宅建 平成23年度(2011年)問21 法令上の制限 の解説
問題
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。
- 公共施設の用に供している宅地に対しては、換地計画において、その位置、地積等に特別の考慮を払い、換地を定めることができる。
- 区画整理会社が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
- 個人施行者は、換地処分を行う前において、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある行為の許可権者は、土地区画整理組合ではなく、都道府県知事等(市町村長、国土交通大臣)です。この点は土地区画整理法第76条に明確に定められており、試験で頻出のひっかけポイントとなります。
【土地区画整理法第76条(建築行為等の制限)】 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築その他政令で定める行為を行おうとする者は、都道府県知事(市町村が施行する土地区画整理事業の施行地区内においては市町村長、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業の施行地区内においては国土交通大臣)の許可を受けなければならない。 【補足説明】 この条文は、土地区画整理事業が円滑に進むよう、事業期間中に勝手に土地の形状を変えたり、建物を建てたりすることを制限するものです。重要なのは、その許可を出すのが「都道府県知事等」であり、事業の施行者である「土地区画整理組合」ではないという点です。これは、事業の公平性や広域的な調整の観点から、行政機関が許可権者とされているためです。
【選択肢1】誤。 この選択肢は、土地区画整理事業の施行期間中における土地の形質の変更等の制限に関する記述です。土地区画整理法第76条によれば、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更等を行おうとする者は、**都道府県知事等(市町村長、国土交通大臣)の許可**を受けなければなりません。選択肢では「当該土地区画整理組合の許可」とありますが、これは誤りです。施行者である組合が自らの事業に影響する行為を許可するのではなく、より広範な行政的視点から都道府県知事等が許可権者とされています。この許可権者の違いは、試験でよく問われるポイントですので、しっかりと覚えておきましょう。 【選択肢2】正。 この選択肢は、公共施設の用に供している宅地に対する換地計画の特例に関する記述です。土地区画整理法第90条第1項において、「公共施設の用に供している宅地に対しては、換地計画において、その位置、地積等に特別の考慮を払い、換地を定めることができる」と規定されています。これは、道路や公園、学校などの公共施設は、その機能上、特定の場所に配置される必要があり、また、その利用目的も特殊であるため、一般的な宅地と同じ基準で換地を定めることが適切ではない場合があるからです。事業の公益性を確保するための重要な規定です。 【選択肢3】正。 この選択肢は、保留地に関する記述です。土地区画整理法第96条第1項において、換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、または規約、定款若しくは事業計画で定める目的のために、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができると規定されています。区画整理会社も土地区画整理事業の施行者の一つであり(法第3条第4項)、他の施行者と同様に、事業費の捻出や特定の目的のために保留地を定めることが可能です。保留地の売却益が事業費に充てられることで、事業の財源が確保されます。 【選択肢4】正。 この選択肢は、仮換地の指定に関する記述です。土地区画整理法第98条第1項において、施行者は、換地処分を行う前において、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができると規定されています。個人施行者も施行者の一種(法第3条第1項)ですので、この規定に基づき仮換地を指定することができます。仮換地は、換地処分が行われるまでの間、従前の宅地に代わって使用収益できる土地であり、事業の円滑な進行と、従前の宅地所有者の生活・事業活動の継続を可能にする重要な制度です。