宅建 平成21年度(2009年)問30 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業者A(国土交通大臣免許)が、宅地建物取引業法の規定に基づき供託する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. Aは、営業保証金を主たる事務所又はその他の事務所のいずれかの最寄りの供託所に供託することができる。
  2. Aが営業保証金を供託した旨は、供託所から国土交通大臣あてに通知されることから、Aがその旨を直接国土交通大臣に届け出る必要はない。
  3. Aとの取引により生じた電気工事業者の工事代金債権について、当該電気工事業者は、営業継続中のAが供託している営業保証金から、その弁済を受ける権利を有する。
  4. 営業保証金の還付により、営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなった場合、Aは、国土交通大臣から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。営業保証金が還付により不足した場合、宅地建物取引業者(宅建業者)は、免許権者からの通知を受けてから2週間以内にその不足額を供託しなければなりません(宅地建物取引業法第28条第2項)。他の選択肢は、供託場所、供託の届出義務、営業保証金から弁済を受けられる債権の範囲について、それぞれ誤った記述を含んでいます。

宅地建物取引業法(宅建業法) * **第25条第1項(供託場所)**: 宅建業者は、営業保証金を「主たる事務所の最寄りの供託所」に供託しなければならないと定めています。これは、取引の安全を確保するための重要なルールです。 * **第25条第3項(供託の届出)**: 宅建業者は、営業保証金を供託したときは、その旨を「免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない」と定めています。これは、免許権者が業者の営業開始準備状況を確認するための手続きです。 * **第27条第1項(弁済対象債権)**: 営業保証金から弁済を受けられるのは、「その宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者」に限定されています。これは、宅建業の取引によって損害を被った者を保護するための制度であり、一般の取引債権は対象外です。 * **第28条第2項(不足額供託)**: 営業保証金の還付により、供託額が政令で定める額に不足することとなった場合、宅建業者は「国土交通大臣又は都道府県知事から通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない」と定めています。これは、常に一定額の営業保証金を維持させ、取引の安全を確保するための規定です。

【選択肢1】誤。宅地建物取引業者Aは、営業保証金を「主たる事務所の最寄りの供託所」に供託しなければなりません(宅建業法第25条第1項)。「その他の事務所(従たる事務所)の最寄りの供託所」に供託することはできません。これは、供託場所を明確にすることで、債権者が還付請求を行う際の利便性を確保し、混乱を防ぐためのルールです。 【選択肢2】誤。宅地建物取引業者Aは、営業保証金を供託した旨を、自ら「免許を受けた国土交通大臣(本問では国土交通大臣免許のため)に届け出なければなりません」(宅建業法第25条第3項)。供託所から免許権者への通知は行われますが、それをもって業者の届出義務が免除されるわけではありません。宅建業者自身が直接届け出ることで、免許権者が確実に供託の事実を把握し、営業開始の準備が整ったことを確認できるようにしています。 【選択肢3】誤。営業保証金から弁済を受ける権利を有する者は、「その宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者」に限られます(宅建業法第27条第1項)。電気工事業者の工事代金債権は、宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業として行った取引(例えば、不動産の売買や賃貸の媒介など)から生じたものではなく、一般の請負契約に基づく債権です。したがって、当該電気工事業者は、営業保証金から弁済を受ける権利を有しません。営業保証金は、あくまで宅建業の取引によって生じた損害を補償するための制度であることを理解しておきましょう。 【選択肢4】正。営業保証金の還付により、営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなった場合、宅地建物取引業者Aは、国土交通大臣から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から「2週間以内」にその不足額を供託しなければなりません(宅建業法第28条第2項)。この期間は非常に重要であり、試験でも頻繁に問われます。この規定は、宅建業者が常に適切な額の営業保証金を維持し、取引の安全性を確保するための義務を課すものです。

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