宅建 平成23年度(2011年)問24 税・その他 の解説

問題

固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 固定資産税の納税者は、減免申請に対する不許可処分の不服申立てに対して固定資産評価審査委員会が行った却下決定に不服があるときは、その取消しの訴えを提起することができる。
  2. 市町村長は、不動産鑑定士又は不動産鑑定士補に当該市町村所在の固定資産の状況を毎年少なくとも一回実地に調査させなければならない。
  3. 家屋について賃借権を有する者は、固定資産課税台帳のうち当該権利の目的である家屋の敷地である土地について記載された部分を閲覧することができる。
  4. 市町村は、独立行政法人に対しては、固定資産税を課することができない。

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

正解は選択肢3です。家屋について賃借権を有する者は、その権利の目的である家屋だけでなく、その敷地である土地についても固定資産課税台帳の閲覧が認められています(地方税法第382条の2第1項第6号、第2項)。これは、賃借権が家屋の利用に不可欠な敷地の使用権を伴うためです。

【地方税法第382条の2(固定資産課税台帳の閲覧)】 * **第1項第6号:** 土地又は家屋について賃借権その他の使用又は収益を目的とする権利を有する者は、固定資産課税台帳のうち当該権利の目的である土地又は家屋について記載された部分を閲覧することができる。 * **第2項:** 前項第6号に規定する者は、当該権利の目的である土地又は家屋について記載された部分に限って閲覧することができる。 (補足説明):この条文は、固定資産税の納税義務者以外にも、固定資産に利害関係を持つ者が、その利害関係の範囲内で課税台帳を閲覧できることを定めています。賃借権者は、その権利の対象となる固定資産の情報を確認する権利がある、という趣旨です。

【選択肢1】誤。固定資産評価審査委員会は、固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服申立てのみを審査する機関です(地方税法第432条第1項)。減免申請に対する不許可処分は、価格に関する不服ではなく、市町村長の行政処分であるため、固定資産評価審査委員会の審査対象外です。この処分に対する不服は、行政不服審査法に基づく審査請求(市町村長等へ)を経て、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を提起することになります。したがって、審査委員会が行った却下決定に対して取消しの訴えを提起することはできません。 【選択肢2】誤。市町村長は、固定資産の評価に関する事務を処理するため、固定資産評価員及び固定資産評価補助員を置くこととされており(地方税法第388条第1項)、これらの評価員が実地調査を行うことができます(地方税法第389条第2項)。不動産鑑定士等に鑑定評価を求めることができる規定はありますが(地方税法第404条)、これは「毎年少なくとも一回実地に調査させなければならない」という義務ではありません。また、調査の主体は評価員であり、不動産鑑定士等に限定されているわけではありません。 【選択肢3】正。地方税法第382条の2第1項第6号及び第2項により、家屋について賃借権を有する者は、固定資産課税台帳のうち、当該権利の目的である家屋だけでなく、その家屋の敷地である土地について記載された部分も閲覧することができます。家屋の賃借権は、通常、その家屋が建つ敷地の使用権を伴うため、敷地に関する情報も閲覧対象に含まれると解釈されます。 【選択肢4】誤。国、都道府県、市町村等が所有する固定資産は非課税とされていますが(地方税法第348条第2項)、独立行政法人は原則としてこの非課税の対象には含まれません。一部の独立行政法人については、個別の法律で固定資産税の非課税措置が講じられている場合がありますが、すべての独立行政法人に対して一律に固定資産税を課することができないわけではありません。課税される独立行政法人も存在するため、「課することができない」という断定は誤りです。

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