宅建 平成22年度(2010年)問50 宅建業法 の解説
問題
建築物の構造と材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- 常温において鉄筋と普通コンクリートの熱膨張率は、ほぼ等しい。
- コンクリートの引張強度は、圧縮強度より大きい。
- 木材の強度は、含水率が大きい状態のほうが小さくなる。
- 集成材は、単板などを積層したもので、大規模な木造建築物に使用される。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。コンクリートは圧縮力には非常に強い材料ですが、引張力には極めて弱いという特性を持っています。そのため、コンクリートの引張強度は圧縮強度よりもはるかに小さく、選択肢の記述は不適当です。この知識は、宅建試験の「法令上の制限」や「その他」の分野で問われる建築物の構造に関する基礎知識として重要です。
本問は、特定の条文や判例に直接基づくものではなく、宅地建物取引士試験の出題範囲である「法令上の制限」や「その他」の分野に含まれる、建築物の構造と材料に関する一般的な工学的知識を問うものです。建築基準法には構造計算の基準などが定められていますが、材料の具体的な強度比率を直接規定する条文はありません。しかし、建築物の安全性を理解する上で不可欠な基礎知識として、出題されることがあります。
【選択肢1】正。常温において鉄筋と普通コンクリートの熱膨張率は、ほぼ等しい。これは鉄筋コンクリート構造の非常に重要な特性です。もし熱膨張率が大きく異なると、温度変化によって鉄筋とコンクリートの間にずれやひび割れが生じ、一体性が損なわれてしまいます。両者の熱膨張率がほぼ等しいため、温度変化に対しても一体となって挙動し、安定した構造体として機能することができます。 【選択肢2】誤。コンクリートの引張強度は、圧縮強度より大きい。これは誤りです。コンクリートは圧縮力に対しては非常に強い材料ですが、引張力に対しては極めて弱いという特性を持っています。一般的に、コンクリートの引張強度は圧縮強度の約1/10〜1/13程度とされています。この引張強度の弱さを補うために、引張力が作用する部分には鉄筋を配置して補強する「鉄筋コンクリート構造」が用いられます。したがって、引張強度が圧縮強度より大きいという記述は不適当です。 【選択肢3】正。木材の強度は、含水率が大きい状態のほうが小さくなる。これは正しい記述です。木材は、乾燥している状態であるほど強度が高く、含水率が高く湿っている状態では強度が低下する性質があります。これは、木材中の水分が繊維間の結合力を弱めるためと考えられています。そのため、建築材料として使用される木材は、適切な含水率に乾燥させてから使用することが重要です。 【選択肢4】正。集成材は、単板などを積層したもので、大規模な木造建築物に使用される。これは正しい記述です。集成材は、ひき板(ラミナと呼ばれる薄い板)を繊維方向をそろえて積層し、接着剤で貼り合わせて作られる木質材料です。天然の木材に比べて強度が高く、寸法安定性に優れ、大きな断面や長い材を製造できるため、体育館やホールなどの大規模な木造建築物の構造材や、住宅の梁材などに広く使用されています。単板という表現は厳密には「ひき板」ですが、積層材であるという本質は捉えています。