務保証金分担金を納付する義務が生じますが、その期限は「その日までに」ではなく、宅地建物取引業法第64条の9第3項により「その日から2週間以内」です。また、この期限までに納付しない場合の効果は「社員の地位を失う」とありますが、これも誤りです。同法第64条の15第1項第2号によれば、保証協会は、期限内に納付しない社員を「除名することができる」とされており、直ちに社員の地位を失うわけではありません。除名処分は保証協会の判断によるものであり、自動的に地位を失うわけではない点に注意が必要です。 【選択肢4】正。 この選択肢は、宅地建物取引業法第64条の11第1項および第2項の規定に合致しており、正しい記述です。同条第1項では、保証協会は弁済業務保証金から生じる利息や配当金を「弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない」と定めています。また、同条第2項では、弁済業務保証金準備金を弁済業務保証金の供託に充てた後に社員から納付された還付充当金も「弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない」と規定しています。これらの規定は、弁済業務保証金制度の安定的な運用と、保証協会の財務基盤を強化するために設けられています。したがって、本選択肢の記述はすべて正しいです。