宅建 平成23年度(2011年)問14 民法 の解説

問題

不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記は、することができない。
  2. 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。
  3. 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。
  4. 仮登記の抹消は、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。仮登記の抹消は、原則として仮登記の登記名義人が単独で申請することができ、共同申請が必須ではありません(不動産登記法第118条第1項)。これは、仮登記が本登記に比べて簡易な手続きであり、その抹消も柔軟な対応が認められているためです。

・**不動産登記法第41条(合筆の制限)**:合筆の登記ができない場合を規定しており、所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆は、所有権の登記名義人の同一性を欠くためできないと解されます。 ・**不動産登記法第66条(権利の変更の登記等の付記登記)**:権利の変更・更正登記は、利害関係を有する第三者の承諾がある場合、または第三者がいない場合に付記登記によってすることができると規定しています。 ・**信託法第7条第1項(受益者又は委託者による信託の登記の申請)**:受託者が信託の登記をしない場合、受益者又は委託者が自己の権利を保全するため必要があるときに、受託者に代わって、信託の登記を申請できると規定しています。 ・**不動産登記法第118条第1項・第2項(仮登記の抹消)**:仮登記の抹消は、仮登記の登記名義人が単独で申請できること、または仮登記名義人の承諾を得て利害関係人が単独で申請できることを規定しています。

【選択肢1】正。所有権の登記がない土地(未登記地)と所有権の登記がある土地(登記済地)は、合筆の登記をすることができません。不動産登記法第41条第4号は、所有権の登記がある土地については、合筆後の土地の所有権の登記名義人が異なる場合には合筆できないと定めています。未登記地と登記済地では、所有権の登記名義人の同一性が確保できないため、合筆は認められません。これは、登記記録の正確性と整合性を保つための重要な制限です。 【選択肢2】正。権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合には、その第三者の承諾があるときに限り、付記登記によってすることができます(不動産登記法第66条)。また、登記上の利害関係を有する第三者がいない場合には、当然に付記登記によってすることができます。付記登記は、主登記と一体となって効力を生じ、その順位を主登記の順位によるものとするため、利害関係人の保護が図られています。 【選択肢3】正。信託の登記は、原則として受託者が単独で申請しますが(不動産登記法第98条第2項)、信託法第7条第1項により、受益者又は委託者は、受託者が信託の登記をしない場合において、自己の権利を保全するため必要があるときは、受託者に代わって、当該信託の登記を申請することができます。これは、信託財産の公示を確保し、受益者や委託者の権利を保護するための特例的な規定です。 【選択肢4】誤。仮登記の抹消は、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない、という記述は誤りです。不動産登記法第118条第1項は、仮登記の抹消は、仮登記の登記名義人が単独で申請することができると定めています。また、同条第2項により、仮登記の登記名義人の承諾があるときは、当該仮登記に係る権利によって不利益を受ける登記名義人も、単独で当該仮登記の抹消を申請することができます。仮登記は本登記に比べて簡易な手続きであり、その抹消も柔軟な方法が認められています。

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