宅建 平成22年度(2010年)問30 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引主任者の登録(以下この問において「登録」という。)及び宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。)に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 婚姻している未成年者は、登録実務講習を修了しても、法定代理人から宅地建物取引業を営むことについての許可を受けなければ登録を受けることができない。
- 登録を受けている者は、取引主任者証の交付を受けていない場合は、その住所に変更があっても、登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請する必要はない。
- 取引主任者証を亡失し、その再交付を申請している者は、再交付を受けるまでの間、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明をする時は、取引主任者証に代えて、再交付申請書の写しを提示すればよい。
- 甲県知事から取引主任者証の交付を受けている者が、取引主任者としての事務を禁止する処分を受け、その禁止の期間中に本人の申請により登録が消除された場合は、その者が乙県で宅地建物取引主任者資格試験に合格したとしても、当該期間が満了しないときは、乙県知事の登録を受けることができない。
正解
正解は選択肢 4 です。
解説
正解は選択肢4です。宅地建物取引士として事務の禁止処分を受けた者は、その禁止期間が満了しない限り、登録の欠格事由に該当します(宅地建物取引業法第18条第1項第8号)。たとえ本人の申請により登録が消除されたとしても、この欠格期間は継続するため、新たな登録を受けることはできません。
【宅地建物取引業法第18条第1項第1号】 未成年者であっても、宅地建物取引業に関し行為能力を有する者と同一の行為能力を有する者(例:婚姻している未成年者、法定代理人から営業許可を得た未成年者)は登録を受けることができます。 【民法第5条第3項】 未成年者が法定代理人から特定の営業を許可された場合、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有するとみなされます。 【民法第753条】 未成年者が婚姻したときは、これによって成年者と同一の行為能力を有するとみなされます(成年擬制)。 【宅地建物取引業法第20条】 登録を受けている者は、登録事項(氏名、住所、本籍、勤務先)に変更があった場合、遅滞なく変更の登録を申請しなければなりません。 【宅地建物取引業法第35条第4項】 宅地建物取引士は、重要事項説明を行う際、相手方から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければなりません。 【宅地建物取引業法第18条第1項第8号】 宅地建物取引士として事務の禁止処分を受け、その禁止の期間が満了していない者は、登録を受けることができません。これは、登録が消除された場合でも、禁止期間中は欠格事由に該当し続けることを意味します。
【選択肢1】誤り。 婚姻している未成年者は、民法第753条により、成年者と同一の行為能力を有するとみなされます(成年擬制)。したがって、宅地建物取引業法第18条第1項第1号に規定する「宅地建物取引業に関し行為能力を有する者と同一の行為能力を有する者」に該当するため、法定代理人から宅地建物取引業を営むことについての許可を受けなくても、登録を受けることができます。この記述は、法定代理人の許可が必要としている点で誤りです。 【選択肢2】誤り。 宅地建物取引業法第20条は、登録を受けている者が登録事項(氏名、住所、本籍、勤務先)に変更があった場合、遅滞なく変更の登録を申請しなければならないと定めています。この義務は、宅地建物取引士証の交付を受けているか否かに関わらず発生します。登録そのものの内容に変更が生じたため、変更の登録申請が必要です。したがって、申請する必要はないとしている点で誤りです。 【選択肢3】誤り。 宅地建物取引業法第35条第4項により、重要事項説明を行う宅地建物取引士は、相手方から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければなりません。これは「宅地建物取引士証」そのものの提示を義務付けており、再交付申請書の写しではその義務を果たすことはできません。再交付を受けるまでの間は、重要事項説明を行うことができないか、他の宅地建物取引士に説明を代わってもらう必要があります。したがって、再交付申請書の写しでよいとしている点で誤りです。 【選択肢4】正しい。 宅地建物取引業法第18条第1項第8号は、宅地建物取引士として事務の禁止処分を受け、その禁止の期間が満了していない者は登録を受けることができないと規定しています。この規定は、たとえ本人の申請により登録が消除されたとしても、事務禁止処分による欠格期間が満了しない限り、新たな登録を受けることができないことを意味します。したがって、甲県での事務禁止期間が満了しない限り、乙県で試験に合格したとしても、乙県知事の登録を受けることはできません。この記述は正しいです。